「須賀」はくじ引きの「スカ」を意。砂の混じった非農耕地を意味したそうです。モデルの名は「須賀」千葉の漁港の生まれとか。子ども時代に悲しいことでもあったのでしょうか。「海は嫌いよ」とぼやきます。春雨の降るロケ。 文と写真<殿>
青衣の女人
発音すると「しょうえ の にょにん」となります。
作者の佐保子さんの誕生日は、なんと「お水取り」の3月12日で
お父さまが奈良の佐保山に宿る(春の神様)にちなんだ名前をつけてくださったそうです。
今回の兼題選びも、こんなご縁があったからなのですね
選句された竹葉さんのコメントです。
【「青衣の女人」のことを知り、女人禁制の時代に立派な女人がいたものと感心しました。ずーと、まぼろしでも過去帳に入れるなんて粋な二月堂ですが、これを詠まれたのはもっと凄いと思いました 】
20年ほど前、佐保子さんは、本などで調べた「お水取り」を一度観てみたいと、ひとりで宿をとって見にいらっしゃったそうです。
火の粉を浴びるほどお近くでご覧になれたのでしょうか。青衣の女人が幻想的で印象にのこり句にされたと伺いました。
青衣の女人とはいったい・・?
私も気になり、調べてみました。
≪鎌倉時代の修二会で、集慶(じゅうけい)という僧が過去帳を読み上げていると、青い衣を来た女性が現れます。
もちろんこの世の人のようではなく、誰ともわからない。
この女性が、「何故私を読み落としたのか」とうらめしそうに僧に問うたと言います。
僧は咄嗟に「青衣の女人!」と低い声で言うと
その青い衣の女性は、すーっと消えて行ったということです・・ ≫
不思議な出来事ですね。
そういえば同じく鎌倉時代、「吾妻鏡」に
のちに暗殺される源実朝が、青い女の人を見たというお話がでてきます。
不安な世相を反映したか、宗教や陰陽師の祈祷に頼ったころですね。今にも通じるかもしれません。
何百年もたつのに、今も低い声でゆっくりと「青衣の女人~」と読み上げ続けるという二月堂のお水取り。
少し背筋がゾクゾクしましたが(笑)いろいろなことを知り、とても楽しかったです。
お水取りの日から急速に暖かくなり、今や春爛漫。マスクをとって深呼吸したいものです。郁子