575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

10月句会の投句が集まりました。    遅足

2013年10月16日 | Weblog
今回の題詠は「古酒」です。
お酒を味わう。目で耳で鼻で喉で・・・
みなさんはどんな味わい方をしたのでしょうか?

題詠「古酒」
①到来の古酒の名辿る小史かな
②ちろちろと胸に沁みいる古酒の酔い
③秋日和古酒のような人と会い
④古酒の杯銀河の雫友と干す
⑤呑み干してなほいとほしむ古酒の瓶
⑥一対一古人と古酒を酌み交わす
⑦古酒似合ふ牧水放哉山頭火
⑧行く末の覚悟を杯に加賀の古酒
⑨古酒酌んで古女房の気炎かな
⑩来し方を映し溶かして古酒の味
⑪ポツリ立つ酒屋の棚に古酒の瓶
⑫フクシマをよそ眼で見つつ古酒を酌む
⑬対酌の杯を重ねる古酒の宴

自由題
①道の駅手塩の秋を並べをり
②秋晴れや心のひだをたぐり寄せ
③紅葉かつ散る池へハンモックにも
④十六夜をホームの窓に見しといふ
⑤殺生や秋の蚊をわが腕に討つ
⑥葛の花風の言葉を風が消す
⑦言い訳を聞いたふりしてカンナ散る
⑧独り身に終ひ(しまい)秋刀魚のぎょろ目かな
⑨腕白やお菓子につられ神輿引く
⑩片道の言葉の先に秋簾
⑪香を求め柚子摘む手先棘の邪魔
⑫牛の眼に穂高をうつし牧を閉づ
⑬金色のうねりとなって木犀香


台風が去りました。朝、西の空に虹が・・・
予定通り句会は行います。

 
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ひーばーちゃんと一緒に  鳥野

2013年10月15日 | Weblog
日常の生活から着物が消えて、随分の日が経ちました。
明治最晩年生まれの母は、一生の殆どが和服。
朝起きて、手早く身支度し、タスキをかけて、家事も
子育てもこなしていました。

「着物離れ」とともに、たくさんの言葉が死語になっ
てしまったのは、惜しい事。それも老人のたわ言でし
ょうか。

その一つに、「肩上げ」が。
子供の成長に合わせて、裄丈を調節する技法です。
「肩上げを下す」とは、成長のしるし。もう童女
ではないという宣言でした。

今年の盆踊りに、かなり高齢の婦人と連れ立った
浴衣姿の児を見かけました。
きちんと仕上げた肩上げ。

 ・ 肩上げのちんまり可愛い祭りの子、曽祖母
   ちゃんと手振り合わせて
                 鳥野
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一斉に稲の海より群雀     遅足  

2013年10月14日 | Weblog
名古屋・東山の平和公園に小さな水田があります。
市民グループが米作りをしています。
今は稲穂が重く首を垂れています。収穫もまじか。

100羽ほどの雀が田んぼに近い雑木林に飛んできました
お米を狙ってやってくるのだそうです。

案山子が立っています。
銀色に輝く防鳥テープも張り巡らされていますが・・・
余り効果はないとか。

人の気配がなくなると一斉に田んぼへ。
日本全体では一万トンの農作物被害があるとも。
そういえば、長い間、雀は害鳥だったんですね。
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大鷹の風の階段のぼりつめ   遅足

2013年10月13日 | Weblog
文字通りの秋晴れ。
奥さんに誘われて東山公園のちかくの自然観察会に。
まず赤とんぼの産卵。雄と雌がつながったまま。
雌が尻尾を水につけて・・・
産卵も二匹一緒とは???

サツマイモを掘っている人たちも。
一つの芋蔓には一体、何枚の葉があるのか?
数えた結果は350枚でした。

空には二羽の大型の鳥が・・・
一羽は鴉。もう一羽は鷹の仲間のようです。
鴉が鷹にチョッカイをかけているような・・・
やがて鷹は大きく羽ばたいて上空へ。

雲一つない青空を秋風が吹き抜けていきます。

お昼ご飯を食べて解散。
帰り道、まだ動物園に向かう車の行列が。
静岡や滋賀のナンバーも・・・ご苦労様です。




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星もまた静かに歩む聖夜かな   岩岡中正

2013年10月12日 | Weblog
岩岡中正さんの句集「夏薊」のなかの一句です。

最初はクリスマスに行われる聖夜劇を思い浮かべました。
星の役をもらった小さな子供が舞台をあるいている。
可愛らしい景です。

次には空の星の運行を。
時間とともに天空が動き、星たちも空を歩いてゆきます。

そうした時間の流れが静かに。
聖夜にふさわしい句です。       遅足
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吊鐘のなかの月日も柿の秋   飯田龍太

2013年10月11日 | Weblog
最初に頭に浮かんだのは、安珍清姫のお話。
道成寺に逃げ込み、梵鐘の中に隠れた安珍。
大蛇になった清姫は鐘に巻き付き、
安珍は鐘の中で焼き殺されてしまった。

それは違うようです。では、吊鐘のなかの月日って?

時刻を告げる鐘。外に時間を告げます。
鐘の内側にはどんな時間が流れているのでしょうか?

腕時計で時を知るわけです。
時計のなかには、また別の時間があるのでしょうか?

一緒に暮らす人たちにも同じ時間が流れていると思っていますが・・・
本当にそうなんでしょうか?

どこか一筋縄ではいかない人生を思わせる句です。
皆さんは、どう読みます?
                   遅足

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寄り添いて同じ思いの思草      遅足

2013年10月10日 | Weblog
久しぶりに植物園に奥さんと散歩に。
ツクツクボウシが鳴いていました。
小学校一年生たちがビニール袋を手に手に。
ドングリや落葉を拾っています。

ススキの根元をかき分けると・・・
ナンバンギセルが。
ススキに寄生する植物で葉緑素がありません。
栄養はススキから。

  道辺の尾花が下の思草今さらになに物か思はむ

ナンバンギセルは思草(おもいぐさ)とも。
万葉集にも詠まれています。

夏のような暑い日です。

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句会が近づいてきました。    遅足

2013年10月09日 | Weblog
今回の題詠は「古酒」です。
辞書によると、その年の蔵出しの酒で保存のために火を入れたもの。
一方、火を入れないものが「新酒」、とあります。

歳時記を読むと、新酒が出回って、まだ残っている去年の酒を指すそうです。

現在は、酒は寒造りですが、昔は収穫後の米をすぐ醸造。
新酒も古酒も秋の季語となっています。

季語が時代にそぐわなくなった一例でもあります。

また、長い期間熟成させた酒も古酒と言います。
今回の句会では、この長い間熟成させた酒という広い意味もOKです。

古酒というイメージを生かした句をつくってみましょう。

 古酒新酒水のごとくに酌む人よ

私は酒は飲めませんので・・・      
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絶景かな  鳥野

2013年10月08日 | Weblog
長く生きて来て数多くの、紅葉を見てきました。
「絵にも描けないような」「息を呑むような」
「言葉では言い表せないような」・・・そんな
光景も幾たびか。

そのうちで随一。忘れられないのは、高瀬渓谷。
北アルプスの山懐、大町、七倉、高瀬の3つの
ダム湖のどん詰まりです。

車の規制が厳しく、乗り入れられるのは、許可証
を持つ、地元のタクシーのみ。
道路事情と駐車スペース故の別天地です。

当時は二階建て15室の、貧弱な村営施設だった
温泉宿の明日香荘に泊って、タクシーを待ちまし
た。

トンネルを抜け、カーブを幾曲り。タクシーは高
度を稼ぎます。

ようやくのダムサイト。紅葉と湖面。濃淡の緋、
きらきらと眩いばかりに光るのは、ダケカンバか。
野口五郎岳、双六岳が背景です。

時間を忘れて、紅葉の真っただ中。やがて陽の
位置がが変わり始めました。

 ・ 紅葉して夕日差し入る隙間なし  鳥野

  
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あがらふもうべなふも秋風の中   岩岡中正

2013年10月07日 | Weblog
岩岡中正さんの句集「夏薊」を読みました。

掲句は柳に腰折れなし、と言いますが、まさにそんな達観の境地。
作者は昭和23年、熊本県生まれ。
この句は40代の作だそうです。

他にも

  寒さうにあたたかさうにふきのとう

  叶ふこと叶わざること春立てり

私の好きな句は

  あたたかや犬の入院話など

  初夢もまた平凡でありにけり

  松もまた静かに老いる秋の暮

俳句こそ人生の伴侶なんだと思わせてくれます。

句集の夏薊はこの句から

  これよりはスコットランド夏薊

作者20代の作だそうです。

                    遅足

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秋の蝶小さな空を分かちあう       遅足

2013年10月06日 | Weblog
小さな庭に蝶が飛んできます。
楠にはアオスジアゲハ。
蜜柑と柚子の木にはモンキアゲハ。
草花にはシジミチョウ。
時には二種類以上の蝶が舞っています。

空とは「神の住む天より下」という意味だとか。
では、どこから上を空というのでしょうか?
山の頂から?
高い木のてっぺんから?
高くあげた両手の先から?

蝶が飛んでいるところが空だとしたら・・・
アゲハにはアゲハの空が。
シジミチョウにはシジミチョウの空がありそうです。
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美しき嘘のかたさに青檸檬   上田五千石

2013年10月05日 | Weblog

  青胡桃しなのの空のかたさかな

上田五千石さんの代表句です。
同じかたさでも、掲句は青檸檬のかたさ。

人の世に嘘はつきもの。
なかには美しい嘘も。
嘘が美しいのか?
嘘をついている人が美しいのか?

青檸檬という季語が嘘もひとも美しいと。

でも、一国の総理の嘘はうつくしくありませんね。
その嘘をそのまま映し出すことも。

   美しき嘘映し出す水の面を鞭打つごとく魚は跳ねたり

                     遅足



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静かさや空家が萩をこぼす音      遅足

2013年10月04日 | Weblog
今日も家を壊す音が遠くから。
コンクリートの豪邸から木造住宅まで。
次々に壊されていきます。
素材によって分別。なかには外国人の働く姿も。

静かになった夕方、散歩に。
もう一年余り無人となった家。
道に萩が白い花を落としていました。


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鳥も通わぬ・・・    遅足

2013年10月03日 | Weblog
鳥野さんに紹介していただいた歌は八丈島へ行った時のもの。

そのほかにも、こんな歌をつくりました。

  滑空しまた羽ばたきて海鳥は船と並びぬ沖へ沖へと

伊勢湾の神島周辺は魚の宝庫。漁船が一杯。
巨大な船を縫うように横切ったり・・・
同じ漁場を目指して鳥たちも一心に飛んでいきます。

  石像の妻と並びて海を見るあわれ流人の宇喜多秀家

八丈島は遠流の島。関ヶ原で敗れた五大老の一人、宇喜多秀家。
豪姫と並んで本土の方をみていました。

  落日を追って船出を告げる銅鑼流人の島に月を残して

たった半日の観光。夕方には出航。
ちょうど月が島のうえに・・・

旅の俳句はまだできません。
短歌のほうが詠みやすいのですが・・・
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オリンピックのあとに待ってた三重苦     遅足

2013年10月02日 | Weblog
安倍さんが消費税を8%にと発表。
その結果は三重苦だそうです。
円安から来る物価の値上がり。
年金の切り下げなど。

消費税の議論であれだけPRされた社会保障の充実。
一体、どうなってしまったのか?
あの頃、しきりに社会保障をと、言っていた人々。
政治家、マスコミ、有識者たちは、なぜ黙っているのか?

はじめから騙すつもりだったのか?
こんなこと何回もあったような・・・

日本国民はよほどのお人よしか・・・
忘れっぽいのは国民性なのか?
年寄りは愚痴っぽくって・・・いけませんね。






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