Dr.Horiiのひとりごと

徒然なるままにクルマや日々の出来事を書きとめた雑記帳です。
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シリンダー・ブロックとシリンダー・ヘッド2

2020-12-07 17:47:12 | お車拝見

前回の続きです。

シリンダーの数には触れましたが、配列には触れませんでした。

代表的なシリンダーの配列形式は次の3種類

・直列型

・V型

・水平対向型

これはわかりやすいけれど、動画を添付しておきます。

 

・直列型

 

・V型

 

・水平対向型

 

関連サイト:水平対向、直列、V型…どれが最も優れているエンジンと言えるか?

 

シリンダーの摩耗とその対策

シリンダー・ブロックは耐摩耗性の高い特殊鋳鉄でつくられているが、長期間使用する

ことによってシリンダー壁に摩耗が生じひどくなるとガスが漏れて出力が低下するなど、

いろいろなトラブルが起こる。

図1.シリンダーに働く側圧力

 

シリンダー壁が摩耗する大きな原因はピストンとの摩擦によるもので、上図のように

爆発工程において、爆発力Pを受けてピストンが下降すると、爆発力Pの分力Sはシリンダー壁を

横に押す力となって作用する。この力を側圧力(side thrust サイド・スラスト)といい、

爆発工程のときにとくに大きく作用する。

図2.シリンダー壁の磨耗状況

 

この側圧力はシリンダー摩耗の大きな原因となり、シリンダー壁の磨耗状況は

上図のようにだ円形に摩耗する。

図3.オフセット・シリンダー

オフセットすることにより、側圧力Sは図1のときと比べて小さくなっている

 

この側圧力による摩耗を少なくするために、シリンダーの中心とクランク・シャフトの

中心をずらして側圧力を小さくすることが多くのエンジンで行われている。

(同じ理屈でピストンピンをオフセットするやり方もある。)

 

シリンダー・ヘッド

シリンダー・ヘッドの外部には、インレットおよびエキゾースト・マニホールドやバルブ機構、

スパーク・プラグなどが取り付けられ、ヘッド上に上面にはバルブ機構を保護するために

ヘッド・カバー(head cover)が取り付けられている。

147GTAのシリンダー・ヘッド Dr過去ブログより

 

シリンダー・ヘッドの構造は、水冷式(オーバーヘッドバルブ型エンジン)ではインレット

およびエキゾースト・バルブやスパーク・プラグの取り付けネジ、ヘッド・ボルトの挿入孔、

吸・排気および潤滑油の通路などがあり、燃焼室の外周には、冷却水を通すための

ウォーター・ジャケットが設けられている。

図4.シリンダー・ヘッドの内部構造

 

シリンダー・ヘッドの下面は、高温・高圧の燃焼ガスにさらされるので、その材料には高温度での強度に強く、

熱膨張が少なく、しかも鋳造や加工のしやすいものが要求され、一般に、鋳鉄やアルミニウム合金が使われている。

 

図5.ガスケット 公益財団法人国際文化カレッジ発行「自動車講座」テキストより 転載許可

 

シリンダー・ヘッドとシリンダー・ブロックの間には気密を保つためガスケット(gasket)がはさみこまれている。

 

あとがき

振り返ってシリンダーの意味はわかっていたけれど、シリンダー・ヘッド、シリンダー・ブロックといわれると

???となって、その関係性等もわかっていなかったのですが、おおよそ理解することができました。

とくにシリンダーの摩耗については、長期間往復運動していればそら摩耗もするでしょう~くらいにしか思っていませんでしたが、

その大きな原因は機構上、側圧力(サイド・スラスト)が働いてしまうからなんですね~

勉強になりました・・

 

 

コメント
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