575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

本郷にて

2020年07月12日 | Weblog


樋口一葉。明治初期の日本を代表する小説家。
本名は「奈津」しかし歌人として「夏子」。小
説家としては「一葉」 新聞小説では「浅香の
ぬま子」など多くのペンネームをつかいわけて
います。

一葉は、中島歌子の歌塾「萩の舎」にて古典を
学んだのち半井桃水に師事。しかし上野図書館
に通い独学で文筆を習得したといわれています。
そして、幸田露伴からヒントを得たといわれる
「うもれ木」を雑誌に発表。経済的に苦しんで
いた一葉は初原稿の半分は借金の返済にまわし
たといわれています。そのため、名作「たけく
らべ」は生活苦のために開いた荒物や駄菓子を
売る雑貨店が題材になっています。

明治29年「たけくらべ」が文学倶楽部に一括掲
載。森鴎外や幸田露伴からの高い評価もあり女
流小説家の第一人者となりました。しかし輝け
る存在も14ケ月ほど。医師であった森鴎外や当
代随一といわれた、友人の樫村清徳らによる治
療が行われました。しかし肺結核の進行が止め
られず24歳にて死去。

実は、別の句会の句碑巡りがありました。本郷
三丁目といえば樋口一葉ゆかりの地。利用した
といわれる食堂や質店も残存していて、いまだ
一葉の体温が残っている街という気がします。

ところで、赤門前の一葉像は日傘をさし涼しげ。
椅子に可愛らしく腰をかけています。一葉の像
は文京区本郷の宝真寺至近にあります。


「句碑巡り 日傘涼しき 一葉像」<殿>


文と構成 <殿>
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冷やし麦の色 <殿>

2020年07月12日 | Weblog


7月の題詠は「冷麦」冷麦と素麺の違いは
小麦粉に水を入れ生地を作り油を塗って手
で細く伸ばすのが「そうめん」板と麺棒で
薄く伸ばし刃物で切るのが「冷麦」との由。
冷麦はうどんや蕎麦に製法が酷似している
ようです。

冷麦やそうめんは奈良時代、中国からの留
学生のお土産がルーツ。外国帰りの僧侶が
楽しむオシャレな海外製のおやつだったよ
うです。

熱い汁なので「あつむぎ」冷たい汁なので
「ひやむぎ」が名前の由来とか。しかしこ
の逸話。実は落語に出てきた小噺。真偽に
ついての詮索は野暮なのかもしれません。

投句にいくつか散見されるように、冷麦に
は薄い赤など色のついた麺があります。着
色の本来の目的は麺の製法上の識別。しか
し色つき麺は子どもたちに人気があり、冷
麦一把に2本の色麺を入れると売り上げが
好調になるそうです。ちなみに色麺。天然
着色料を用い無味無臭だそうです。ほんの
り甘く感じたのは子どもの時の夢だったの
でしょうか。

「薄紅は 記憶のままに 冷やし麦」<殿>


写真と文 <殿>
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