「石蕗の花」句会で見事トップ賞に輝いた千香子さんの秀句です。
夕暮れの庭。つわぶきの黄色がいつまでも目に残ります。つわぶきの黄色は明るいだけでなく少し深みのあるなんとも言えない黄色ですね。
皆様からのコメントです。
殿様:夕闇の迫る庭に石蕗の花が浮かびあがる情景を色彩で印象つけた感。
「庭先の 一隅照らす 石蕗の花」と選句で逡巡しました。
等さん:「庭暮るる」という短い一言で、句全体の雰囲気を表しているのだと思います。
能登さん:皆さん印象的な黄色にスポットを当てていらっしゃいますが、当句が一番素直に心を打ちます。
紅さん:中七下五のつながりが好きです。
亜子さん:「黄色」がキーワード。いつまでも残っている黄色。優しいけどくっきりと夕方暗くなってもまぶたに残る。時間の経過と共に、黄色がより印象に残る。夕暮れによくあっていると思います。
泉さん:のどかな懐かしい感じがする。
すみさん:庭が薄暗くなってきても石蕗の黄色はひときわ目立ちます。「黄色残して」が好き。
竹葉さん:こういうのが俳句だ、というお手本ばかりの「石蕗の花」で成程、あの黄色をどう例えるか、どう言う心情を読みたいのかが大切と勉強させて頂きました。
★★★
晴代さんの「ぬくもりを残し夕ぐれ石蕗の花」という句も同じように夕暮れ時のツワブキを詠んでいます。石蕗の花には夕暮れが似合う気がします。「ぬくもりを残す」か「黄色残すか」。好みは分かれるでしょうがどちらも情緒深い句ですね。575の会、今年一年を締めくくるのにふさわしい句だと思いました。麗子