575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

新米や安堵の粒がこぼれける    郁子

2013年09月07日 | Weblog
安堵の粒がこぼれけるという七五。
どこから零れるのか?少しはっきりしません。

暑い日照り続きで収穫を心配しながら、それでも何とかできた新米。
生産者はどんなにうれしく思うでしょう。
脱穀して精米し、白米となった一粒一粒。
お百姓さんは、両の手ですくいあげてしみじみと見るのではないか。
ほっとした思いと同時に指のあいだからほろほろと
艶やかな米が零れ落ちるのではないかと、作者。

  新米や安堵に粒のこぼれけり

または、

  新米や安堵の手よりこぼれけり

としたほうが、句の景ははっきりとします。
しかし原句にあった詩的なものがこぼれてしまう気もします。
どうしたものでしょうね?

                     遅足





コメント
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