カフェテラス

テラスの片隅で一人心に呟くように

夕焼けに想う

2004年09月19日 | ▼ 思い出綴り
此の頃、夕焼けを美しいと思う気持ちが、とみに増している。
これって、自分が人生の夕焼け時にあるからかなあと、寂しく考えたりする。

在職中、仕事を終えて、息つく暇もなく、夕焼けの橋を渡って、夫の待つ病院に向かったとき、
「明日も、天気だ。」そんなことしか頭の中になかったような気がする。
今、あの情景を浮かべると、川も、川べりの木々も、橋も、道行く人さえも染めていた、大きな夕焼けに、何の感動もし得なかった、心の貧しさが悔やまれる。
あの夕焼けを引っさげて、にこやかに、豊かな心で、夫の病室の扉を開けていたら、待ってくれていた人は、どんなにか癒されたろうにと・・・

やがて来る夜の帳の前の、静かな夕焼けの中で、越し方を思う。
コメント (9)
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