カフェテラス

テラスの片隅で一人心に呟くように

あぜ道の彩り

2004年09月15日 | ☆ ふるさと・大和
彼岸花は、この時期一度にぱっと咲く。
昨日一日出かけていたので、裏の田圃の見える窓を開けなかった。
今朝窓を開け放つと、真っ赤な色彩が飛び込んできた。
蝋燭の灯ように、茎の先に付いていた蕾が、一斉に開いた。これは、傍に行かないと目に付きにくいので、離れた場所からは、緑色のあぜ道だったのに、彼岸花の開花と同時に、畦道が真っ赤に彩られる。
刈り取りを待つ稲穂の黄色と、すでに刈り取られた褐色の田を、彼岸花は、赤い縁取りで飾る。
残暑の昼間を避けて、朝夕の涼しさの中で、開花するのだろうか~~~
確かな季節の歩みを、この花は伝えている。
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コスモス迷路

2004年09月14日 | ☆ ふるさと・大和
月命日のお参りに来てくださった菩提寺の住職から、
「安部文殊院に、コスモス迷路がありますよ。」と教えていただいた。

どこまでも青い空を見ていると、「行こう」 思い立ったが吉日とすぐに車を走らせた。
午前10時、この時間帯は道路が空いているので1時間足らずでお寺に着いた。
本尊が文殊菩薩のこのお寺には、入学祈願のお参りに何度か訪れている。
入試を目前にしたときのお参りだから、大抵は冬だった。
年の離れた弟、甥、我が子とその都度願いを、絵馬に書いて奉納したものだった。

懐かしい思いで境内を散策する。こんな明るい空の下の文殊院は初めてだ。冬の空と、受験という重りが圧し掛かった頃との違いが、気分的にもはっきりしている。

コスモス迷路の花にはまだ早すぎた。背丈ほどのコスモスで迷路は作られていた。それでもちらほら花が顔を出している細い道を、行っては突き当たり、戻っては違う方向に歩くのが、子供に返ったようで、結構面白かった。
これが花真っ盛りならどんなに良いだろうと、後半月後にもう一度来ることにして、山門を出る。

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床下にも繊細な木組み

2004年09月13日 | △ 旅 あれこれ ドライブ
六十余段の石段を上って仁王門をくぐる。すざましい形相の仁王さんに迎えられて、道成寺の境内に入る。右手の三重塔の姿がとてもいい。安珍・清姫の悲恋、情念で余りにも有名なお寺だが、広い境内は鎮まり返っている。
                                           

                                         
もう何年か前、ここで聞いたお坊さんの、安珍清姫の絵説きが面白く、その語り口調まで思い出し思わず顔がほころびる。

本堂にお参りした後、護摩堂の前で足が釘付けになる。
床の下部分の木組みが目を捉えた。どこのお寺のお堂も、軒下部分に施されている木組みが、ここでは、軒下にもあるし、それと同じ繊細な組み方が、床下にもある。
建築のことは、名称も含めて、全く知らないが、余り他のお寺で見かけたことが無い。
他で見落としていたのかもしれないが・・・

建立当時の人の願いが、こんなところにも表れているような気がして、暫く見入っていた。
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枯木灘

2004年09月12日 | △ 旅 あれこれ ドライブ
岬の入り江一帯が、溶岩のような黒い岩に埋め尽くされている。
大小さまざまな岩だが渚近くは小石のように見えるし。海の中には、大きい岩が海面から頭をのぞかせている。
嵐の夜が去ったとき、その全貌が姿を見せた。
「枯れ木灘」といわれる由来は分からないが、黒い岩石の海に迫る様は、その名のイメージにマッチしている。

童謡詩人の野口有情が、絶賛したといわれる、すさみ温泉と枯木灘。  
暴風の日と打って変わった海の表情が、水平線の果てまで続いている。                                                      
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朝日を待つ

2004年09月11日 | △ 旅 あれこれ ドライブ
この日も、午前3時ごろ地震で眼が覚めた。
テレビをつけると、この辺りの震度は3と出ていた。
カーテンを引くと、真っ暗な海から、波の音が聞こえる。どうやら風は治まったらしい。窓を少し開けてみた。昨日は、窓を開けると、怒涛の押し寄せてくる音が耳を襲ったが、それも去っている。
真下の闇の中から、規則的な波の砕ける音が聞こえる。目を凝らすと、真向かいの小さな島の灯台の灯の点滅がはっきりしてきた。暴風は、去った。日の出は見えるのだろうか~~~。
窓を閉め、カーテンはいっぱいに開けたまま、波の音を耳にしながらぼんやり時を過ごす。

              


うつらうつらして、ふと目を窓に向けると、ほんのり白い。飛び起きて窓を開けると、島影が茜色に染まっている。晴れなのだ。日の出に会える。わくわくしながら待つ。その一点を見つめて・・・
ところが、今度はそこよりもっと左に、天使の梯子を空に向けたような、明かりが広がった。
こちらから、太陽のお出ましなのだ。海の上に東の岬を覆うように被さった黒い雲、そこからの日の出だった。雲に遮られて、海から上がる太陽を見ることが出来なかったけれど、今日の快晴を予告するような天使の梯子に会えたことが、心底嬉しいすさみの宿の朝だった。
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