阪神3連勝で、クライマックスシリーズファイナルステージ突破!
毎試合、広島に先制されながら、早めに追いつき、そして接戦をものにする。
3戦ともそんなパターンの、苦しいながら最後は勝つ、という試合だった。
だが、投・打・守にすべてにおいて、頼もしいプレーを見せてくれた。
阪神が接戦から勝利をものにできたのは、まずは先発投手の踏ん張り。
しっかり責任回数を投げて、接戦のまま次の投手にバトンタッチする。
第1戦の村上、第2戦の伊藤、そして第3戦の大竹。
3人とも、決して調子がいいとは言えなかったが、そこをなんとか粘れるのだから精神的にも技術的にもしっかりしたものをもっているということだ。
次に、救援投手陣の充実ぶりだ。
第1戦から第3戦まですべてリリーフ登板した右腕、石井。
第1戦で1回、第3戦で2回を投げ、ほとんど危ない場面がなかった、左腕桐敷。
桐敷は、本庄東高から新潟医療福祉大に進み、一昨年のドラフト3位で阪神に入団した選手。
野球先進県とは言えない新潟にある大学に来て、そこから見事に実績を残してプロに入った苦労人が、すばらしいリリーフ投手として力を発揮した。
彼ら以外に、左腕島本の中継ぎ、絶対的な抑えの岩崎の働きも光った。
投手陣を支えたのは、梅野の陰に回っていた捕手坂本。
梅野が負傷してからというもの、フル出場で投手陣を好リードで引っ張った。
守備だが、去年までエラーの数が多かった阪神が、今年は好守が目立った。
その中心となっていたのが、二塁手の中野。
シーズン中から何度も堅実な好守でピンチを救った。
今日の第3戦でも、8回には痛烈なライナーを横っ飛びでとらえ、相手のチャンスを広げなかった。
その回にチャンスを広げなかったのは、左翼手ノイジーの安打処理の2塁返球が早かったことや、右翼手森下がいい当たりのヒット性の打球を好捕したこともあった。
こんなふうに、守備が整備され、確実性を増したことが接戦を勝ち抜く基盤となっていた。
打撃陣は、決してよいとは言えなかった。
MVPに選ばれた木浪選手こそ10打数5安打だったが、チーム全体としてはあまり打てなかった。
3試合で打った安打数は、5本、5本、7本と貧打であった。
だが、一度チャンスを作ると、しぶとく粘って得点につなげていた。
チャンスを作った選手の働きを無駄にしないよう、後の選手たちが四球やタイムリーを放っていた。
チームとしてのつなぎがよくできていた。
だから勝てたのだ。
次は日本シリーズ、もう少し打てるようになってほしいと願う。
それにしても、3連勝である。
いくらホーム戦ばかりで、熱狂的な阪神ファンの声援を受けていたとはいえ、セ・リーグの優勝チームにふさわしい、隙のない見事な勝ちっぷりであった。
日本シリーズでまた、すばらしい戦いを見せてほしい。