575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

姫松葉牡丹           草女

2007年09月28日 | Weblog
 可愛らしい名前だが熱帯アメリカ原産のスベリヒユ科マツバボタン属の一年草。葉や茎はマツバボタンにそっくりだが、葉の基部には白毛があるのでケツメクサの別名もある。花は紅紫色のみで7月から九月にかけて咲く。花の直径は7~8cm
と小さい。
 お隣さんの前庭はコンクリートで覆われているが半畳くらいの土の部分があってそこに数年前から繁茂している。入り込んできたのか、植えられたのか分からないが、毎年律儀に芽を出し花を咲かせる。
 今年の異常な暑さの中、ついに家の前の道路のコンクリートの隙間から芽を出し花を咲かせた。日ごと円形の広がりは大きく成長し、何処から養分を摂るのか、水分をどうやって確保しているのか疑問は膨らむ。
 夕方表を掃くとき葉は巻き上がりさすがに枯れたかと思っていると、翌朝には普通に葉を戻し花が咲いている。コンクリートに貼りつくように生きているヒメマツバボタンは一体どのくらいの温度に耐えていたのか。熱帯産で多肉質植物とはいえ
わが身に比べ、驚異的な頑張りだとエールを送っていた。
 しかし、やっと雨が降った日の朝、影も形も無くなっていた。道路とはいえ塀のすぐ前で通行の邪魔になるところでなかったのにとがっかりした。
 でも、たくましい彼らのこと、種子を地に残したにちがいない。来年の再会を楽しみにしている。

   おのづから松葉牡丹に道はあり       高浜虚子
   自動車に松葉牡丹の照りかえし       中村汀女
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