安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

スコット・ハミルトン キャロル・スローン CONCORD ALL-STARS ON CAPE COD

2012-01-29 18:08:33 | テナー・サックス

先週、中野市(長野県の北部)に出張してきました。寒波到来で、前夜から大雪が降り続き道路は凍結し、ノロノロ運転なので、移動に時間がかかりました。それでも、なんとか仕事は無事終了。帰りに、上信越道信州中野インターの近くにあるJA中野市農産物産館オランチェで買い物をした際に、きのこ汁(無料)をいただきました。体が暖かくなり、嬉しいもてなしでした。暖かそうなジャケットのCD。

SCOTT HAMILTON (スコット・ハミルトン)
CONCORD ALL-STARS ON CAPE COD (Concord 1992年録音)

 Concordallstarsoncapecodhamiltonslo

スコット・ハミルトン(ts)が日本に紹介されたのは、1970年代の半ばごろだったと記憶していますが、フュージョンなどが流行っている中、ベン・ウェブスターやズート・シムズに通じるプレイは歓迎されました。その頃懇意にしていただいていた先輩のジャズファンも、コンコード・レーベルから出る彼の新作を次々と買っていました。

コンコード・オールスターズ名義ですが、実質は、スコット・ハミルトンのアルバムです。メンバーは、ハミルトン(ts)、デイブ・マッケナ(p)、グレイ・サージェント(g)、マーシャル・ウッド(b)、チャック・リグス(ds)に、ゲストとしてキャロル・スローン(vo)が加わります。ケープ・コッド・プラザ・ホテルにおけるライブ録音。

曲は、スタンダードで、「The Man I Love」(私の彼氏)、「This is Always」、「Recado Bossa Nova」、「It Never Entered My Mind」、「Cherokee」、「All My Tomorrows」のインスト6曲に、キャロル・スローン(vo)が加わる「Bewitched」(魅惑されて)、「As Long as I Live」、「Time After Time」のヴォーカル3曲。

スイング系の肩の凝らない、親しみやすい演奏にほっとします。「Recado Bossa Nova」や「Cherokee」では、ハミルトン(ts)が豪快に吹き、「It Never Entered My Mind」では、サージェント(g)が繊細で品の良いところを聴かせます。キャロル・スローンは、「As Long as I Live」をはじめ余裕の感じられる歌いぶりですが、彼女の参加によりヴォーカルファンにもアピールするアルバムになりました。

【中野市から望む高社山】

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     リンゴ畑から、高社山(標高1351.5m)を撮りました。

【JA中野市農産物産館オランチェ】

  Oranche20120126

農産物直売所で、近くの農業を営んでいる530人ほどが農産物を持ち込みます。かなりお値打ちです。
住所:中野市草間1543-5 電話:0269-23-5595 


フィリス・マーシャル THAT GIRL

2012-01-25 21:24:40 | ヴォーカル(E~K)

長野県の真ん中あたり、松本市や安曇野市界隈の最近の話題の一つは、サッカーチームの松本山雅が、JFLからJ2に昇格したことです。久しぶりに会った地元のマスコミに勤務している友人によると、昇格による経済効果は大きく、直接には観客動員数(現在1試合7千400人)の増、関連でも広告収入やグッズの販売、観戦ツァーの募集販売、試合の放映・中継などが期待できるようです。僕も今年は試合を見に行きます。期待に違わなかったアルバム。

PHYLLIS MARSHALL (フィリス・マーシャル)
THAT GIRL (Canada COLUMBIA 1964年録音)

 Thatgirlphyllismarshall

フィリス・マーシャル(vo)について、西川進さんが、季刊ジャズ批評78号「女性シンガー大百科Vol.2」(1993年7月発行)で、「一曲一曲をしっかりと歌う本格派」と書いていました。それを読んで以来、いつか聴いてみたいと考えていたのですが、昨年レコードを入手することができました。値段は高くなかったので、かなりプレスされたものかもしれません。

フィリス・マーシャル(1921年~96年)は、カナダの歌手、女優で、15歳の時に、ラジオ番組で歌手としてデビューし、クラブやラジオ、テレビで活躍。アメリカ(1947~48にキャブ・キャロウェイ楽団でUSAツァー)やイギリス(1959年、1964年)でも歌っています。1956年からは女優として、ドラマなどに出演し、カナダの最初期のテレビ・スターの一人となりました。

伴奏は、バック・クレイトン(tp)、バディ・テイト(ts)、ノーマン・アマデオ(p)、ジョージ・タッカー(b)、ジャッキー・ウィリアムス(ds)。曲は、「I Ain't Got The Man I Thought I Had」、「Trust In Me」、「How Deep is The Ocean」、「That Old Black Magic」、「Romance In The Dark」、「Bei Mir Bist Du Schon」(素敵なあなた)、「Don't Warry 'bout Me」、「I'm Gonna Put You In Your Place」、「Happiness is A Thing Called Joe」、「Day In Day Out」、「Solitude-By Myself」、「I Cried For You」の12曲。

フィリス・マーシャルは、声がよく出て、フレーズをしっかりと歌っています。ジョージ・タッカーのベースに乗り快適にスイングする「I Ain't Got The Man I Thought I Had」、「Day In Day Out」が快調。ブルース風の「Bei Mir Bist Du Schon」はスローテンポで異色ですが悪くなく、優しげな「Solitude-By Myself」(By Myself、In My Solitudeのメドレー)も印象に残ります。「I Cried For You」では、バディ・テイト、バック・クレイトンのソロも見事で、素晴らしいヴォーカル入りスイングセッションが味わえます。


ケニー・ドリュー HOME IS WHERE THE SOUL IS

2012-01-22 09:36:42 | ピアノ

先日、ジャズ喫茶のM-Gate(長野県北安曇郡松川村)に行ってきました。開店してから、1年半ほどになりますが、僕の訪問は1年ぶりくらいです。久しぶりに聴く、スピーカーのDD66000から出てくる音は、ナチュラルさはそのままに、硬さがとれて随分と聴きやすくなっていました。いわゆるエージングでしょうか、たいへん良くなっていて感心しました。今度は、聴き慣れたレコードを持参して聴かせてもらおうかと思いながら、お店を後にしました。聴いたのとは別のケニー・ドリューのアルバムです。

KENNY DREW (ケニー・ドリュー)
HOME IS WHERE THE SOUL IS (XANADU 1978年録音)

 Homeiswherethesoulis

M-Gateのシステムでは、特にベースやサックスの木質系の音の伸び、質感の良さが感じ取れました。かかっていたLPは、ケニー・ドリューの「ザ・ララバイ」(Baystate原盤 1982年録音)でしたが、ニールス・ペデルセン(b)の音が、芯があって、しかも伸びており、音質自体も素晴らしい奏者だと認識することができました。

「Home Is Where The Soul Is」は、1964年以来デンマークのコペンハーゲンに住んでいたドリューが、アメリカに一時帰国した際に録音されたものです。ピアノ・トリオものは、リバーサイドレーベルに録音したものが良く知られていますが、これも負けず劣らずの作品です。

メンバーは、ケニー・ドリュー(p)、ルロイ・ヴィネガー(b)、フランク・バトラー(ds)。曲は、アダレイ作「Work Song」(ワーク・ソング)、エリントンの「Prelude To A Kiss」、J・V・ヒューゼンの「It Could Happen To You」、ドリュー自作の3曲「Only You」、「Three And Four Blues」、「Ending」に、Wells作曲の「West Of Eden」。Wellsという人は、全くわかりませんでした。3曲もドリューの自作が入っていて、彼の意気込みが伝わってきます。

「Work Song」は、途中から足で自然とリズムをとりたくなる演奏で、ハードバップ・ドリューの真骨頂が出ています。右手中心に、時々低音でアクセントをつけて、ダイナミックにスイングしています。それは、「It Could Happne To You」でも同じで、ソロではかなり早いテンポになることもあって興奮ものです。「West Of The Eden」は、哀愁を帯びたテーマがボサノヴァで奏でられ、アドリブは4ビートで演じられてグルービー、自作では、バラードの「Ending」がしみじみとしています。 

【再訪したM-Gate】
   住所:長野県北安曇郡松川村、役場とすずの音ホールの近くです。
   電話:0261-62-2384
   営業:10:00~20:00 (火、水曜日定休)。

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    お店の前の道から北アルプス方面を撮ってみました。


ピーター・バーンスタイン LIVE AT SMALLS

2012-01-15 21:29:15 | ギター

最近、分冊形式の雑誌が、各種発行されています。その先鞭をつけたデアゴスティーニ社から発行されている隔週刊DVDオペラ・コレクションも63巻を数えています。僕は、目に付いたものを買っていますが、先日も、長野駅前の書店で、第62巻のフランツ・レハール「メリー・ウィドウ」(フランツ・ウェルザー・メスト指揮、チューリッヒ歌劇場)を衝動買いしてしまいました。この喜歌劇は、実演を観たことがありますが、買ったDVDも結構楽しめました。ジャズの方もライブ盤です。

PETER BERNSTEIN (ピーター・バーンスタイン)
LIVE AT SMALLS (Smallslive 2008年録音)

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僕は、1950年代~60年代のものを中心に聴いていることもあり、新しい録音をとりあげることは少ないですが、今夜はオーソドックスなギタープレイを聴かせてくれる、2008年録音のピーター・バーンスタイン(ギター)のライブ盤をとりあげてみました。彼は1967年生まれなので、既に中堅といってよく、クリス・クロス・レーベルなどに作品を残しています。

録音されたSMALLSですが、お店のホームページを見ると、ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジにあるジャズ・クラブで、毎日3グループくらいが出演しています。2012年1月も、P・バーンスタイン、ケン・ぺプロスキー、ウラディミール・シャフラノフらが出演し、深夜はジャムセッションを行っているようです。かなうかどうかは別として、いつか行ってみたいクラブです。

メンバーは、ベテランが入り、ピーター・バーンスタイン(g)、リチャード・ワイアンズ(p)、John Webber(b)、ジミー・コブ(ds)。曲は、バーンスタイン自作の「Vida Blue」と「Sideburns」、スタンダードで「Stairway to The Stars」、「Delilah」、「Love Walked In」、マイルス・デイビスの「Four」、そして、Allen作「Say, Little Mama, Say」の7曲。「Say, Little Mama, Say」を作曲したAllenが誰かわかりません。スティーヴ・アレンではないと思いますが、わかる方いたら教えてください。

バーンスタイン(g)のプレイは、グラント・グリーンやコードワークではウェスを髣髴とさせるところがあります。ブルージーでご機嫌な「Say, Little Mama, Say」や、白熱したバーンスタインのソロが印象的な「Delilah」、ワイアンズ(p)やコブ(ds)を含めて熱い演奏が続く「Four」など、それぞれ、聴きどころが多いアルバム。聴衆の拍手や掛け声も暖かく、しばしニューヨークの夜にタイムスリップしました。

【SMALLSのホームページ】

こちらをご覧ください。  SMALLS JAZZ CLUB

【DVDオペラコレクション「メリ・ウィドウ」(デアゴスティーニ社刊)】

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ジョニー・ソマーズ POSITIVELY THE MOST

2012-01-11 21:01:23 | ヴォーカル(E~K)

昨年12月22日に松本駅近くに丸善書店がオープンしたので、この前の3連休に寄ってみました。面積が1050坪、蔵書数が100万冊の大型書店なので、3つのフロアを回るのに時間がかかりました。新書や文庫の品揃えも豊富ですが、各分野の専門書が充実しています。人口20万人規模の地方都市によくぞ開店してくれたものです。僕にとってはワンダーランドなので、折に触れて本を買いに出かけるつもりです。そんな嬉しい気分で松本の街を歩きました。明るいアルバム。

JOANIE SOMMERS (ジョニー・ソマーズ)
POSITIVELY THE MOST (Warner Bros. 1959年録音)

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ジョニー・ソマーズ(vo)がワーナー・ブラザースに録音したシングル盤の曲を全て収録した2枚組のCDが2011年11月に発売されて、入手困難であった曲が聴けるようになりました。画期的なことなので、それを取り上げようかとも考えましたが、ジャズ寄りの編曲、歌のものにしてみました。これは彼女のファーストアルバムで、「Softly, The Brazilian Sound」と並んで代表作といえるものです。

素晴らしい編曲と伴奏も話題になります。マーティー・ぺイチとトミー・オリヴァーがそれぞれ6曲ずつ編曲をしています。両者ともにビッグバンドを用いた伴奏ですが、ことにぺイチのものは、あたかも上質のクッションの上で跳ねているような軽快でスインギーな仕上がりです。バンドには、西海岸のミュージシャンが起用されているようですが、ぺイチの方には、アート・ペッパー(as)が参加しています。

スタンダード集で、「My Heart Belongs To Daddy」(私の心はパパのもの)、「Something I Dreamed Last Night」、「It Might As Well Be Spring」(春の如く)、「Heart And Soul」、「I Likes The Likes of You」、「What's New」、「So In Love」、「Oh But I Do」、「That Old Devil Moon」、「Too Young For The Blues」、エリントン作の「I'm Beginning To See The Light」と「Squeeze Me」の12曲。「Too Young For The Blues」は、やや珍しいかもしれませんが、サビの部分などよい曲想です。

アップテンポの曲では、ソマーズは甘さを含んだ張りのある声で華やかに歌っています。コール・ポーター作の「My Heart Belongs To Daddy」と「So In Love」では、リズムに快適に乗っていますが、この2曲では、アート・ペッパー(as)のきらびやかなソロも入ります。特に「So In Love」は、スムーズな歌唱で忘れられないヴァージョン。「Too Young For The Blues」も快唱。バラード系では、「Something I Dreamed Last Night」や「Squeeze Me」など、可憐さも出ています。

【Joanie Sommers THE COMPLETE WARNER BROS. SINGLES】

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ホームページのジョニー・ソマーズ(vo)に、上記CDを追加した他、必要な個所に加筆訂正を加えました。時間があればご覧ください。モダンジャズやヴォーカルを聴こう ジョニー・ソマーズ

【丸善書店と松本の風景】

  丸善で本を買ってから、街の中を歩いてみました。小路が面白いです。

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   MARUZEN松本の入り口  
      住所:長野県松本市深志1丁目3-11コングロM B1・1・2F

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   高砂通りから続く小路に面した細田書店。これからも 是非
    頑張ってもらいたいところです。住所:松本市中央3-1-12    

  Genchinoido201201

   源池の井戸。松本市内は湧水が多く見られ、ここは代表的な
        井戸です。細田書店と同じ通りです。住所:松本市中央3-7

  Mikawayamatumoto201201

   三河屋。馬肉料理の老舗ですが、牛肉も扱っています。
    源池の井戸の続きにあります。住所:松本市中央3-8-14