他所の花ばかりを見に行っているうちに、我が家の鉄砲ユリの花が、庭のあちこちに咲いているのに、気がついた。
鉄砲ユリは蕾が沢山ついて茎が重くなり倒れてきそうになるので、いつもも早いうちから、車庫の柱を支えのようにして縛り付けておく。
なんだか縛り付けておくのが可愛そうだけれど、蕾を若いうちにとって一つか二つ残しておくのもまた可愛そうなので、真っ直ぐ立ったままで花を咲かせるようにしておいた。
この黄色いユリの名前は知らない。いつ植えたのか覚えがない。亡くなったお嫁さんが花を植えていたところから今年初めて花を咲かせた。
きっと彼女が植えたのだろうと思うと、咲いている花を見て涙が溢れた。仏壇に供えようかとも思ったが、次々と蕾が下について開花しそうなので、今年はこのままにしておこう。この花の上には仏間の窓があるので、1日中窓を開けておいてやろう。
ヒメシャガの葉っぱの中に混じって、咲いた黄色いゆりは、花の図鑑を見ると、ニッコウキスゲに一番よく似ているが、まさかこの地に咲くゆりではなかろうと思いながら、来年は最初からよく見ておこう。
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