洞川には四つの鍾乳洞がある。
蟷螂の窟、蝙蝠の窟、面不動鍾乳洞、五代松鍾乳洞で、そのうち一般的によく知られているのは五代松鍾乳洞と、面不動鍾乳洞である。ごろごろ水を採水しているのは、五代松鍾乳洞のすぐ傍に、鍾乳洞行きのモノレールの駅がある。みかん運びモノレールでヘルメットをつけて山に入っていくのを見ているが、これには乗ったことがなく、したがって五代松鍾乳洞には行ったことがない。
面不動鍾乳洞は、何回か行っている。それは鍾乳洞まで、歩いても行ける登山道が整備されているので、モノレールには乗らずに歩いて登るのが楽しいから道端の野草など見たりカメラに収めたりして上る。
今回そのモノレールにはじめて乗った。歩く人と、乗る人とが半分ずつ位だったので、私は乗るほうを選んだ。
連絡用のスイッチを押して上りたい旨を伝えると、暫くして下りてきたのは、木材を模した面白いデザインの新しいモノレールだ。
以前見たのはみかんモノレールだった。
シートベルとつきで二人掛け4両編成で16人乗り。電動の乗り物が、山腹にある鍾乳洞の入り口と登り口の長さ174メートル、高低差66メートルを約5分で結ぶ。地区住民でつくる洞川財産区が運営するとのことだ。
急斜面を上るので、体が後ろのほうに行きそうな感覚がする。
美しい杉の木立の中を快適な動きで上って行く。
とき時登山道が見え隠れして、歩いている人とてを振り合って、子供のようにみんなはしゃいで楽しかった。やがて山頂駅が見えてきた。
運転のおじさんの会話のやり取りも面白い。1度はこんな経験もいいものだ。最大斜度が33度とスリルもある。
不動明王が祀られている。いい日を与えてもらえたことをお不動さんにも感謝してご真言を唱えて手を合わす。
何度か鍾乳洞に入っている私は、入らないという人たちと一緒に、眼下に広がる洞川温泉街を眺めたり、大峯山を眺めながら、お寺のある場所や、厳しい行場の話を聞いたりした。
歩いて山を下る人は一足先に出発した。
下りが面白い。というのは上ってきたまま下りになるので、今度は後ろ方向を見ながら下る。前にモニターがついていてそれを見ていると、下っていくほうが分かる。
料金は大人往復500円だったが、なかなか楽しい経験だった。
ちなみに五代松鍾乳洞では、みかん山モノレールで、駅の中から出発する、3両編成で運転手込みで5人乗りで、ヘルメットをかぶっての乗車である。これもいつか経験してみたいと思うが、日曜日などはずいぶん待ち時間が要るように聞いている。