575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

蟷螂の抗いて鎌風を受く    郁子

2013年09月23日 | Weblog
螳螂といえば鎌。鎌を詠んだ方は3人。

②蟷螂の抗いて鎌風を受く    郁子

「抗いて」と「風を受く」が好き。蟷螂にも五分の魂? と麗子さん。

作者にとって、螳螂は怖い存在ではなく、不器用な老人というイメージ。
ドンキホーテのように親しみと愛しさを感ずるものだそうです。
息を吹きかけてやると、鎌をあげて戦う姿勢を見せる。
そこがまた愛おしいとか。

④肉食系鎌ふりかざす子かまきり   すみ

こうして種は伝承されていきます、と鳥野さん。
今や肉食系は女子。この子かまきりはもしかして女子大生?と麗子さん。
そういえば、

  役目終え蟷螂めすに喰われけり  立雄

という句も・・・

⑬いぼむしり得意満面鎌が鳴る   智恵

いぼむしり、という別名が面白くて、いかにも自慢げな構え、から、と作者。

人間なら腕がなるというところを「鎌がなる」と言ったところが面白いという感想も。

鎌はその名の由来ともなっているように螳螂最大の特徴。
6本の脚のうち、前脚が鎌状に変化したもの。

「蟷螂の斧」と言いますが、カマキリの鎌のこと。
カマキリが鎌を振り上げて大きな車に向かってきたという「荘子」などの故事から。
はかない抵抗の喩えとされています。

句の背景には、この蟷螂の斧のニュアンスも隠されていますね。  遅足



コメント
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