575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

ベッドから眺む四角い冬の空  麗子

2024年12月26日 | Weblog

11月下旬に口腔外科に一泊入院。歯茎の中に埋没して姿を現さないけど、中で横向きで生えているやっかいな親不知を二本同時に抜くという小手術をしました。

病室の窓から切り取られた冬晴れの青空を眺めていました。お蔭様で今はすっかり痛みも引き普通に食事ができるようになりました。疲れると奥歯が痛かったので長年の不快が還暦を前にすっきり出来ました。それにしても親が亡くなってから抜く親不知。本当に親は知りませんね。

能登さん:「四角の空」体感から生まれる言葉でしょうか。佳句だと思います。

容子さん:「しかしその深さを知る」という思いがします。

郁子さん:病気で入院したことがありませんが、ベッドに横になっていると白い天井か窓の外を眺めるしかないのでしょうね。 四角に切り取られた冬空を見ている作者の心細さが伝わります。

 

私はベッドで寝ているしかありませんでしたが、こちらの句は軽やかな外出です。

     冬天に靴音軽き演奏会 容子

演奏会へのわくわく感が伝わってきます。心浮き立つ感じがよく出ていると思いました。

竹葉さん:「靴音高く」だと冬の凛とした空気に響いてる感じですが、「軽き」だから演奏会の入り口に向かう人々の軽やかな心を詠んでるのかと思いました。

童子さん:軽きの「き」が「気」になります。笑

心が躍るような演奏会だったのがうかがえますね。

晴代さん:真っ青な冬空が演奏会への期待をおもわせます。

 

続いてはちょっと寂しい冬空。

   冬空や重機の壊す螺子工場  千香子

「螺子工場」という言葉を見つけて来られたことに感服しました。物作りを支える「螺子工場」が大きな重機で壊されていく切なさ。

須美さん:螺子工場が効いていると思いました。

亜子さん:かつては活気のあった螺子工場も時代の波か老朽化で取り壊すことになった厳しい現実。冬の空にあまり希望は持てないが、更地になったところにまた何か立つかも知れない。螺子ひとつでも世の中が変わることもある。時事句かも知れない。

             ★★★

同じ冬の空でも作者の見ている状況、その時の心境で色々と違った空に思えるものです。どうか来る2025年が穏やかな明るい空でありますように。皆さま、今年もお世話になりました。 良いお年をお迎えください。                 麗子

 

 

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2 コメント

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Unknown (佐保子)
2024-12-26 08:58:08
なぜあの奥歯を親知らずというのか?改めて???でした。うちの遅足も12月に入って虫歯が見つかり、今は、借り処置。年が明けたら親知らずを抜きそのとなりに出来た虫歯を本格的に治療の予定です。せっかくハチマルニイマルの立派な賞状をひざ掛けをいただいたところだったのに。どうも私のコメントは、俳句から離れて、日常茶飯事になってすみません。
容子さんの句。私もきでなくしのほうがいいかなと思いました。12月は音楽会多いですよね。
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Unknown (郁子)
2024-12-26 10:05:19
確かに出かける場所によって足取りも変わり靴音も高らかになりますね。乾いた空気に響くのですね。
小さい頃,外まで機械音が聞こえてくる工場がよくありました。通学路とか‥昭和の音ですね。そんな工場がいつのまにか消えてしまいました。寂しいです。
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