少し前の出来事である。橿原文化会館で総会のあった日、帰りに近鉄デパートでお茶をして帰ろうと言うことになった。ティールームの席についてメニューを見ていたら、可愛い女店員のお奨めケーキは、説明をしてくれたものの、何か自分で作業をするらしいところまで分かったので、何事にも好奇心旺盛な私と「それ面白そう!」といって同調してくれた友人の前に運ばれてきたのは上のセットである。
一応「ラズベリー」を選んだので、ケーキのスポンジの中にもラズベリーのクリームがサンドしてあった。
さてこれからが問題だ。スポンジの上にこのイチゴ(ハートに切ってある)、バナナ、モモ、ラズベリーを載せていく。
ハートがよく見えるように、格好よく置いていったのだがスポンジの面積が狭くてどうしても上に嵩張ってしまう。
一応材料を全部載せて、ラズベリーソースをかけた。これで出来上がりである。
何がなんだか分からない状態になってしまった。でも考えてみると世界に二つとない、「マイケーキ」が出来上がったので、「面白いね。楽しいね。そして美味しいね。」を連発しながら、自画自賛の世にも不思議なケーキを味わいながらすっかり平らげた。
おまけにキャッシャーでは、彼女にご馳走になってしまった。いつか何かでお返ししなくてはと思いながら、まだその機会がないが、したこともないケーキつくりをして、「迷パティシエール(女性の場合はパテシェと呼ばないそうである。)の誕生で、きっとその日のうちにお払い箱になるだろうと思うと、真剣に創っていたのがおかくなってしまった。
『おかしゅうて やがておいしい けーきかな』 チャン・チャン
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