≪速報:南部物語紀行 承陽塔(南部町法光寺)2017.4.8≫
南部路の古刹:法光寺の裏庭にあるのが三重搭(承陽塔)。青森県および南部町の
観光情報サイトに「日本一」の高さの三重搭と紹介されている。しかし高さ日本一
の背景が説明がない。因みに奈良県薬師寺三重塔は34.1m高さ日本一として認知
されている。又古さ日本一は飛鳥時代建立の法記寺三重塔だ。故に、この三重搭
が日本一というには心もとない。確かに、高さ33mで日本一並みではあるが・・・
検証:薬師寺三重搭は各層に裳階[もこし]と言われる小さい屋根があり、外見
上六重搭に見えるが、建築学上三重搭。法光寺は裳階がない単純三重塔。
この違いを把握し、説明した上で日本一形容であれば理解もできるのだが。
≪ 速報:歴史探訪 法光寺 南部町 201704.08 ≫
早春の名久井岳。そろそろ身体が大地を踏みしめたい時節柄。
久し振りの南部路。愛車も夏のタイヤに変わり走りも爽快だ。
予てから気になっていた名久井岳山麓の古刹:法光寺を探訪。
山号:白華山 宗派:曹洞宗 寺格:別格 本尊:千手観音
開祖:北条時頼 開山:玉峰捐城和
指定:法光寺承陽塔(じょうようとう)登録有形文化財2017年登録
札所:糠部三十三観音霊場第19番札所 札所本尊:千手観
世音菩薩、御詠歌(補陀落は 外所には非じ 白花山 松吹く御法に 入相の鐘)
七戸南部三十三観音霊場第9番札所(札所本尊:千手観世音菩薩)
参照:名久井岳(三戸城址から眺望):三重搭(承陽搭:法光寺)
中尊寺本堂に至る。本堂には平成二十五年に建立された黄金色の
釈迦如来像が安置されていた。初代藤原清衡公の中尊寺建立時に
ならって造ったそうである。往時の藤原栄華がここでも忍ばれる。
宗派:天台宗 寺格:東北総本山 本尊:釈迦如来 開祖:円仁(慈覚大師)
参照:中尊寺金色堂(平泉仏国土)
≪Mémoire:神殿寺院 蚶満寺(かんまんじ) 2016.8.20≫
奥の細道で有名な蚶満寺。松尾芭蕉はこの寺の裏手の象潟(きさかた)を
太平洋の松島海岸と対比して鑑賞し、句歌を詠んでいる。しかし松島では
その景勝に発句をせず象潟では句を成している。一体どちらが絶景なのか。
宗派:曹洞宗 本尊:釈迦牟尼仏
松尾芭蕉句: 『 象潟や 雨に西施が ねぶの花 』(奥の細道での作)
参照#象潟の景観(春うらら田植え時期) #松尾芭蕉像
象潟海岸には芭蕉が読んだ中国絶世・悲劇の美女西施の像が設置された。
西施西施の像
≪Memoir(メモワール):Histoire(イストワール)・知恩院 2009.12.19≫
京都の文化財はやはり寺院が多い。その中でもひと際重層な構えが知恩院だ。
徳川の威光が多く込められた歴史的建造物。その山門前に立つと圧倒される。
そして、悲劇の千姫の墓所があることでも筆者が注目する大伽藍なのである。
宗派:浄土宗 寺格:総本山 本尊:法然上人像、阿弥陀如来 開祖:法然上人
指定:国宝(御影堂)
法然:平安時代末期から鎌倉時代初期の僧。比叡山で天台宗を学び承安5年、
「南無阿弥陀仏」の専修念仏の教えを説き浄土宗の開祖。幼名は勢至丸。
山形県鶴岡市の古刹:善寶寺の五重塔を久しぶりに鑑賞する。
山形県には名刹・古刹が多い。その中でも同じ五重塔を擁する
のは羽黒山。いずれも人々の信心を積み重ねたように天を突く。
宗派:曹洞宗 本尊:薬師如来 指定:重要文化財(菱田春草作王昭君図)
庄内地方の古刹:善寶寺に辿り着いた。境内に点在する木造建屋群
仏像群にこの地方の由緒ある寺院と拝察する。相当栄華を極めたか
境内前には、嘗て走っていた鉄道軌道と駅舎が記念館のように佇む。
参照 桜の善寶寺五重塔(クリック展開)
映像:白神山地を擁する深浦町の古刹・圓覚寺境内
世界遺産白神山地は日本海の風雪がその存在を育んだ。その日本海代表的な
交易都市が深浦町だ。町の古刹には北前船乗込み船頭の安全祈願髷額が保存。
山号:春光山 宗派:真言宗醍醐派 本尊:十一面観音 開基:坂上田村麻呂
札所:津軽三十観音霊場第十番
髷額(まげがく):江戸時代の船旅は常に死の危険と背中合わせであった。
航海の安全を感謝してちょん髷を切り奉納。国重要有形民俗文化財に。
映像:湯原温泉街中心部にある湯元から出現したという薬師如来を祀る薬師堂。
鳥取県から岡山県北部へ移動して来た。美作三湯の一つ湯原温泉だ。
この温泉も古い。豊臣秀吉時代まで遡る。過酷な労働で疲れた体を
自然湧出の源泉で癒したのだ。その名残が残る川原の砂湯が有名だ。
下北半島、日本三大霊山となる恐山に東日本大震災で被災した人びとが沢山訪れている。
それは死者の霊が漂う霊場鎮魂のため。この門の先に人間の死後辿る様々な世界が展開。
黄泉の国:恐山霊界魔界は境内裏手、宇曾利湖岸に展開する。境内前の三途の川太鼓橋
を渡る事から体験が始まる。そして境内入山、温泉場で身を清め、地獄巡り。
仏教の八大地獄(無限地獄、重罪地獄、血の池地獄、金掘地獄、女郎地獄、法
華地獄、どうや地獄、修羅地獄)が点在し、至る所に供養塔、供養塚、供養が
あり、炎の山らしく硫黄臭が漂う。 極楽浜にて心を休め、胎内潜りで還俗す。
参照#恐山(現世・地獄・天国)紀行