(中国の習近平国家主席(左)は(2019年6月)5日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(右)を「親友」と呼び、友好関係をアピールした。【2019年6月6日 BBC】)
【プーチン大統領、パーキンソン病で年明け辞任???】
政治指導者はしばらく公に姿を見せないと健康問題がすぐに囁かれますが、その十中八九はガセ・フェイク。
・・・・とはわかっていても、ついつい見入ってしまうことも。
ロシア“不滅のプーチン”大統領にも、パーキンソン病で辞任・・・という報道が。当然ながらロシア側は一蹴しています。
****〝不滅のプーチン〟に一体何が…パーキンソン病で辞職報道****
英大衆紙サンは6日、ロシアのプーチン大統領(68)にパーキンソン病の疑いがあり、来年初めに辞職する予定だと報じた。
複数のロシア政治専門家が情報源だとしているが、ペスコフ大統領報道官は同日「完全なたわごとで、大統領は快調だ」と報道を完全否定。辞職することもないと強調した。
サンは最近のプーチン氏の映像を見た専門家の分析として、脚が絶え間なく動き、ペンを持つ指も、けいれんしているように見えると指摘。
またクレムリン(ロシア大統領府)の内情に詳しいとされる政治評論家ソロベイ氏が最近、プーチン氏にパーキンソン病の兆候があると示唆したことで臆測が広がったとしている。
プーチン氏の恋人、元新体操選手アリーナ・カバエワさん(37)がプーチン氏に、権力の座から離れるよう求めているという。
プーチン氏はコロナ禍以降、政府幹部との会合もほとんどモスクワ郊外の公邸からテレビ会議を通じて行っている。公の場にあまり姿を現さないことも健康不安説に拍車をかけている。
何度も暗殺未遂に遭っているのにピンピンしているプーチン氏には不老不死説がささやかれているほど。また、影武者が数十人いるという説もある。
ロシア事情通は「10年ぐらい前から、プーチンのビジュアルがどんどん若返っているので、不老不死説や影武者がどんどん入れ替わっているという説が出ています。実は、モスクワの病院で幹細胞治療という若返り治療を行っており、肉体年齢は40代。昔のたるんだ中年体形と比べて、今の方が若々しいので、そのような説が出ているんです」と語る。
プーチン氏は5年前、1週間も公の場から姿を消したことで健康不安説が報じられたことがある。その際もペスコフ氏が「完全に健康で、握手をすれば相手の手の骨が折れる」と否定。実際、マッチョな独裁者であり続けている。
果たして今回は…。【11月7日 東スポ】
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上記記事にも出てくる政治評論家ソロベイ氏は元モスクワ国際関係大教授で、元教え子のロシア政府関係者からの確度の高い情報だとして、プーチン氏は年明けにも辞任を表明する意向で、来年4月にロシア大統領選挙の開催が検討されているとも語っています。
同氏は近年プーチン大統領を公然と批判しており、外交官養成学校であるモスクワ国際関係大学を去年辞職したとか。【11月8日 テレ朝NEWSより】
万一、そんな話になれば、年明け早々にも米ロの指導者が相次いで交代・・・ということにもなりますが、どうでしょうか? 冒頭にも書いたように、この種の話は十中八九はガセ・フェイクです。
【対米 バイデン氏の出方を見極めようと慎重姿勢】
そのロシアは、アメリカでのバイデン氏勝利については慎重姿勢のようです。
トランプ大統領は決断力に優れた(別の言い方をすれば、独裁的・強権支配的な)プーチン大統領に心酔しており、ロシア疑惑とかいろいろありながらも両者は良好な関係にありましたが。(トランプ大統領はロシアに何か重大な弱みを握られているのでは・・・という声もありますが)
****トランプ氏へ最初に祝電送ったロシア、バイデン氏に沈黙****
米大統領選でバイデン前副大統領の当選確実が報じられてから6時間以上が過ぎても、ロシアはほぼ沈黙を保っている。
4年前の米大統領選で、トランプ大統領の当選確実が報じられた直後にプーチン大統領が世界に先駆けて祝電を送った時とは対照的な対応で、バイデン氏の出方を見極めているようだ。
ロシアは2014年のウクライナ危機後、当時の米オバマ政権との間で冷戦後最悪と言われるほど関係が悪化した。そのため、16年の米大統領選ではプーチン氏に好意的な姿勢を示していたトランプ氏への期待が高まった。米国でトランプ氏の当確が報じられると、プーチン氏は直後に「ロ米関係の危機的状況から脱するための共同作業に期待する」とする祝電を送った。
だが、プーチン氏が期待した米国との「対等で相互に敬意を持ち合う」関係は築けず、関係はむしろ悪化。米ロ間で唯一残った核軍縮条約の新戦略兵器削減条約(新START)も、来年2月の期限切れが迫る。ロシアはバイデン氏の動きを見守って、反応を控えているようだ。
タス通信によると、ロシア下院のスルツキー国際問題委員長は8日未明、バイデン氏の当選について、「米国の対ロ政策に大きな変化は期待できない」とコメント。ただ、核軍縮などを巡る交渉では建設的な議論への期待があるとも指摘した。【11月8日 朝日】
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【対アメリカで協調する中国との関係は、ロシアにとって微妙】
プーチン大統領は先月、アメリカとロシアが世界の最も重要な問題についての決断を下す時代はもはや終わったと指摘し、中国とドイツが超大国の地位を築きつつあるとの考えを示しています。
****プーチン「米国の影響力は低下、中国とドイツが超大国に」****
ロシアのプーチン大統領は22日、米国とロシアが世界の最も重要な問題についての決断を下す時代はもはや終わったと指摘し、中国とドイツが超大国の地位を築きつつあるとの考えを示した。
プーチン氏はネット上で開催された会議に参加し、世界における米国の役割は英国、フランスと同様に低下し、政治や経済においては中国とドイツが超大国になりつつあるとの考えを示した。
世界的な問題について米国がロシアと議論する用意がなければ、ロシアは他国と議論すると語った。
米国はもはや米国例外主義を主張することはできず、それを望む理由も分からないと述べた。
米大統領選を11月3日に控え、新政権が安全保障や核兵器抑止といった問題についての対話に前向きであることを望むと語った。
米国は先週、2月に期限が切れる米ロの新戦略兵器削減条約(新START)を無条件で1年延長するというロシアの提案を拒否した。【10月23日 Newsweek】
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ロシアの中国との関係は微妙。
現在は、対アメリカという立場から利害を共通する関係にもありますが。
***中ロ軍事同盟、排除せず=「想像可能」とプーチン氏****
ロシアのプーチン大統領は22日、ロシアと中国の軍事同盟について「理論的に十分に想像することができる」と語り、排除しない考えを示した。
内外のロシア専門家が議論する「バルダイ会議」にオンライン形式で参加し、質問に回答した。11月の米大統領選後をにらみ、米国を揺さぶる布石を打った格好だ。
プーチン氏は昨年12月の年末記者会見では、中ロ軍事同盟を「計画していない」と明確に否定していた。今回も「必要ないほどの協力と信頼の水準に達している」「今はそうした課題を設けていない」と念を押している。しかし「原則として排除するつもりはない」と含みも持たせた。
プーチン氏は「残念ながら新たな脅威がある」と指摘。「アジア太平洋地域への中・短距離ミサイル配備の可能性に関する米国側の意向や発言は警戒せざるを得ない」と述べ、中ロ軍事同盟を排除しない背景として、米国への強い不信感をにじませている。
推移を見極め、それに応じていくと今後の方針も示しており、中ロ軍事同盟の可能性をちらつかせることで、米国の対ロ包囲網構築をけん制する意図がありそうだ。【10月23日 時事】
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しかし、ロシアと中国では「勢い」に差が。
これまでロシアが裏庭としてきた中央アジアでも急速に中国の影響が強まりつつあります。
ロシア本土にあっても、シベリアにおける中国のわが物顔の振る舞いに批判が高まっているとも。
****ロシアと中国は深刻な「衝突」へ シベリアと北極圏が「係争地」に****
緊密な協力関係を誇示する中国とロシアの問で、冷戦時代のような対立再燃の懸念が広がっている。
習近平国家主席の貪欲な拡張主義が、シペリアや北極海に及ぶためだ。
ウラジーミル・プーチン大統領は中国の進出を経済的理由で容認しているが、国民の問では、中国企業による自然破壊や森林伐採、経済覇権に怒りが強まっている。
シベリア、アマゾン、米カリフォルニア州と、山火事は今年も猛威を振るう。特にシベリアは、異常高温に見舞われたため、例年より1ヵ月も早く四月に始まった。(中略)
シベリア森林の「放火犯」
ところが、ロシアのシベリア住民は、地球温暖化とは全く別の「放火犯」を知っている。
それは中国の森林伐採業者だ。
業者たちは、ワシントン条約で規制されている「ヤチダモ」など、貴重な本々を違法伐採した上、丸太(原本)のまま中国国内に密輸し、「高級建材」として高値で売りさばくのである。その際、違法伐採の痕跡を消すため、森に放火する。
クラスノヤルスク地方拠点のロシア人記者は、「中国の違法業者は、シペリアの地元政治家を必ず抱き込んでいるから、好きなだけ伐採する」と言う。
特に悪質なのは、クラスノヤルスク地方のアレクサンドル・ウス知事だ。同記者は「知事は、妻が経営する会社に中国人業者と取引をさせている。政府内や規制当局で、伐採の違法性を指摘する者がいれば、沈黙させられる。構造的汚職、国民への裏切りだ」と憤る。
中国企業はまた、プーチン大統領に近いオリガルヒ(新興財閥)から多額の投資を受け、合弁会社を作っている。もちろん、連邦政府からの規制や介入を受けないための保険である。
森拝伐採の現場では、北朝鮮から送られる労働者が大量に雇われる。中国人や地元ロシア人より遥かに低賃金で、北朝鮮政府にとっても貴重な外貨収入になる。
こうして汚職と搾取を幾重にも積み重ねて大儲けをした上、放火して去るのだから、シベリア住民の怒りを買うのは当然だろう。
「中国はシベリアのタイガを不毛の砂漠に変えている」といった論評が、ロシア国内で目立っている。ある推計によれば、二〇〇〇年のプーチン大統領就任後、二十年でロシアの森林が六%(四十五万平方キロメートル)消えたとされる。
中国人が持ち去るのは、森林資源ばかりではない。バイカル湖なとがら水資源をごっそり中国に持っていく。最近では、中国の飲料会社が「バイカルの水」を商品化するとの事業案をロシア側に提示した。湖畔に大規模工場を作り、ペットボトルで出荷するというのだ。行く先は中国市場である。
これには地元ばかりかロシア全土で猛烈な反対運動が起こった。バイカル湖はその大きさと神秘性から、「シベリアの真珠」として、信仰、崇拝の対象にまでなっている。
昨年、ロシアの裁判所が計画を認めない判決を下し、中国の企ては頓挫したが、シベリアの住民たちは、中国がこれであきらめるとは考えていない。
前出ロシア人記者は、「シベリアの政治・行政全般が、中国の影に覆われている。問題が起きれば必ず背後に、中国人とロシアの汚職政治家がいる」と言う。
ハバロフスク地方では、今年七月から連日デモが続いている。同地方のセルゲイ・フルガル知事が、七月に逮捕・解任されたことに抗議するものだ。容疑は十五~十六年前に起こった「殺人事件への関与」というもので、「本当は中国がらみではないか」との臆測を呼んだ。
デモには、政府への抗議だけでなく、「反中国」「ロシア民族主義」を表明する者も加わった。プーチン政権が対応に苦慮するうちに、ハバロフスクのデモは十月、「百日連続」の記録を作った。
プーチン大紋領が、中国のやりたい放題をこれ以上見逃すのは、国策としても、政治的思惑からも難しくなっている。(後略)【「選択」11月号】
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記事は、ロシアが最大権益を有する北極海への中国の進出を取り上げ、「地球温暖化の加速は、両国の衝突の時期を早めるだろう。燃えるシベリア、溶ける北極海での中露対立というシナリオは・・・」とも。
中国の「やりたい放題」については、それを許すロシア側の汚職政治家の存在もあります。
いずれにしても、ロシアと中国の関係が「蜜月」状態を維持するのは難しいところで、アメリカ大統領が変わり米ロ関係に変化が出れば、それに応じでロシア・中国の関係にも変化があると思われます。
ましてや、冒頭記事のようにプーチン大統領病気辞職という話にでもなれば・・・。