阿智胡地亭のShot日乗

日乗は日記。日々の生活と世間の事象記録や写真や書き物などなんでも。
  1942年生まれが東京都江戸川区から。

二本松市・本久寺の枝垂れ桜

2010年04月21日 | ゲストルーム
毎年、福島県から桜便りを頂くあべさんから、
今年は枝垂れ桜の便りが届きました。
「当地福島も、さくらの見ごろを迎えました。
三春の滝桜や福島市の花見山も連日、県外からの観光バスで大賑わいです。

この写真は、二本松市の本久寺の枝垂れさくらです。
二本松市も城下町であり、寺院も多く 美しい一本さくらが、沢山あります。」



マップはこちらから引用。



 ♪あべさん、本当に見事ですね。二本松市は“智恵子抄”にえがかれた
高村智恵子の生まれ故郷と知りました。


 ●樹下(じゅか)の二人
(結婚から10年後。最も幸福に満たされている時代の詩。光太郎が東北福島にある
智恵子の実家に帰省していた時のもの。ここに出てくる阿多多羅山とは、現在の安達
太良山(あだたらざん)で、福島北部にある火山だ。智恵子の実家は酒蔵だった。)

あれが阿多多羅山(あたたらやま)
あの光るのが阿武隈川(あぶくまがわ)

こうやって言葉すくなに坐っていると、
うっとりねむるような頭の中に、
ただ遠い世の松風ばかりが薄みどりに吹き渡ります。
この大きな冬の始めの野山の中に、
あなたと二人静かに燃えて手を組んでいるよろこびを、
下を見ているあの白い雲にかくすのは止しませう。

あなたは不思議な仙丹(せんたん)を魂の壺にくゆらせて、
ああ、何といふ幽妙(ゆうみょう)な愛の海底(ぞこ)に人を
誘ふことか、
ふたり一緒に歩いた十年の季節の展望は、
ただあなたの中に女人の無限を見せるばかり。
無限の境に烟(けぶ)るものこそ、
こんなにも情意に悩む私を清めてくれ、
こんなにも苦渋を身に負ふ私に爽かな若さの泉を
注いでくれる、
むしろ魔物のように捉えがたい
妙に変幻するものですね。

あれが阿多多羅山、
あの光るのが阿武隈川。

ここはあなたの生れたふるさと、
あの小さな白壁の点々があなたのうちの酒蔵。
それでは足をのびのびと投げ出して、
このがらんと晴れ渡った北国の木の香に満ちた
空気を吸おう。
あなたそのものの様な此のひんやりと快い、
すんなりと弾力ある雰囲気に肌を洗はう。
私は又あした遠く去る、
あの無頼の都(東京)、混沌たる愛憎の渦の中へ、
私の恐れる、しかも執着深いあの人間喜劇のただ中へ。
ここはあなたの生れたふるさと、
この不思議な別箇の肉身を生んだ天地。
まだ松風が吹いています。
もう一度この冬のはじめの物寂しいパノラマの地理を
教へて下さい。

あれが阿多多羅山、
あの光るのが阿武隈川。
 
引用はこちらから。
コメント
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