日本チェンバロ協会の年報(第5号)の紹介でふれたハリー・ハスケルの『古楽の復活』。同書は有村祐輔の監訳で、1992年に東京書籍から出版。副題として「音楽の『真実の姿(オーセンティシティ)』を求めて」とあるように、同書では、歴史の中での「古楽」の定義や「オーセンティシティ」の意味、そして19世紀から20世紀までの「古楽」の復活史が解説されています。原書は1988年に出版されており、その後「古楽」はますます進展(あるいは解体)し、著者もその展開を想像することはできなかったと思います。このブログの関連でいうと、第9章は「バッハを『彼の流儀で』弾く」とバッハに割かれています。また、監訳者のあとがきも充実しており、読みごたえがあります。