毎日バッハをきいていこう!

一日一バッハ




4週にわたってきいてきた、桒形亜樹子による「平均律クラヴィーア曲集 第1巻」(桒形の訳だと「巧みに音律調整された鍵盤楽器[曲集]第1巻)。2017年録音のこの曲集第1巻では「テンポ設定の見直し」と「ブラッドリー・レーマン調律」がおこなわれており、高品質な録音とあいまって、じつに美しい音楽を提供してくれています。

「テンポ設定の見直し」はこれからきく第24番のプレリュードでもおこなわれていますが、セリーヌ・フリッシュの録音(2014年)の、3分50秒というおどろくほどの速さにくらべると、桒形のそれはぐっとエレガントなテンポの5分15秒。理知的な桒形の一面がよくあらわれていると感じます。装飾もごくひかえめですし。

レーマン調律については、「私的CD評」など、すでにいろいろなところで紹介されています。「ロバの耳」ていどの粗末な耳ながらも、ほかの奏者の録音とききくらべるまでもなく、この調律が澄みきった美しい響きだと感じられました。つぎは、曲集第2巻のレーマン調律での録音を期待したいところです。

ただし、レーマン調律が、曲集第1巻自筆譜の螺旋模様から導きだされたものだとはいえ、ひねりまわした解読過程がどうにも、という感があります。それが仮にバッハの音律と近似するすぐれた調律だとしても、レーマン調律がバッハのお墨付きありというには疑問がのこります。

File : dw-20002-3(dream window)

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これからきくのは、桒形亜樹子のチェンバロで、プレリュードとフーガ第23番(「平均律クラヴィーア曲集 第1巻」)。プレリュードはほのかな陰影をともなう気品のある音楽で、これに同じく品のよい4声のフーガが続きます。使用楽器は、ジョエル・カッツマンの2001年製(ヨハネス・ルッカースの1638年製にもとづく)のチェンバロで、録音は2017年です。

File : dw-20002-3(dream window)

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