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10日放送の「西郷(せご)どん」第22話「偉大な兄 地ごろな弟」の平均視聴率は13・4%だった。

2018年06月12日 | うんちく・小ネタ


10日放送の「西郷(せご)どん」の第22話「偉大な兄 地ごろな弟」の平均視聴率は13・4%だった。


前回、奄美での「西郷どん」第21回『別れの唄』 12・0%より、今回は1・4ポイントアップした。


西郷への召還状は、公武周旋(公武合体=朝廷の権威と、幕府及び諸藩の武を結びつけて幕藩体制の再編強化を図る)に乗り出す決意をしたものの京都での手づるがない久光が、小納戸役の大久保らの進言を受け入れ、若手の統制のためにも、しぶしぶながら出したものだった。


島(奄美大島)から鹿児島に帰った西郷は、大島三右衛門と名乗り、さっそく久光拝謁する。「島はどうじゃった?」久光の表情はリラックスしている。


例の「ジゴロ発言(「御前ニハ恐レナガラ地ゴロ(田舎者)ニテ」にもキセルをかむことも折ることもなく、


大久保らのとりなしで、なんとか久光の「下関で待て」の命をうける。


「今度命に背いたら島流しくらいで済むと思うなっ」


西郷どんは、奄美大島で生まれ変わりはしたものの、幸せすぎて、この時はまだ「天の此人に大任をくださむとするや、まず其しん志をくるしめ其身を窮乏す」勝海舟)には、まだ時間が必要なようだ。(すぐに徳之島 沖永良部での艱難辛苦が待っているのだが)


ともあれ西郷どんは、久光卒兵上京の先遣隊として村田新八を伴って出立することのなった。


中略


京で、大久保もなしえなかった有馬新七らの説得に一応成功した西郷だが、問題は弟の信吾だった。


ここで、ちょっと


ややこしいが、有馬新七も、水戸藩とともに井伊直弼暗殺(桜田門外の変)を謀ったが、藩の同意を得られなかったため手を引いている。


井伊の首級をあげた同じ薩摩の尊王攘夷派志士有村 次左衛門とは別人である。


またこれもややこしい余談だが、来週の放送となるだろう、久光の命で鎮撫に訪れた大山格之助ら薩摩藩士に、有馬新七が、相手を壁に押し付け「俺ごと刺せ」と叫びなら最期を遂げ粛清された「寺田屋事件」も、そのおよそ4年後の1866年の伏見奉行による坂本龍馬襲撃事件(寺田屋事件)と区別しなければならない。


ついでながら、さらに、ややこしいのは今回のタイトル「偉大な兄 地ごろな弟」は、おそらく斉彬と久光の関係なのだろうが、これは、今回の吉之助と信吾(隆盛と従道)の関係のような展開と錯覚しそうだった。


そして、偉大な兄の名をかたり、おいしい思いをする、信吾は、吉之助に殴られるのであるが、その後の従道は征韓論にも西南戦争にも与せず西郷の長男菊次郎の面倒をよく見たことを考えるとほんとうかなあと思わざるを得ない。


むしろ、これまたややこしいのだが、西郷の娘菊子が嫁いだ誠之助と兄の大山巌の関係を連想させられるのだが。



中略


京の宿だろうか、行灯の点いた部屋で三人が布団を敷いて寝ている。


信吾、兄さあ?今日はすまんかったあ


隣の布団の兄の背中を信吾(錦戸亮)の表情はなかなかな演技だ。


三年ぶりに会えたとに、いきなりぶんなぐって。痛かったか?痛かったあすまんかった兄さあ、うんふたりは共に天井を見ている。


そして信吾は再び向きを変え、天井を見つめる兄のほうを向きおいは、ずっと、有馬さあや、新八さあが、うらやましかった。おいは甲突川で、兄さあとウナギを獲ったことも無か。相撲を取ったことも無か。兄さあは、ずっと家におらんかった。


演じる二人(鈴木亮平 錦戸亮)はほぼ同年だそうだが、吉之助と信吾は15歳の年の差がある。錦戸の幼さの演技が光る。


そうじゃなあ。信吾、おいの留守中、ほんのこて、よう気張ってくれた。


信吾は身を起こし胡坐をかき、腕組して天井を仰ぎ目をつぶっている兄さあを見る。


兄さあが、どんだけ立派な男か、人から聞くだけで、おいは、ないも知らんかった。じゃっど、きょう初めて知った。兄さあは、命がけで生きちょうお。立派すぎてまぶしかあ、(てれ笑い)


兄さあも腕組みにまま、白い歯をのぞかせる。


いやあ、信吾、実はおいも困っちおっとよ。兄さあ身を起こす。うんおいが島に行っちょった間に、西郷吉之助の名前だけが大きくなってしもうて、実際のおいの十倍くらい立派になってしもうた。おいはそげん太か男じゃなかあ。島でぇ、惚れたおなごを嫁にもらって、こん俺でしみじみ幸せじゃったぁ。こいが生きるち事かち思い知った。じゃっどん、三年の間に世の中はすっかり変わってしもうた。


部屋は二人だけが起きている。


信吾ぉ、苦労かけたのう。寂しか思いをさせて・・すまんかった。おはんは、よう気張ったとじゃ。


うれしはずかしそうに信吾、布団にくるまり背中を向ける


ナレーション(西田敏行) そのころ下関では、思いもよらぬことが起きていたのです。


下関白石邸 久光「なんじゃちぃ、西郷がおらんっ?」


日頃、西郷をよく思わない家臣の讒言・・・


つづく・・