昨日の土曜日は、飯田市に用事があったので行ってきました。長野県内でも南の方ですが、吹く風は冷たくて、8分ほど咲いた桜も寒そうでした。赤みを帯びていて、土地の人に聞いたら「ヒガン桜」だそうです。桜並木は、春はすぐそこという景色でした。まだ3月ですが、「Apirl in Paris(4月のパリ)」が入っているアルバムを聴きました。
BENNY GOLSON (ベニー・ゴルソン)
GETTIN' WITH IT (NEW JAZZ 1959年録音)
「April in Paris」は、E・Y・ハーバーグ作詞、ヴァーノン・デューク作曲の名曲です。絶妙なヴァースがついていて、「パリでは春が通りで踊っているかのようだ」と書かれています。繰り返し出てくる同音の3連譜が印象的です。歌はもちろん、器楽でも取り上げられることも多く、今日はベニー・ゴルソンで聴いています。
赤い桜を見たから、紅い(ベニー)・ゴルソンにしたわけでもありませんが、語呂合わせをしてみました。彼は、「I Remember Clifford」、「Whisper Not」などを作曲し、また編曲もよくする素晴らしい音楽家です。しかし、テナーサックス奏者としては、アップテンポのソロが押しつけがましくて、僕とはいま一つ相性がよくありません。けれども最近はそれにも慣れてきました。
メンバーですが、ゴルソン(ts)、カーティス・フラー(tb)、トミー・フラナガン(p)、ダグ・ワトキンス(b)、アート・テイラー(ds)というハードバップ好きには堪えられないものです。曲目は、「Baubles,Bangles and Beads」、「April in Paris」、「Blue Streak」、「Tippin' On Thru」、「Bob Hurd's Blues」の5曲。スタンダード2曲に、ゴルソンのオリジナルが3曲です。
「April in Paris」ではゴルソンが優しくメロディを吹いていて思わず笑みがこぼれました。アドリブに入ってもその調子を維持しているので、ほんわかとした気分でいられます。テイラーのブラッシュワークもいい塩梅です。アップテンポの「Blue Streak」ではフラー、フラナガンの熱演もきけるなど、全体にまとまった作品です。