575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

泥粒を咥えつばめの喉赤し  童子

2023年06月02日 | Weblog

タキシードを着たようにおしゃれな燕、高速で飛び高貴なほどに胸をはる燕。

そういうスマートな姿でなく、巣作りのために地道に泥を運ぶつばめの喉元に作者の目が寄せられます。

 

晴代さん: 泥を集めるのも大変でしょうね。

容子さん: ディテイルの描写が魅力的です

亜子さん: 燕は泥や小枝など色んなものを咥えて来て巣を作る。そのリアルな姿が感じられた。ただ口の中が赤いのは外からも見えるのかそれを聞いてみたい。

他に遅足さん、私もいただきました。

アッというまに通り過ぎるのでわかりづらいかもしれませんが

燕を実際の写真で確認すると、嘴から下の喉元が赤茶色をしていました。

そういえば、ヤクルトスワローズのマスコット「つば九郎」は、ほっぺから赤かったですね。

 

「それにしても「泥粒」という言葉はなかなか出ませんよ!」と麗子さんも称賛します。

確かにお椀状の巣は、何度も往復する中で一粒一粒、泥粒を口から出して固めたもの。

精魂こめて作った巣に宝物のような卵を産むのですね。こんなに小さな生き物でも命の尊さを知っているのだと教えられます。

喉元の赤は燕のひたむきさの象徴ともとれそうです。

   

 

 雨もよい尾羽を二本みせ燕  晴代

 この句も燕の一部をクローズアップしています。先がふたつに割れているスーツを燕尾服とはよく名付けたものです。

 梅雨にはいりました。しかも台風まで。

 二本の尾羽からしずくを落としながら子育てに奮闘している燕にエールを送りたいです。 郁子

 

 

 

コメント (2)
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