今宵楽しむのは、いまきいているクリストフ・ルセにからめて、ルセたちによるフランソワ・クープラン「リュリ賛」です。同曲が収録されているアルバムは、「Couperin: Ariane consolée par Bacchus」(Aparte Music AP130)。「リュリ賛」のほか、クープランの新発見のカンタータで世界初録音となる「バッカスに慰められるアリアーヌ」、そして「コレッリ賛」が収録されています。
これからきく「リュリ賛」は、パルナッソス山に招かれたジャン・バティスト・リュリが、先に招かれていたアルカンジェロ・コレッリと互いに演奏を披露し、また共に演奏する、という趣向の一連の曲。曲にはフランス語の表題がそれぞれ付けられており、これを役者なり奏者なりが読み上げる録音も多く、ルセの録音でもそうなっています(声が似ている気がするので、ルセが読んでいるのかもしれません)。
録音は2016年。チェンバロを弾くルセのほか、レ・タラン・リリクはフルートやオーボエといった木管楽器ふくむ7名で編成されており、ヴィオラ・ダ・ガンバの酒井淳が参加しています。ちなみに、「リュリ賛」と似たような着想の「コレッリ賛」も、まったく同じ編成で録音されていますが、フランス様式とイタリア様式を対比させた「リュリ賛」のほうが規模も大きく楽しめます。