575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

「死」の俳句と言えば・・・遅足

2020年07月03日 | Weblog
1960年の安保反対運動も次第に鎮静化。
世の中にやるせない、どこか捨て鉢な空気が蔓延。
「・・・このまま死んでしまいたい」という甘い声が、
ウイルスの様に広がっていきました。

西田佐知子の『アカシアの雨がやむとき』です。
本気で死を望んでいる歌ではありませんでした。
死にあこがれている歌でした。
最近、昔の歌を思い出しては唄っています。
リハビリのひとつです。

この歌が引き金になったのでしょうか。
記憶のなかから、こんな一句が浮かび上がってきました。

  麗らかや野に死に真似の遊びして

作者は中村 苑子(なかむら そのこ・1913年-2001年)
句集『吟遊』のなかの一句。他に

  睡蓮や聞き覚えある水の私語

  亡き人の来る夜来ぬ夜の白はちす

『吟遊』は、夫・高柳重信亡き後の1993年に刊行されいています。
急に中村苑子が読みたくなったのは、
わたしにとって「死」が現実となってきたからでしょうね。
コメント (4)
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