≪ 平成調査結果:研究&調査&執筆 菅江真澄(紀行家・歌人)2005.6~2018.10 ≫
温泉紀行を語る時江戸時代に活躍した菅江真澄を抜くことは出来ない。青森県、秋田県
を拠点に北日本をくまなく歩いて仕上げたのが「菅江真澄遊覧記」(平凡社版全五巻)。筆者の
書斎の一角に格納されている。江戸時代の温泉地を中心の観察・記録は貴重な民俗資料。
(下記アンダーラインをクリックすると本ブログの訪問記録参照可)
①下風呂温泉・・・・・・・・・・・「大湯、新湯といって二つの温泉がある下風呂という里」
②恐山温泉・・「ふる滝の湯、ひえの湯、めの湯、花染の湯、しんたきの湯といって」
③大湊ネブタ・・・「横型の燈籠を灯して・・・囃を唱えながら、太鼓、笛を鳴らして賑」
➃夏泊半島 椿山・・・・・・・・「影おつる 磯山椿 紅に染めて 汐瀬の 波の色こ (濃)き」
⑤夏泊半島 大島・「はま風の ふへくのりも つみぬらん ひるやしほでの 水もあさみ」
⑥浅虫温泉・・・・・・・「滝の湯、目の湯(椿館)、柳の湯、おお湯、はだか湯などが」
⑦夜越山・・・「錦木の その名も朽ず 今の世に いひこそ立ち 古き例(たとへ)を」
⑧奥津軽滞在地・・・・・・・菅江真澄滞在の碑(北畠家屋敷跡:青森県北津軽郡板柳町)
⑨大鰐温泉・・・・・・・「小川をわたり、大鰐の湯の川原といういう出湯のもとにきた」
⑩白神山地 ・・・・・・ 「いそ山に 春は咲てふ たま椿 かかるやなみの 光なるらん」
⑪銚子の滝・・・「巌かつら くり返し見る いわがねに かかるも高き 滝のしらいと」
⑫湯の沢温泉 ・・・「ふる雪か 花かあらぬか 山風にさそわれてちる 滝のしら泡」
⑬入道崎・・・・・・・・・・・・・・・菅江真澄の道 男鹿の鈴風(男鹿温泉:秋田県男鹿半島)
⑭白糸の滝・・・・・・・「風あらき 磯のしら糸滝かたみ 波のよるひる やけてみたれん」
⑮椿・・・・・・菅江真澄の道(男鹿温泉:秋田県男鹿半島 天然記念物椿自生北限地帯)
⑯鹿落とし・・・・・・・・・・・・・・菅江真澄の道 男鹿の鈴風(戸賀温泉:秋田県男鹿半島)
⑰男鹿温泉‥‥‥‥・・‥「湯本についた。この温泉の味はからくて緑礬の気がある」
⑱夜籠り・・・・・・・・・・・・・・・・菅江真澄の道 男鹿の寒風(真山神社:秋田県男鹿半島)
⑲名水の里 諏訪神社・・・・「六郷は 栄養丸に 百清水 多い寺々 絶えぬ金持ち」
⑳すすきの出湯・・「けふに明て見し面影のこまかへり老いもわかゆのわきて長閑き」
㉑三途の川・・・・菅江真澄の道 彼岸の真白なる静寂(川原毛地獄:秋田県泥湯温泉)
㉒毛馬内の市・・・・・・・・・・・・菅江真澄の道 錦木「三日の市たち 人豊かに 住めり」
参照#昔懐かしい伝統の「毛馬内(けまない)盆踊り」
㉓森吉山 ・・・・・・「連瀬沢 滝音ききつ 登りぬれば もろびの匂いす 前岳近く」
菅江真澄:江戸後期、紀行家、歌人、識者(国学、本草学、民俗学、地誌学)等多面性を持
ち、当初は津軽藩のお抱え学者となり、津軽の民俗、薬草、地理などを調査を
し後半は佐竹藩のお抱えとなった。特に温泉観光の分野では優れた紀行文を残
す。筆者の尊敬する温泉観光の祖。ひょっとしたら白神を詠んだ最初の歌人だ。
学術的な記録としての評価も高い「菅江真澄遊覧記」(平凡社版全五巻)を記し
た。とくに青森県、秋田県の温泉地関係記述は温泉研究家必携の書と思われる。
記録:本草学(漢方)、地誌学(地理・温泉)、民俗学、歌人等、当時の最先端学識者