菊句会いかがでしたでしょうか?お通夜、葬儀など悲しみの場で目にする菊ですが、介護の場面、菊料理、菊を育てる楽しみ、そして香りなどが詠まれました。
そんな中見事トップ賞に輝いたのは童子さんのこの秀句でした。
作者の童子さん。「リフォームせずにそのままにしてあった両親の部屋から、最後の荷物、母の桐箪笥を出しました。」とありました。
実家の片付け。母の部屋から重量のある立派な桐箪笥が運び出され、何とも言えない寂寥感に包まれたことでしょう。桐箪笥がなくなって広くなった部屋。そこに菊の花を飾る作者の気持ちを思うとせつないです。「桐箪笥消ゆ」という表現はなかなかできないと思いました。
皆さんのコメントです。
竹葉さん:お母さんが逝って寂しいとの言葉はなくて、すべてを語っているのがとても上手いと思います。
能登さん:飾る人が居なくなったのか。箪笥が消えたのか。何かが足りない寂寥感。
千香子さん:⑪,⑫と迷いましたが、
泉さん:いろいろ解釈に迷いました。 菊をお母さんの箪笥の上におくと菊の香りでいっぱいになってお母さん香りが消されたような気がした。
亜子さん:桐箪笥が運び出されて消えたというのはお母さまが亡くなったのか。。母を偲ぶ気持ちで菊を活けたのでしょう。心打たれた句。
★★★
今回亜子さんから私の無得点の句にアドバイスをいただきました。
白菊や残されし文字そのままに
何が残されているのかわからない。一読してわかるように、作ったあとにもう一度今度は鑑賞する立場になってチェックすること。もう一人の自分が必要だということを教えてくださいました。
実は8月末に義母が亡くなって荷物の整理をしていたら、ハンドバックから手帳が出て来ました。そこには私たち夫婦に対しての感謝の言葉がつづられていました。その思いに引きずられて、日記のような私だけがわかる俳句となってしまいました。「もう一人の自分」は全くいませんでした。反省。精進します。麗子