↑2004年の御柱祭で撮影。
御柱祭や諏訪の文化を発信 宮坂醸造、小冊子を作る
御柱祭を題材にした小冊子「suwazine」を発行した宮坂醸造の宮坂社長(中央)とスワニミズムの石埜さん(左)、坂間さん
清酒「真澄」蔵元の宮坂醸造(諏訪市)は4日、今春の諏訪大社御柱祭を中心に、地域の歴史や信仰を掘り下げた小冊子
「suwazine(スワジン)」を諏訪市元町の直営店「セラ真澄」や諏訪地方の書店などで発売する。
御柱の曳行(えいこう)路周辺の文化財や祭りの変遷を、写真をふんだんに使って紹介している。
同社の宮坂直孝社長(59)が、御柱祭を機に諏訪の文化などを多くの人に知ってもらおうと、
有志でつくる研究者グループ「スワニミズム」に編集を依頼。会員でライターの石埜(いしの)三千穂さん(51)=下諏訪町、
坂間雄司さん(51)=岡谷市=を中心に取材を進めた。タイトルは雑誌を意味する「マガジン」と
「諏訪の人、神」から付けた。曳行路周辺の地図は、茅野市の「穴山の大曲(おおまがり)」といった見どころとともに、
周辺のほこらや石碑も紹介。御柱が四角柱だったり、境内に一列に建てたりする諏訪地方以外のユニークな御柱祭も取り上げている。
B5判36ページで税込み300円。3千部作製した。宮坂社長は「反応が良ければ、テーマを変えて定期的に刊行したい」と話している。
(2016年2月 4日掲載)
「穴山の大曲」

阿智胡地亭が小学校の夏休みによく行った親戚の家は穴山の大曲から50mほどの所にあります。
歴史や文化、観光客に紹介へ 茅野で八剣神社宮司招き学習会
御柱祭の歴史について話す宮坂さん
茅野市観光協会の誘客委員会は21日、諏訪大社御柱祭の歴史文化を学ぶ学習会を茅野商工会議所で開いた。
「観光客に御柱祭をきちんと説明できるようにしたい」との要望を受けて初めて企画。諏訪大社で神職を務めたことがある
八剣神社(諏訪市小和田)の宮坂清宮司の講演を聞いた。
市内で宿泊、飲食施設などを経営する約40人が参加。宮坂さんは「御柱をなぜ建てるのか」という理由について、
20以上ある諸説を紹介。縄文時代の先祖崇拝に原点があるとする説や、柱を建てることで社殿を建て替えたとみなしたという説を挙げ、
「関わる人が多いため、さまざまな見方がある」と語った。室町時代の記録「諏訪大明神画詞(えことば)」の記述から、
御柱の本数が現在の16本より多かった時期があると説明。江戸時代の御柱用材は今ほど太くなく、
「(最も太い)本宮一の柱が現在の本宮四ぐらいの太さだった」と話し、カラマツなどモミ以外の樹種もあったとした。
諏訪の人たちが御柱祭に熱狂する理由は「氏子の心が一つになって御柱が動き、綱を媒介に絆が深まる感動は一度参加してみれば分かる」と述べた。
(2016年1月22日掲載)