575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

秋深しどこに痛みもない目覚め    朱露

2011年10月07日 | Weblog
    この場合は気持ちの痛みのことだ。 
    人をバカにしたりすると痛くなる。
    バカにされると激痛で寝られない。
    人のことを考えないで寝るといい。

             


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草の花~俳風三麗花を読みました。  遅足

2011年10月07日 | Weblog
三田 完さんの最近作です。

物語は、昭和十年。東京・日暮里の暮愁先生の句会に
集う三人の麗人の紹介から始まります。
女子医専(現在の東京女子医大)を卒業し満洲・大連へ赴任する壽子(ひさこ)、
新進の科学者と結婚して身籠るも流産、失意の日々を送るちゑ、
歌舞伎界の大立者・六代目菊五郎の妾となった浅草芸者の松太郎。

この日の席題は、引鶴と霞。
投句は各一句、一時間後が締め切り、というルール。

  引鶴やふたたびの日はおもふまじ  

大連に渡る気持ちを詠んだ壽子の句が最高点。

お話の主人公は、俳句を詠む三人の若き女性ということで、
俳風三麗花と名づけられた三人。
六代目のほか、満州国の愛親覚羅溥儀陛下、甘粕大尉や、
川島芳子、永井荷風なども登場。
東京と大連を舞台に、2・26事件から敗戦という
激動の時代が描かれています。

章立てが、柳絮・草の花・春泥など季語。
各章に句会が開かれて、お話の進行に重要な役割を果たしています。

星祭という章では、この季語を題詠に溥儀陛下の前で
句会が行われます。
ここで溥儀陛下が選んだ句は壽子がつくった句

 水の帯まじはりゆかし星祭

俳句好きの私には楽しめる本でした。秋の夜長の一冊にどうぞ。



 


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コスモスをかき分け分けて深呼吸 立雄

2011年10月07日 | Weblog
☆麗子
    中七の「かき分け分けて」が一面のコスモス畑を連想させます。
    そこで深呼吸。気持ちのいい一句だと思います。
    拙句の「高原の~」はまさにこういう感じ。
    このような表現をしたかったのです。

遅足  
    そうですね。中七で広いコスモスの海が目に浮かんできます。
    分け入って・・・深呼吸。
    コスモスになってしまったのでしょうか?
    身体感覚でコスモスを詠んだ句は、男性には珍しいかな・・・


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秋深し足の筋肉叩いてみる    朱露

2011年10月06日 | Weblog
    ゴルフから足を洗って二度目の秋。
    めっきり運動量が減ったのは当然。
    金が増えた実感がないのが不思議。
    元々ないものが増える訳はないさ。

            



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コスモスの咲かぬ死の街死の田畑 静荷

2011年10月06日 | Weblog
陸奥の津波に襲われた大地。なにもかもが呑み込まれてしまった。
去年までは、あちこちに咲いていたコスモスも見られない・・・
人の住む街も。田畑にも。
句のうしろには、来年は咲いてほしい、という思いがあるのでしょう。

まもなく冬。みちのくの冬は厳しいと思います。
どうか風などに十分気をつけて下さい。       遅足


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秋ふかく石がささやく石の声  中川宗淵

2011年10月05日 | Weblog
作者は1907年生まれ。臨済宗の僧。
古来、石は不死や永遠なる生命のシンボルとされてきました。
石には霊魂が宿っているとも。巌をご神体とする神社は多いようです。

また、石は天から降ってきたもので、尊く、信仰の対象にもなってきました。
隕石は、天降石、星石などと呼ばれ、神として祀った神社もあります。

昔から人々は、神聖な石がささやく石の声を聴こうとしてきました。
静かな秋。深まった頃ならば、石の声が聴こえるかも。

   (仏心の俳句一○八より)    遅足




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コスモスのゆれる合間に見えし面   晴代

2011年10月05日 | Weblog
コスモスのお花畑。遠くにココロを寄せた人がいる。いや、いた。
そんな面差しを思い出している。今、その人はどうしているのかしら・・・
女ココロはゆれる。
と、読みましたが「面」は、あるいは人ではないのかも。
水面、海面かも知れません。そうすると・・・
句は、また違った様相を呈してきます。
                    (遅足)

  
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塩は峠を越えて   鳥野

2011年10月04日 | Weblog
調味料に塩蔵にと、塩がどんなに大切なものなのか。
その昔、その塩を内陸に運ぶために、命がけの苦労があったことに、打たれました。

塩の道「千国街道」は糸魚川から幾つもの峠を越えて松本まで。さらに塩尻へと
約30里。5~6泊の難路です。

歩荷(ぼっか)と呼ばれる人の背で約50キロ、牛の背で100キロの荷。
雪で牛が歩けい季節になれば、人が歩きました。

暴れ川と呼ばれ、いつ氾濫するか分からない姫川沿いを避けて、敢えて急峻な 
峠越えを選んだのは先人の知恵と言えましょう。

長野県の小谷村には、「千国の庄史料館」が大町市には「塩の道博物館」が完備。
幾通りもの、峠越えの道や、番所跡、牛方宿が保存されています。

  ・ 塩を負いあえぎつつ行く峠道 千国番所の灯り命と

                      鳥野

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毛糸着て寝たる姿や冬近し    朱露

2011年10月03日 | Weblog
    「ふとん着て寝たる姿や」をパクる。
    起きたら毛糸のセーターを着ていた。
    「もう冬か」と酒を冬のせいにする。
    オイオイ立冬までひと月少々あるぜ。

             



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コスモスはやせっぽっち赤毛のアン   能登

2011年10月03日 | Weblog
☆遅足
    たしかにコスモスは痩せっぽちですね。そうした特色から一気に
    赤毛のアンに飛躍するところが面白いと思いました。
    アンも痩せっぽちで背の高い少女だそうです。

麗子
   心惹かれる句でしたが中七の字足らずが惜しいですね。

                

秋桜を遣り過ごしたる男かな  朱露

   作者のコメントが届きました。

   コスモス程度のものとはかかわりたくない、という態度を、
   句ではっきりさせたい、ということです。
   無理っぽく深読みすれば、ある「人」でもいい。

           
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人の家まだ動きなし秋の朝    朱露

2011年10月03日 | Weblog
    と書いたら黄色い帽子がゾロゾロ。
    七時半過ぎているので登校の時間。
    屋根の下のことなど分かりもせず。
    何もしていない老人のくせに黙れ。 

             
 
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コスモスや風がくすぐるみぎひだり    郁子

2011年10月02日 | Weblog
☆朱露 
    「くすぐるみぎひだり」のひらがなが上手い。
☆智恵 
    「くすぐる」「みぎひだり」どちらにも、可憐さを感じます。
☆麗子 
    「くすぐる」という表現と「みぎひだり」のひらがなが新鮮でした。
    よるべないコスモスのそよぎがよく表現されていると思いました。
☆亜子 
    コスモスは風と縁が深い。私も風のコスモスを詠んだが、
    そうした句の中で、くすぐる、という表現にひかれた。
☆晴代 
    コスモスにはなんといっても風が似合います。

遅足の感想
    みなさんのご指摘の通り「くすぐるみぎひだり」
    という表現がユニークです。
    小さな子供と遊ぶ時に、腋の下に手を入れて「コチョコチョ」と
    擽ったことを思い出しました。
    2、3回もすると、「コチョコチョ」というだけで、
    擽ったそうに逃げていきました。
    良い句ですね。


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秋の雲多米上空を浜名湖へ    朱露

2011年10月02日 | Weblog
    横須賀・名古屋・豊橋と流浪した。
    豊橋もいささか広くて東端の多米。
    多米もいささか広く赤岩寺の門前。
    源頼朝が歩いた鎌倉街道の道端だ。

              



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高原のコスモスにただ抱かれる  麗子

2011年10月01日 | Weblog
☆郁子 シンプルで少女のような感性が好きです
☆童子 何も考えなくていい時間が過ごせそう・・・
☆晴代 コスモスの咲いている広がりと乙女チックなのがよろしいですね。

作者  ありがとうございます。数年前に訪れた乗鞍の手前のスキー場の前に
    一面のコスモス畑が広がっていました。
    思わず引き寄せられことを思い出し作ってみました。

遅足の感想
   高原のコスモスが揺れている。そのなかにわけ入る。
   コスモスの揺れに身を任せている。そんな感じでしょうか。
   
     コスモスに抱かれていま風になる

   今日から西高東低、冬型の気圧配置に。
   北風の出番らしいです。風邪など要注意です。
   肺炎の予防接種をしました。



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夢悪くガバと起きれば秋曇    朱露

2011年10月01日 | Weblog
    夢は五臓六腑の疲れだと聞いたけど、
    何もしていないから疲れようがない。
    年をとると夢はたいていよくはない。
    大体年よりのいい夢ってどんなのだ。

               



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