つげ義春は1960年代に月間冊子「ガロ」で活躍した漫画家である。その漫画家が
温泉地を題材にして、たくさんの漫画作品やエッセーを発表している。特に東北
関東など鄙びた温泉場の作品が多い。それらをまとめた冊子が「つげ義春の温泉」。
解説:筆者も懐かしさに駆られ、アマゾンでこの冊子を手にした。学生時代には
買えない大金(1800円)を払った。白黒の物語風のコマ漫画だが、高度成長
下の狭間の温かさ、おおらかなエロティシズム、切なさ・・何よりも昭和の
温泉場が忠実に描き込まれており温泉研究家に貴重な一冊であろうと推量。
題目:長八の宿、 二岐渓谷、 オンドル小屋、 ゲンセンカン主人、 懐かしい人、
会津の釣り宿、黒湯・泥湯、上州湯平温泉、秩父の鉱泉と札所、東北の湯
治場にて、上州湯宿温泉の旅、颯爽旅日記・抄、下部・湯河原・箱根、伊
豆半島周遊、 養老(年金)鉱泉、 丹沢の鉱泉 ( 漫画&エッセーの題目 )
記録:欧州最大規模の漫画の祭典、第47回アングレーム国際漫画祭の授賞式で
特別栄誉賞を受賞した。(2020年2月1日:フランス南西部アングレーム)
≪ 本誌に掲載された泉地(温泉&鉱泉)≫
温泉:湯野川、蒸ノ湯、後生掛、黒湯、孫六、泥湯、小安峡、夏油、瀬見、今神、
肘折、定義、早戸、西山、玉梨、大塩、岩瀬湯本、二岐、滝ノ原、湯ノ花、
木賊、北、湯宿、四万、尻焼、不動の湯、明治、屋敷、下部、湯河原、大
平台、松崎、城崎、湯村、壁湯、湯平、峐(はげ)ノ湯(有色の各温泉は筆者訪問済)
鉱泉:湯岐鉱泉、塩川鉱泉、柴原鉱泉、養老鉱泉、鶴鉱泉、飯山鉱泉、別所鉱泉
参照#① 日本列島 温泉地データ・ベース ② つげの花(自宅庭)
③ 芸術・文学・温泉家の探訪 紀行