全て漢字のこの句は、色とりどりの春の山の景色そのまま。お見事です。
山若葉のあとは「せきとうおうりょくせいらんし」と読みます。太陽光をプリズムで分解した色=虹の色のことだそうです。
千香子さん:若葉のころのみどりは実に多様で虹のように美しい。漢字だけで最初は読み方もわからずとまどいました。
亜子さん:漢字だけの俳句はなかなか難しい。その意欲に一票を投じました。
山藤に覆いつくされ小山どこ 泉
こちらは藤色に染まる小山です。
いつも見ている小さな山が藤色になっている。その発見を詠まれました。下五の「小山どこ」がもうひとひねりあった方がよかったかも知れませんが、そこがいいという意見もありました。
竹葉さん:山藤ははっと気がつくと目が届かないくらい木の上の方までつるを延ばしています。「小山どこ」というほどの藤を見たことはありませんが、辺り一面藤だらけの感じがよく出てると思います。
須美さん:「小山どこ」が効いている。見てみたくなる。
★★★
毎日眺めている山の変化をよく捉えた二句だったと思います。季節は移り「山笑う」から「山滴る」。いよいよ夏山到来ですね。麗子