安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ナビル・シュハタ指揮 群馬交響楽団演奏会(11月25日 群馬県高崎市)

2017-11-30 20:05:32 | 演奏会・ライブ

11月25日(土)に群馬交響楽団の第533回定期演奏会を聴きに群馬音楽センター(高崎市)へ行ってきました。今回は、ブラームスの交響曲第4番がお目当てですが、ニーノ・ロータのコントラバスのための曲もあって、興味を惹かれるプログラムです。 

   

(出 演)

指 揮・コントラバス:ナビル・シュハタ 
管弦楽:群馬交響楽団

(曲 目)

ロッシーニ/ 歌劇《ウィリアム・テル》序曲 
ニーノ・ロータ/ コントラバスと管弦楽のディベルティメント 
ブラームス/ 交響曲 第4番 ホ短調 作品98
ナビル・シュハタのアンコール曲:ハンス・フリーバ / 《無伴奏コントラバス組曲》からジーグ

(感 想)

ニーノ・ロータ作「コントラバスと管弦楽のディベルティメント」における、ナビル・シュハタのコントラバスの妙技に見入ってしまいました。弾き振りでしたが、ベルリン・フィルの首席コントラバス奏者だっただけに、弓で弾く際の音色や多彩な奏法などに迫力と伸びやかさがありました。ニーノ・ロータの曲も第3楽章こそ映画音楽的ですが、あとは超絶技巧による演奏が続く、スリリングなものでした。

ロッシーニのウィリアム・テル序曲については、最初にチェロによる五重奏が演奏されますが、この部分が非常によい出来で、ファンファーレのあとの、ロッシーニ・クレッシェンドも軽快で、気分爽快な曲になっていました。シュハタの指揮も伸び伸びとしていたのではないでしょうか。

後半はブラームスの第4番ですが、しり上がりによくなっていき、第3楽章や第4楽章は見事でしたが、第1楽章は、いささかぎこちなさがあったようで、冒頭のため息の旋律(主題)など、もっと歌ってほしいように感じました。もっとも、全体としては、たいへん楽しめる素晴らしい音楽会でした。

ナビル・シュハタのプロフィール(プログラムから)


ブレイン・ウィテカー HARD BAP CAFE

2017-11-29 20:06:34 | アルト・サックス

11月25日(土)に高崎市に行った際に、前橋市までドライブし、前から気になっていた「宮の森珈琲」で昼食を摂りました。札幌の「宮の森珈琲」には入ったことがあり、その支店かもしれないと思い尋ねてみましたが、オーナーが札幌出身で、たまたま同じ店名になっただけで関係はないそうです。それでも札幌をイメージさせるものが置いてある面白いお店でした。タイトルに「カフェ」が入るアルバム。

BLAINE WHITTAKER (ブレイン・ウィテカー)
HARD BAP CAFE (自主制作 1997年録音)

   

ブレイン・ウィテカーは、オーストラリアのミュージシャンですが、ほとんど知られていないだろうと思います。たまたま立ち寄った、御茶ノ水のディスク・ユニオンJAZZ TOKYOでみかけ、タイトルと「Workout」などの曲目に惹かれて購入したものです。「ハード・バップ・カフェ」のタイトルどおりの演奏が収録されています。

メンバーは、Blaine Whittaker(as,ss,bs,ts)、James Morrison(tp,tb、2曲のみ)、Bobby Gebert(organ、2曲のみ)、Peter Zog(g)、John Harkins(p)、Jonathan Zwarts (b)、Andrew Dickerson(ds)。ウィテカーは、マルチリード奏者といっていいかと思いますが、どの楽器も見事に操っています。多分、 最も有名なのは、James Morrison(ジェイムス・モリソン)ですが、トランペットでハイノートを吹き、力強いプレイをやっています。

曲は、ウィテカーの作曲した「The Messenger」、「Lament For Rolfe」、「Funk Thang」、「Uncle Sid」、「Healer In The House」、ハンク・モブレー作「Workout」、あとはスタンダードで「I'm Old Fashioned」、「Cherokee」、「How Deep Is The Ocean」(愛は海よりも)の9曲。ウィテカーのオリジナルの「The Messenger」はシャッフルビートで、アート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャーのプレイを想起させるものです。

1曲目の「The Messenger」と2曲目の「Workout」が痛快な演奏で、この2曲だけで買ってよかったアルバム。「The Messenger」における、ジェームス・モリソン(tp)のバリバリのトランペットプレイは特筆ものですし、「Workout」ではギターのPeter Zogが活躍し、間に入るユニゾンが、ウェス・モンゴメリーのアルバム「Full House」収録の「S.O.S」を連想させるなど編曲も面白く興奮させられました。ブレイン・ウティカー(as,ss,ts,bs)は「Cherokee」におけるスピード感溢れるソロや「How Deep Is The Ocean」における丁寧なバラードプレイがよかった。

【前橋市 宮の森珈琲】

交差点の脇にあります。

入口。『札幌 宮の森珈琲』と表記されていて、前橋と札幌は離れているものの誤解する人がいるかもしれません。

店内は広いです。

真ん中に飾ってある置物は、札幌の時計台の模型だろうと思います。

いろいろ乗っているランチプレートにしました。野菜サラダがメインで、女性向けかもしれません。

珈琲。器が凝っていて、味の方もなかなかよいものでした。

【前橋 宮の森珈琲】

住所:群馬県前橋市古市町1丁目1−8
電話:027-288-0178
ホームページ:前橋 宮の森珈琲


山田敏昭(p)ライブ (11月23日 東京都文京区 HAKUSAN LABO)

2017-11-28 20:06:54 | 演奏会・ライブ

札幌で活躍するピアニスト、山田敏昭さんがCDを発売し、そのPRを兼ねたライブが東京で開かれたので行ってきました。3回の公演があったのですが、日程の都合で、初日の23日の演奏を聴きました。チラシには25名様限定とありましたが、立ち見も含め会場は超満員でした。

   

(メンバー)

山田敏昭(p)
金子 健(b)
伊藤宏樹(ds)

ゲストとして
沢田一範(as)
金子 れえ(as)(漢字はわかりませんが、金子健さんの息子さんで、高校生です。)

   

(曲 目)

第1セット

F. S. R. (レイ・ブラウン)
Say You're Mine (デューク・ピアソン)
Afternoon in Paris (ジョン・ルイス)
They Say It's Wonderful (アーヴィング・バーリン)
Cool Walk (オスカー・ピーターソン)

第2セット

Like Someone In Love (ジミー・ヴァン・ヒューゼン) 【恋の気分で】
All God's Chillun Got Rhythm (ウォルター・ジャーマンとブロニスロー・ケイパー) 【神の子は皆踊る】
Prelude to a Kiss (デューク・エリントン)
Blues Everywhere (シャーリー・スコット)
Nica's Dream (ホレス・シルバー)

(アンコール)
There Will Never Be Another You (ハリー・ウォーレン) 【あなた無しでは】

(感 想)

曲目を見てもわかるように、ハードバップ全開の演奏で、アルトサックスの二人が加わった曲もあり、迫力のあるステージが展開されました。ベースの金子さんは、レギュラーではありませんが、札幌で共演もされたことがあるようで、たいへん息があっていました。

新発売のCDにも入っている「Say You're Mine」は、ペーソスを湛えた山田の演奏がよく、「Blues Everywhere」はノリノリの曲で、こういうブルージーな曲でも彼の本領が発揮されていました。「Nica's Dream」は、白熱した演奏で、金子、伊藤のリズム陣もたっぷりソロを聴かせてくれました。

澤田一範(as)さんが加わった「They Say It's Wonderful」は、アルト、ピアノともよくスイングしていて、引き締まった管入りの演奏を堪能しました。金子れえ(as)さんも加わった、「There Will Never be Another You」で、お開きになりましたが、彼は既に立派な演奏を行っていて将来が楽しみです。

持って行ったCDに山田さんと伊藤さんのサインもいただき、大満足のライブでした。

【新発売の山田敏昭のCD】

山田敏昭 (Toshiaki Yamada)
NOW'S THE TIME (slowboat 2017年録音) 

   

ディスクユニオンで入手できます。


光城山ハイキング (標高911.7m 長野県安曇野市)

2017-11-27 20:15:25 | 登山・ハイキング

11月26日(日)は安曇野市にいましたが、朝起きたら、北アルプス方面がまずまず見えたので、光城山へ散策に行ってきました。今年は、冬がくるのが早く、雪が今の時期にしては多い気がします。運動靴に、お茶とおやつ、携帯電話、デジカメを持って、暖かい普段着で行きましたが、頂上は冷たい風が吹き冬を感じさせました。おやつや撮影タイムを入れても約1時間30分でしたが、楽しい里山歩きでした。

【散策編】

朝の7時30分くらいです。

道は歩きやすく、運動靴で大丈夫です。

赤松林のへんですが、落ち葉が落ちています。

この階段を上れば広場があって、ほぼ平らになります。

頂上

北回りコースを歩き、周回で帰ろうとしてそちらに向かいます。

しかし、この看板で登ってきたルートに戻りました。

たくさんの人に行き会いました。

帰りのルートを途中でかえて、桜池の横を通ってみました。

結構たくさんの車が停まっていて、タクシーでみえた方もみかけました。

【光城山頂上あたりからの北アルプス方面の眺望】

常念岳から有明山まで。

常念岳から南(左側)の方面。蝶が岳など。

 

常念岳。

有明山のアップ。燕岳も見えています。

後立山連峰。

爺が岳

鹿島槍ヶ岳

五龍岳

右端に爺が岳

右に蓮華岳、左に針ノ木岳

実は、シースルーの表示板が山頂近くに整備されていて、山の名前がわかる仕掛けになっています。たいへん親しまれている山だからこそですが、ありがたいです。


ニールス・ぺデルセン FRIENDS FOREVER

2017-11-26 11:24:18 | ベース・ドラムス

長野市の回りの山には雪が積もり始め、低い山に行っても既に花を見ることができません。その代わりの意味も含めて、自宅の庭に丈夫そうなパンジーを植えてみました。久しぶりに植えたものですが、結構きれいに咲いてきて目を楽しませてくれます。高山植物の花が好きなのですが、園芸種も、特にこういう季節にはありがたいものです。きれいなピアノとベースを。 

NIELS.H.O.PEDERSEN (ニールス・ぺデルセン)
FRIENDS FOREVER (Video Arts 1995年録音)

   

副題に「in memory of Kenny Drew」とあり、ピアニストのケニー・ドリューへの追悼作品です。ぺデルセン(b)は、1964年のドリュー(p)との初共演以来、1993年8月に彼が亡くなるまで共演を続けた仲です。本作は、ドリューとも親交の厚かった木全信さんのプロデュースによりコペンハーゲンで録音されたものです。

メンバーは、ニールス・ぺデルセン(b)、リニー・ロスネス(p)、イオナス・ヨハンセン(ds)。ぺデルセンの意向によるロスネスの起用については、彼女の近年のアルバムを聴くと、モーダルで激しい演奏が多いので意外だったのですが、美しい音色と押さえた表現によって、追悼作品に相応しいプレイを行っていて、成功しています。

曲目は、ドリューが生前よく演奏していたものが中心です。スタンダードが「Hush a Bye」(ハッシャバイ)、「Someday My Prince Will Come」(いつか王子様が)、「Elvira Madigan」(モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番から『みじかくも美しく燃え』)、「Lullaby of The Leaves」(木の葉の子守歌)、「The Shadow of Your Smile」(いそしぎ)、「Sometime Ago」、「Days of Wine and Roses」(酒とバラの日々)、それに、ぺデルセン作の「Kenny」と「Future Child~Frineds Forever」。

ドリューへの追悼の想いが伝わってくるアルバムで、抒情が溢れています。ロスネス(p)の好演ぶりが目立ち、アップテンポの「Lullaby of The Leaves」では切れがよく、バラード「Kenny」や「The Shadow of your Smile」では、じっくりとメロディに沿って演奏するなど幅の広さが伺えます。ぺデルセンがこの録音のために書き下ろした「Kenny」は、親愛と鎮魂の気持ちを込めた曲だと思われ、宗教曲のような荘厳さを感じます。ぺデルセン(b)は、「Hush A Bye」や「Future Child~Friends Forever」などでも風格の感じられるソロをとっています。

【長野市自宅の小さな庭】

道路から撮影。

小さな庭ですが、いくつか花木を植えてあります。

花壇をまあ適当に二か所作ってあります。色彩があると華やぎます。

もう一つの花壇スペース。