安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

バーバラ・リー A WOMAN IN LOVE

2010-07-07 19:51:22 | ヴォーカル(A~D)

たまにクラシックの演奏会に出かけますが、その情報源として、無料の月刊クラシック音楽情報誌「ぶらあぼ」を毎月読んでいます。同誌はインタビューや公演情報、新譜CDの紹介など内容が充実しています。7月号には、指揮者の佐渡裕さんへのインタビューが掲載され、来年5月のベルリン・フィル定期への出演決定のことやオペラ「キャンディード」(バーンスタイン作曲)について語っています。今夜は歌ものを聴きました。

BARBARA LEA (バーバラ・リー)
A WOMAN IN LOVE (Riverside 1955年録音)

 Awomaninlove

バーバラ・リーは、1950年代に3枚のアルバムを作っています。そのうち2枚はタイトルに「Love」が入っており、「ア・ウーマン・イン・ラヴ」(リヴァーサイド)、「リー・イン・ラヴ」(プレスティッジ)と、およそジャズ専門レーベルらしくないタイトルがつけられているのが微笑ましいのですが、内容を表しているのは確かです。

本作は、国内盤としてはこのSSJ盤CDが初出になります。前からこのジャケット(Riversideの表記はありませんが)でほしかったので、発売と同時に購入しました。彼女は、ふくよかな声でリラックスして歌いますが、品の良さと誇張のない歌い方は、聴いていてほっとするものがあるし、ノスタルジックでもあります。

伴奏は、ビリー・テイラー(p)とジョニー・ウィンドハース(tp)を中心としたコンボ。「降っても晴れても」、「アズ・ロング・アズ・アイ・リヴ」、「ラヴ・イズ・ヒア・トゥー・ステイ」、「シンキング・オブ・ユー」、「アイ・ディドゥント・ノウ・アバウト・ユー」、「ラヴ・ミー」、「ザ・ベスト・シング・フォー・ユー」、「ア・ウーマン・アローン・ウィズ・ザ・ブルース」というオリジナル10インチ収録の8曲に加え、前年録音の2曲が追加されています。

彼女の個性が溢れていて、繊細で暖かいムードが全体に感じられます。「降っても晴れても」、「ラヴ・イズ・ヒア・トゥ・ステイ」というスローなものに加え、意外にも軽くスイングした「アズ・ロング・アズ・アイ・リヴ」、「ザ・ベスト・シング・フォー・ユー」も心地よい出来です。また、僕はボブ・ラッセル作詞、デューク・エリントン作曲の「アイ・ディドゥント・ノウ・アバウト・ユー」が好きで、ここでも寂しげに「yesterday,everyday」と歌われるくだりではぐっときました。

【ぶらあぼ】

クラシック音楽情報誌で、重宝しています。

 Classicbravo201007


ソニー・クリス GO MAN!

2010-07-04 18:33:50 | アルト・サックス

しばらく前に、佐久市(長野県)に車で出張しましたが、途中で立ち寄ったお店のシュークリームが美味しくて、忘れられないので記しておきます。お店は「ちゃたまや」といって、(有)ブラウン・エッグ・ファーム直営の小売店です。農場で生産された卵を使ったクッキーやカステラなど品揃えも豊富で、全国から注文がきます。夏は外へ出る気にあまりなりませんが、こういう出張ならいつでもOKです(笑)。「Summertime(サマータイム)」の入っているインストものを聴きました。

SONNY CRISS (ソニー・クリス)
GO MAN! (Imperial 1956年録音)

 Go_man_sonny_criss

「Summertime(「Summer Time」ではないです。)」は、ガーシュインのオペラ「ボーギーとべス」中の曲で、赤ちゃんを抱きながら歌われたりする子守唄ですが、素材扱いのインストだと元気がよくなり、元が子守唄だとわからないヴァージョンも多くみられます。ソニー・クリス(アルト・サックス)のここでの演奏もその一つです。

クリス(as)は、1970年代まで変わらぬプレイを続けました。情熱がほとばしるままといった強力なプレイをしますが、アップテンポの曲が続くと、時として一本調子でうるさく感じることもあります。スローなものが適度に配列され落ち着きがあればよいのですが。

メンバーは、ソニー・クリス(as)、ソニー・クラーク(p)、ルロイ・ヴィネガー(b)、ローレンス・マラブル(ds)。クリス自作の2曲を除いて、「サマータイム」、「ザ・マン・アイ・ラブ」(以上はG・ガーシュイン作)、「メモリーズ・オブ・ユー」、「ハウ・ディープ・イズ・ジ・オーシャン?」、「カム・レイン・オア・カム・シャイン」など他の10曲は有名曲。

冒頭の「サマータイム」が最も印象に残ります。ピアノによる端正なイントロから熱を帯びたアルト・サックスがテーマを歌いあげ、情熱的なアドリブに突入します。続くソニー・クラークのシングル・トーンによるソロは、後年のブルーノート録音を思い起こさせます。バラードの「メモリーズ・オブ・ユー」は、クリスの吹くテーマがメロディーを際立たせて美しく、クラークの華麗な伴奏、ソロにも耳を奪われます。

【ちゃたまや】

  長野県佐久市桑山102-1  電話0267(51)5810
  ちゃたまやホームページ
 
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