575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

12月「石蕗の花」句会 結果発表!

2021年12月15日 | Weblog

12月兼題「石蕗の花」

  1. 黄を極め誰を待つかや石蕗の花 (亜子)竹葉
  2. その黄色元気印や石蕗の花 (竹葉)
  3. ゴッホばり南仏の黄色石蕗の花 (能登)須美
  4. 曇り空黄はゴッホの黄石蕗の花 (結宇)
  5. 石蕗の花と指さす君の黄のやさし (郁子)佐保子
  6. つわぶきや黄色残して庭暮るる (千香子)殿 等 能登 紅 竹葉 麗子 亜子 遅足 泉 須美
  7. 寂庵に 忌日生まれし 石蕗の花  (殿)能登 紅 竹葉 亜子 結宇 遅足 佐保子 千香子
  8. 廃線のトンネル出れば石蕗の花 (等)麗子 郁子 晴代 千香子
  9. 庭先の一隅照らす石蕗の花 (麗子)等 郁子 晴代 遅足 佐保子 泉  
  10. ぬくもりを残し夕ぐれ石蕗の花 (晴代)等 紅 結宇 郁子 千香子
  11. やせ土の石蕗の小さし日のかげる  (佐保子)泉
  12. 捨て家や照り降り無しの石路の花 (泉)能登 結宇 晴代 須美
  13. 門の内ほっと安堵の石蕗の花 (須美) 殿
  14. 石仏や 辻の石蕗 華添えし(紅)殿
  15. 石蕗や舞姫エリスの目に涙 (遅足)麗子 亜子

自由題

  1. 山小屋を 去れと知らせる 雪蛍  (殿)能登 紅 遅足
  2. むかし汽車走るトンネルいま紅葉 (等)
  3. 播磨屋の逝ったその日の冬紅葉 (晴代)殿 紅 竹葉 麗子 亜子 結宇 郁子 佐保子 泉
  4. 雪かぶり南天の赤生き生きと (泉)
  5. 冬至前3時の西日目くらまし (竹葉)殿 能登
  6. 小春日や母おためしのデイサービス (郁子)亜子 晴代 佐保子 千香子 泉
  7. 冬晴れや波穏やかな駿河湾 (麗子)等 晴代
  8. 友唄ふ唄の日めくり日記買ふ (千香子)
  9. 揺らぐ火に過去見続ける焚火かな (能登)殿 紅 亜子 結宇 郁子 晴代 千香子 泉 須美
  10. 病棟の窓を灯して年暮るる (亜子)等 竹葉 麗子 結宇 遅足 須美
  11. 落ち葉積む太閤焼き討ち寺瓦 (結宇)佐保子 千香子
  12. 勇気出し洗うセーター縮むなよ (須美) 等 能登
  13. 泳ぐ術<すべ>倣ふ子鴨は 並びけり(紅)竹葉 郁子
  14. 医者帰りのミー背に負はれ初時雨(佐保子)麗子 遅足 須美

 

今年最後の句会の結果です。予想は当たりましたか?

兼題トップは 千香子さん 

自由題は 晴代さん 能登さん となりました!

味わい深い素敵な俳句です。おめでとうございます 

 

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石蕗の花句会の投句が揃いました。

2021年12月14日 | Weblog

今年最期の句会です。黄色のつわぶきが咲き揃いました。どの石蕗の花に光が当たるでしょうか?

 2021.12月兼題「石蕗の花」

①      黄を極め誰を待つかや石蕗の花 

②      その黄色元気印や石蕗の花 

③      ゴッホばり南仏の黄色石蕗の花 

④      曇り空黄はゴッホの黄石蕗の花 

⑤      石蕗の花と指さす君の黄のやさし 

⑥      つわぶきや黄色残して庭暮るる 

⑦      寂庵に 忌日生まれし 石蕗の花  

⑧      廃線のトンネル出れば石蕗の花 

⑨      庭先の一隅照らす石蕗の花 

⑩      ぬくもりを残し夕ぐれ石蕗の花 

⑪      やせ土の石蕗の小さし日のかげる  

⑫      捨て家や照り降り無しの石路の花 

⑬      門の内ほっと安堵の石蕗の花 

⑭      石仏や 辻の石蕗 華添えし

⑮      石蕗や舞姫エリスの目に涙 

 

 

自由題

①      山小屋を 去れと知らせる 雪蛍  

②      むかし汽車走るトンネルいま紅葉 

③      播磨屋の逝ったその日の冬紅葉 

④      雪かぶり南天の赤生き生きと 

⑤      冬至前3時の西日目くらまし 

⑥      小春日や母おためしのデイサービス 

⑦      冬晴れや波穏やかな駿河湾 

⑧      友唄ふ唄の日めくり日記買ふ 

⑨      揺らぐ火に過去見続ける焚火かな 

⑩      病棟の窓を灯して年暮るる 

⑪      落ち葉積む太閤焼き討ち寺瓦 

⑫      勇気出し洗うセーター縮むなよ 

⑬      泳ぐ術(すべ)倣ふ子鴨は 並びけり

⑭      医者帰りのミー背に負はれ初時雨

 

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凍て風や 首筋かすめ 富士の嶺 <殿>

2021年12月13日 | Weblog

山中湖にある文学の森公園。三島由紀夫、徳富蘇峰らの文学記念館や句碑や歌碑があります。近代俳句の巨匠といわれる富安風生は山中湖に一時居住。そのため、江戸時代の民家を模した「俳句の館 風生庵」では句会が開催されるとの由。富士の裾野にある文学の森公園は冷涼な気候。北風が首筋をかすめ富士の嶺へと向かいます。年の暮れ迫る山中湖の夕。

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鎌倉の 迎えし星に 襟立てる <殿>

2021年12月12日 | Weblog

鎌倉は関東大震災で壊滅した東京から多くの文学者が移住したことで知られています。由比ガ浜には芥川龍之介、長谷の川端康成、扇ガ谷の中原中也、大佛次郎は雪ノ下に在住していました。この旧大佛邸は親族が一般公開していましたが、高齢のため維持管理が難しいと聞いています。鎌倉市も財政難から辞退。顛末はどうなるのでしょう。鎌倉は大船に松竹撮影所があったことから芸能人もよく見かけました。しかし、撮影所は閉鎖。映画のテーマパークができたのですが3年で閉鎖。現在は鎌倉女子大学の大船キャンパスとなっています。ところで、東京や横浜で雪が降っていても鎌倉は雨ということがあります。鎌倉は温暖な避寒地なのでしょう。しかし、今夜はホームを北風が吹き抜けていきます。駅舎を出ると冬の星座オリオンが出迎えます。コートの襟を立てます。

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山小屋の 釘打つ音に 山眠る <殿>

2021年12月11日 | Weblog

 

飛騨にある山小屋。特に、荘川は標高1,000m近い盆地のため冷気が流れこみやすく高山の市街地と比べ気温が極端に低いのが特徴。本州の集落でマイナス25度という最低気温を記録したのが荘川の六厩<むまや>地区です。昔は、山小屋をスキーでよく利用しました。しかし、裏手にある一色スキー場が閉鎖となり冬期に訪れることもなくなりました。雪囲いの木戸を釘で打ちつけます。冬枯れの森に響く釘打つ音。山は眠りに入ります。

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七五三神社の前の大あくび  須美

2021年12月10日 | Weblog

一般には11月15日に行われる行事ですが、この頃はその前後1・2か月に参拝するかたが多いですね。

紅葉のシーズン、ニコニコ顔で家族写真を撮っているところに出くわすと、幸せのおすそわけを頂戴したようです。

 

皆さんからはこんなコメントが。

七五三のかわいらしい様子が目に浮かびます。朝から着物を着せられ疲れた幼子の大あくび:麗子

◎の句。子供の姿は詠まれていないけれど、退屈して来る様子が面白い一句。思えば七五三は大人の都合で行われる行事ですね:亜子

可愛らしく、ユーモアにあふれている:泉

“大あくび”がやっと終わった(お参りの後?)と緊張がとけた瞬間 とてもほほえましい:晴代

誰があくびをしているのかと想像していました。振り回されていたお母さんか、お祖母さんかなど、滑稽味も感じます:千香子

   

あるあるの光景、微笑ましくて私も真っ先にいただきました。

あまり豊かでなかった私の子ども時代、

幼馴染のお姉ちゃんの着物を借りてその友だちとふたり、近所の氏神様に参りました。お祓いをうけたり一連の行事はまったく覚えていません。おすまし顔の友の横で、私は足を肩幅に開き、後ろで手を組みボーっとしているという写真が一枚だけ残りました。

最近はプロの写真やさんが上手に撮ってくださいます。

我が家の三姉妹にせめて写真くらいはと思い全員着物を着せてお願いしたのですが、三女(3歳)が前日に自分で前髪を根本から切ってしまい、苦労の末撮れた写真は・・泣いた際の鼻水まで映ってしまいました。

確かに七五三は、親の都合で行われる行事かもしれません。  郁子

 

 

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寝返れば背骨の軋む夜寒かな  亜子

2021年12月09日 | Weblog

「軋む」とは「なめらかにいかないで、きしきし音をたてること」。

「背骨が軋む」とはどんな感じでしょうか?御年85才になられた亜子さんの実感の句のように思います。どうしても背骨や筋肉の動きが鈍くなってきて若い頃のように寝返りが打てなくなって来ているのかも知れません。寒い季節はなおさらでしょう。でも、そんな誰にでも訪れる老いの現象を俳句にすると、ちょっと背中の重しもとれるかもしれませんね。

皆さんはどう感じられたでしょうか?

等さん:「背骨の軋む」とは、年寄りの”夜の寒さ“を上手く表現したものですね。

結宇さん:これもほぼ同世代の背景ですね。 節々固くなり、また寝付きも悪くなり、こんな経験は幾度もあります。余計に策さを感じる夜寒ですね。

泉さん:昔の家で隙間風が吹いてくる感じがする。

須美さん:厳しい寒さが伝わってくる。背中の軋むが効いている。

          ★★★

先日我が家に93才の父が久しぶりに泊まりに来ました。足腰の衰えに驚き、トイレから立ち上がるのも苦労していました。以前、布団の中で伸びをして背中を痛めたことも。。。若い頃は暑がりだった父も電気毛布が欠かせなくなっています。きっと背骨も軋んでいることでしょう。

どうぞ、皆さん温かくしてお過ごしくださいね。麗子

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姫といふ 山茶花濡れて 艶やかに <殿>

2021年12月05日 | Weblog

琉球王国は1429年から1879年まで450年にわたり琉球諸島を支配したといわれています。やがて薩摩藩の侵攻により保護国となります。しかし、中国と独自の国交があり統治に関しては薩摩藩の介入を認めず独立国家としての体制を沖縄県になるまで保持しました。1515年にポルトガル人の旅行家「トメ・ピレス」「東方諸国記」によると、琉球の人々は気品があり正直で勇猛果敢と記されています。基地問題で政府と対立するのは歴史の必然かもしれません。フィルードワークで訪れた那覇。宿で見つけた「姫山茶花」<ひめさざんか> 沖縄固有種との由。雨に濡れた花は艶やかな女性といった感。

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乃木坂の 陽だまり眩し 冬紅葉 <殿>

2021年12月04日 | Weblog

乃木坂は凡称の地名。港区の赤坂8丁目あたりでしょうか。越後長岡藩など諸藩の藩邸があった江戸時代は「幽霊坂」と呼称。日露戦争で活躍した乃木希典邸があったことから大正時代に乃木坂と改称されたようです。いまは、女性アイドルグループの名前として知られるオシャレな街ですが、都電が走っていた頃は閑静な住宅地でした。いまでも残る古い洋館の紅葉。冬ざれの街より遅れた感があります。しかし、色彩のコントラストが美しい。

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ふるさとの 蒼天をつく 百舌鳥のこゑ  紅

2021年12月03日 | Weblog

百舌鳥の高い声がすぐそこに聞こえてきそうなこの句にたくさんの票が集まりました。

 

早朝に近所のアンテナの上で鳴く鳥を百舌鳥かなーと双眼鏡で見ると、四十がらだったりすることが多いのですが、

この「蒼天を突く」鳥は百舌鳥でなくてはなりませんね。ネットで聞いた声はちょっとがっかりしましが:竹葉

ドラマ「青天を突く」を思い出しましたが、青い空にひときわ響く百舌鳥の声。自然あふれるふるさとの景色ですね:麗子

すーっと読めて、すーっと情景が浮かぶ。いい句だと思います:能登

季節感あふれる百舌鳥の高鳴きをアクティブに表現。上五のひらがな表記と下五の旧仮遣い。

草書体で墨書すると絵画のように美しくなります:殿

自然を詠んだ句。百舌鳥の声に焦点を合わせているところがよい。ちょっと厳しい忘れがたきふるさとの思い出:亜子

千香子さん、遅足さんもとっていらっしゃいます。

  

ところで今回初めて知ったのですが

「蒼天」は、春の空の意があり春の季語なのですね。

季節を忠実にとするなら、秋天、秋旻、旻天(びんてん)という言葉がありますが、主役は百舌鳥ですし・・

「青天を」とすると本当に大河ドラマになってしまいます。(もうすぐ終わってしまいます

この句の魅力は、ふるさとが見えることでしょうか。

それぞれが心のふるさとを思い浮かべることができます。

皆さまの思うふるさとはどのような景ですか 郁子

 

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こんもりと毛布に潜む猫地雷  郁子

2021年12月02日 | Weblog

自由題でトップ賞に輝いた郁子さんの句。黒ネコを二匹飼っておられる郁子さんならではの実感あふれるかつ、意表をつく一句。「猫地雷」とは、またまた郁子マジックにやられてしまいました。毛布の下の猫ちゃんをふんじゃった時の後悔と、踏まれた猫の声まで聞こえそうです。

皆さんからのコメントです。

竹葉さん:「猫地雷」とはそんな言葉があるのか発明なのか、猫踏んじゃったらギァと泣くからなんだとよくよく考えて分かりました。

等さん:そこへ足を入れたらサア大変・・・「猫地雷」とは誰の”造語“でしょうか。面白いですね。

殿様:諧謔性あふれる句。下五がオチとなり川柳や落語に類似した面白味があります。

紅さん:思わずふっと笑ってしまいます。うちのペットも毛布がお気に入りです。

結宇さん:地雷をいうのも面白い。 猫は飼ってませんが、想像できます。 人が入ったら、邪魔するなとばかりにかみつかれそうな。

すみさん:何とも可愛らしい句。猫地雷とは面白い。

              ★★★

思わずクスっと笑ってしまう「猫地雷」という言葉。郁子さんのお宅にお電話すると猫ちゃんの声がよく聞こえて来ます。師走になって寒くなって猫は毛布で丸くなりますね♪どうか踏まれませんように。

郁子さんにはどんどん猫俳句を作っていただきたいです。麗子

 

 

 

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