これからきくのは、ケネス・ギルバートのチェンバロ(ヤン・クーシェの1671年製)で、変ロ長調のカプリッチョ(BWV992)です。「最愛の兄の旅立ちに寄せて」と題された作品は、6曲からなる組曲風のもの。「最愛の兄の旅立ち」が音の絵画として描かれ、作品は「メラー手稿譜集」に所収されています。「最愛の兄」とは、すぐ上の兄ヨーハン・ヤーコプ・バッハを指すとされていますが、「兄」を「貴兄」として解釈し、友人のゲオルク・エールトマンとする説(クリストフ・ヴォルフ)もあります。
CD : 463 585-2(ARCHIV PRODUKTION)