2021,7月「泳ぎ」
- 果ての海 人魚となりて 泳ぎをり (紅)殿 麗子 能登
- 荒梅雨を泳ぎ切ったる鼬(いたち)かな (遅足)麗子
- 突堤の夜どこまで泳ぐ水平線 (結宇)
- 茶葉泳ぐ 寺の茶碗は さめてをり (殿)等 紅 須美 泉 亜子
- 足ひれを一閃海女は夏の海 (等)須美 遅足 千香子
- 泳ぎっ子水滴ぽとと黒き肌 (竹葉)須美 佐保子 泉
- 今年こそ泳ぎわたるぞ向こう岸 (泉)晴代 佐保子
- 遠泳の付かず離れぬ二人かな (亜子)麗子 竹葉 晴代 遅足
- 遠泳を語る遠い眼波の音 (郁子)結宇 晴代 遅足 佐保子 千香子 能登
- 凪の海に抱かれ彼岸へ泳ぎ出ず (能登)結宇 竹葉
- 胎内を泳ぎし記憶水の中 (麗子)殿 紅 郁子 能登
- 米とぎて図解を横に平泳ぎ (千香子)殿 等 紅 郁子
- 競い合い抜手の後の浮身かな (晴代)泉 郁子 千香子 亜子
- 泳ぎたし十代になり長良川 (佐保子)等 竹葉
- 背中の子泳ぎ疲れて重さ増す (須美)結宇 亜子
自由題
- ちぎり絵の 甘きひとひら ソーダ水 (紅)須美
- 叱られて一日(ひとひ)手探り黴の蔵 (結宇)遅足 佐保子 能登
- 蜘蛛の巣の ひそか光れり 橅の森 (殿)等 結宇 紅 泉
- 墓職人眉動かせて拭ふ汗 (等)結宇 遅足 佐保子
- 雨しきり萎えし梔子(くちなし)香残せり(竹葉)須美 泉 千香子
- たまゆらの命惜しみて髪洗ふ (亜子)等 麗子 竹葉 郁子
- 棚奥に効くか去年の蚊遣香 (郁子)結宇 紅 晴代
- 土臭き風連れ来る驟雨かな (能登)殿 麗子 竹葉 晴代 遅足 佐保子 泉 郁子 亜子
- あらつゆを待つや静かな蝶の朝 (遅足)殿 須美
- 噴水や盲導犬の大人しく (麗子)竹葉 晴代 千香子 亜子
- 飲みすぎだよ園児の注ぐビールかな (千香子)
- 農作業揺れるてぬぐい汗どこへ (泉)
- そそくさと出たり冷房強き店 (晴代)
- 羸痩(るいそう)の夫と生きをり梅雨末期 (佐保子)殿 麗子 紅 郁子 千香子 亜子 能登
- 昼寝覚め朝かな夜かここは何処 (須美)等 能登
いかがでしたか?「泳ぎ」は難しかったという声が多く聞かれました。
兼題トップ 郁子 自由題トップは9票の高得点で能登さんでした。