慌てて3日前にメールで申し込んで、当日受付OKと返信をもらったので、フェリシモ主催の「神戸学校」のクラス?に出た。 会場はいつも神戸朝日会館の朝日ホールだ。 神戸学校はこれまでも嘉門達夫や茂木健一郎などの回に受講している。 阪急三宮駅西口からセンター街を横切って、旧居留地方面に歩くと地下に映画館「シネリーブル神戸」がある朝日会館がある。
お話の題は「私たちはどこから来て、どこへ行くのか」
関野さんのことはNHKTVの「達人達」という番組で、山極寿一さん(人類学者、霊長類学者にして、ゴリラ研究の第一人者)と対峙した内容が面白くて知った。 お話を伺って、脳のあちこちを揺らされた。フェリシモから案内書が来ていたのに申し込みを忘れていたが、ネットで問い合わせて本当に良かった。関野さんは、10年もの歳月をかけ、人類発祥の地アフリカへ南米の南端から逆回りで祖先の拡散の足取りを辿る旅、グレートジャーニーをした人だ。
- (それぞれのサイトをクリックすると、今回の講演会の内容を体験できます。)時間感覚の違いは読んでいくとわかるでしょう。
関野吉晴さんの「グレートジャーニー」のルート
自分が移動してわかったが、人類のグレートジャーニーは旅のジャーニーではなく移民の移動の事だと言う。 20万年前にアフリカで現在のホモサピエンスになった現生人類が6万年前にアフリカを出て日本列島にたどり着く壮大な旅路。 なぜ人類はアフリカから出て、太平洋諸島、南米、日本まで移動したのか? 関野さんは最初は、好奇心に溢れ進取の気性に富んだ勇敢な人たちが次々新天地を目指したと思っていたが、各地を探検、旅を続けるうちに 次のように思うようになったそうだ。「その土地土地で人口が増加し、弱者に食料がまわらなくなりやむなく、別の地に移動していったのが 人類のジャーニーの歴史だ」。日本でも長男は土地に残れるが、次男以下は部屋住みか他国へ出て食っていくしかない。 それは日本人のハワイやアメリカ本土、ブラジルなど南米移民、そして現代の中東の難民にも表れていると。 本や対談記事でも関野さんの体験談は伺えるが、前から3列目の席でお話を聞いて、その静かな語り口の中に一人の人間のやれることに限りはないことを あらためて感じた。