今年も残すところ二日となりました。皆さまにとってどんな一年だったでしょうか。この一年の兼題を振り返り、トップ賞の句を拾ってみました。
兼題と自由題合わせて掲載しています。
〇1月 「白菜」
白菜や外葉剥がせば白光る (須美)
父の文字小さくなりぬ年賀状 (麗子)
能登地震つぶれし軒の注連飾り (能登)
〇2月 「春の夢」
父宛の母の恋文春の夢 (亜子)
辺野古の湾を群れるジュゴン春の夢 (千香子)
蝋梅は咲いたかと聞く父の指 (麗子)
3月 「風船」
頬ばかりふくらむ吾子の紙風船 (郁子)
春愁を蹴散らす鍵盤ガーシュイン (容子)
下萌や平城宮の都跡 (麗子)
〇4月 「春の花」
子を乗せて急ぐ自転車花の朝 (麗子)
ビル街を墨絵仕立てに春の雨 (晴代)
春星や入り江の波の子守歌 (郁子)
納骨の日取り決まりて落花かな (麗子)
〇5月 「薫風」
薫風や千の石段登りきて (亜子)
ピアノ譜に踊るひかりや夏木立 (郁子)
〇6月兼題 「短夜」「明易し」
湯けむりやさよなら会の明け易し (千香子)
青嵐突っきってゆくベビーカー (晴代)
〇7月 「熱帯魚」
美ら海に砲弾と船熱帯魚 (泉)
堰を切る言葉はある日の夕立 (容子)
〇8月 「霧」
朝霧の中へ漕ぎ出す車椅子 (遅足)
山寺の鐘の音霧と広がれり (郁子)
ややこしき話のあとや胡瓜もみ (晴代)
〇9月 「菊」
菊を置く桐箪笥消ゆ母の部屋 (童子)
逝き際の静かな化粧櫨(はぜ)紅葉 (竹葉)
〇10月 「里芋」
里芋や育児日記に足の型 (千香子)
隣家より嬰の声して良夜かな (亜子)
〇11月 「秋の鳥」
鶺鴒のリズムよき尾の石づたい (晴代)
瀬田川に浮くは言の葉月明り (郁子)
青みかん昼餉の畦にころげでり (晴代)
〇12月 「冬の空」
古書店の消えゆく街や冬の空 (亜子)
包装紙たたむ手際の師走かな (亜子)
だんまりのひと日となりぬ枇杷の花 (晴代)
しぐるるや人待ち顔の赤ポスト (郁子)
年間トップ賞は
兼題のみ 1位 亜子さん 千香子さん(3句入賞)
兼題+自由題 1位 晴代さん 郁子 (6句)
2位 亜子さん 麗子さん(5句) 3位 千香子さん(3句) となりました。
獲得総数となるとまた違ってくると思いますが、あらためて一年を見直すとまた違った気づきや感動があります。
来年も素敵な句に出会えますように。皆さま♡どうぞよいお年を 郁子
年の瀬のお忙しい中1年のまとめをありがとうございました。
こうして改めて振り返ると、もうすでに懐かしく句の持っ力を再認識できました。
来る年はどんな俳句と巡り会えるかとても楽しみです。今年もお世話になりました。