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『維新と敗戦』: 学びなおし近代日本思想史 単行本 2018/8/17 先崎 彰容 (著)

2019年07月24日 | 本と雑誌

『維新と敗戦』: 学びなおし近代日本思想史 単行本 2018/8/17
先崎 彰容 (著)
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4件のカスタマーレビュー
 
図書館の、どのコーナーで見つけたのだろうか。
これも不思議な偶然の出会いだった。
 
このブログで取り上げるのは、奄美に関係のある本(多分にこじつけ)が中心だが
西郷隆盛につなげると、そのすそ野は大いに広がる。
たとえば本書にも登場する江藤の『南洲残影』 – 1998/3 は
郷土コーナーにあったりする。
同じく本書に登場する橋川文三の『西郷隆盛紀行』 (文春学藝ライブラリー) 文庫 – 2014/10/17
も、去年その関連で見つけた。(これは島尾敏雄つながりでもあった)
同じく吉本隆明だって沖縄関連で郷土コーナーで見つけることがある。
 
本書は哲学のコーナーだったかな。
そのほか、
以下の、本書1部に取り上げられている日本の「思想家」23人のうちでも
、関連して西郷の名前はよく登場する。
 
福澤諭吉 中江兆民 高山樗牛(ちょぎゅう)、北村透谷 石川啄木 岡倉天心、頭山満 三木清 保田與重郎 萩原朔太郎 伊東静雄
丸山眞男 江藤淳 竹内好 橋川文三 柳田國男 和辻哲郎 吉本隆明、三島由紀夫 坂口安吾 網野善彦 葦津珍彦(うずひこ)高坂正堯

表紙の「維新」と「敗戦」の文字が交差し重なり対比され、
維新と敗戦に匹敵する激動の時代ということで、現在も
暗示されてい(浮かび上がる)るようだ。

かたい思想史の話なのに、わかりやすく一気に読めるのは、
「明治時代に留学してきた」という著者自身の
思想が随所に語られ、ときにはエッセイ風に
自身の人生体験などもところどころ織り込まれていたからだろうか。
 
ナショナリズム、愛国心、デモクラシー、アジア、西洋、自由民権、テロル、天皇、民主主義、左翼、右翼
何気なく使っているこれらの概念を、思想家と思想家の対比を通して明らかにし、これまでの通念の混乱も指摘する。
きのう今日の出来事を考える上でもおおいに参考になる。
 
昔読んですっかり忘れていたあの本には、こんな深い意味があったのか?
副題の「学びなおし」とは、このまま忘れてしまうのは、あまりに
もったいない、という意味も込められているのだろう。

そんな第1部を受けてⅡ部は、さらに知的刺激に満ちていた。
これだけの刺激をこの分量で語るところに著者の読書の深さを感じるところだ。
あじけない教科書の思想家の話がこんなにおもしろいとは。
入門書としてもすぐれているのだはないだろうか。
まさに「思想家の悩みは普遍で」ある。すべては、すでにそこに出そろっていた。
 
それに各思想家の若かりしころの顔写真がなつかしい。
 
 
 
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