カフェテラス

テラスの片隅で一人心に呟くように

大和三山と蓮 ①

2014年07月21日 | ☆ ふるさと・大和

 

 

近畿地方も今日は梅雨が明けた模様宣言がありました。でも空模様はあまりからりとしていませんし、朝から雷注意報がずっと出たままで、湿気が多く蒸し暑い梅雨明けです。

藤原宮跡の蓮ゾーンに花が咲いているとの情報を貰って、今年の蓮の花に出会いに行ってきました。

大和三山とは、奈良県(旧・大和国)の奈良盆地南部、飛鳥周辺にそびえる3体の山々の総称で、2005年(平成17年)7月14日、国の名勝に指定されました。 

・玉襷(たまだすき) 畝火の山の 橿原の 日知(ひじり)の御代ゆ 生(あ)れましし ・・・柿本人麻呂(長歌の冒頭部分)

柿本人麻呂の万葉集に納められている長歌の冒頭の部分ですが、畝傍山を詠っていますので、ここに取り上げさせてもらいました。

現在「畝傍山」と呼ばれていますが、古代では「畝火の山」と言われていたのですね。

  

畝傍山です。199mという高さです。赤い柱列は藤原の宮の大極殿跡、朝堂院東ゾーンの発掘の際柱跡として発掘されたところに赤い柱列を建てています。

私の家から橿原向けて車を走らせている時、1番先に目に入るのは、この山です。お馴染みのせいでしょうか三山のうちで一番好きな山です。

 

 

 

この二枚は耳成山です。

高さは140m。

・耳無の 山のくちなし 得てしがな おもひの色の 下染(したぞめ)にせむ ・…詠み人しらず

「耳成山」と現在は言われていますが万葉集では「耳無しの山」とそれに続く「山のくちなし」の二句目に繋げてうまく相聞歌にしているなぁと万葉の歌人の優雅な思いに惹かれます。 この山は三山のうち一番姿かたちの良い山だと言われていますが、それは人の好みかも。

 

 

 

  三つ目の山は、天香久山(あまのかぐやま、あめのかぐやま、152m です。ほかの山は独立した山ですが、この山は多武峰の山々の連峰だったということです。三山のうちでは最も低く、最初訪れたころには、なかなかちゃんと捉えられず、毎年夏の蓮、秋のコスモスと出会いに行くうちに、今ではどこに自分が立っていても、天香久山を見落とすことはありません。

・春すぎて 夏来るらし 白たへの 衣干したり 天の香久山 ・・・持統天皇

万葉集では「香具山は 畝火(うねび)ををしと 耳成(みみなし)と 相あらそひき 神代より かくにあるらし 古昔(いにしへ)も 然(しか)にあれこそ うつせみも 嬬(つま)をあらそふらしき」(中大兄皇子、巻1-13)と歌われていっます。大和三山(の神)が神代に恋争いをしたという歌です。この歌の「畝火ををし」を「畝火雄々し」と解釈し畝傍山の神は男神であるという説と、「畝火を愛し」と解釈して畝傍山は女神であるという説とがあります。

この歌は、中大兄皇子と弟の大海人皇子の額田王をめぐっての恋争いを大和三山に託したものという説もあって、古代のロマンを偲んでわくわくするような物語が伝えられています 

 

大和三山に囲まれた平野部分には、古代の都・藤原京の中心であった藤原宮が造営されていました。その際には、大和三山の位置が重要な立地条件になったと考えられています。藤原宮のあった場所は、現在、特別史跡藤原宮跡として保存されており、そこから大和三山へ優れた眺望が望めます。

その宮跡には季節の花ゾーンがあって、今は蓮の花ゾーンに各種団体や有名寺院から寄贈された蓮の花が古代の都を偲ぶように、大和三山をバックにして華やかに咲いています。

続きはそんな蓮の花に登場してもらいます。

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コメント (4)
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