樋口一葉。明治初期の日本を代表する小説家。
本名は「奈津」しかし歌人として「夏子」。小
説家としては「一葉」 新聞小説では「浅香の
ぬま子」など多くのペンネームをつかいわけて
います。
一葉は、中島歌子の歌塾「萩の舎」にて古典を
学んだのち半井桃水に師事。しかし上野図書館
に通い独学で文筆を習得したといわれています。
そして、幸田露伴からヒントを得たといわれる
「うもれ木」を雑誌に発表。経済的に苦しんで
いた一葉は初原稿の半分は借金の返済にまわし
たといわれています。そのため、名作「たけく
らべ」は生活苦のために開いた荒物や駄菓子を
売る雑貨店が題材になっています。
明治29年「たけくらべ」が文学倶楽部に一括掲
載。森鴎外や幸田露伴からの高い評価もあり女
流小説家の第一人者となりました。しかし輝け
る存在も14ケ月ほど。医師であった森鴎外や当
代随一といわれた、友人の樫村清徳らによる治
療が行われました。しかし肺結核の進行が止め
られず24歳にて死去。
実は、別の句会の句碑巡りがありました。本郷
三丁目といえば樋口一葉ゆかりの地。利用した
といわれる食堂や質店も残存していて、いまだ
一葉の体温が残っている街という気がします。
ところで、赤門前の一葉像は日傘をさし涼しげ。
椅子に可愛らしく腰をかけています。一葉の像
は文京区本郷の宝真寺至近にあります。
「句碑巡り 日傘涼しき 一葉像」<殿>
文と構成 <殿>