安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ペギー・リー BEAUTY AND THE BEAT

2009-11-29 21:07:29 | ヴォーカル(L~R)

先週の金曜日、長野駅前の居酒屋で仕事の打ち上げをやりました。終了後、駅に向かってぶらぶら歩いていくと、長野駅に隣接する商業ビル「MIDORI」に設置されたイルミネイションが目に入ってきました。きらきらとして綺麗だったので、写真に撮ってみました。ジャケットも内容も輝いている作品を聴いてみます。

PEGGY LEE (ペギー・リー)
BEAUTY AND THE BEAT (Capitol 1959年録音)

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ペギー・リーとジョージ・シアリング・クインテットの組み合わせですが、彼女の歌声とヴァイブ、ギター入りのシアリング・サウンドがマッチして優雅に感じられる作品。1959年、フロリダのマイアミで開催された第2回ディスク・ジョッキー・コンベンションにおけるライブ録音とされ、キャピトル・レコードはその集まりにふさわしいアーティストを出演させたわけです。

ところが、CD発売の際2曲のスタジオ録音らしいトラックが追加されたので、ライブ録音なのかどうか不思議だと青木啓さんが解説に書いています。真相は、ライブは実際に行われたけれど、ライブ録音は行われずスタジオ録音により収録され、拍手は後でオーバーダビングされたようです。

コール・ポーターの「Do I Love You」で始まり、少しブルージーな「I Lost My Sugar in Salt Lake City」、「All Too Soon」、「You Came A Long Way From St.Louis」、そして再びポーターの「Always True To You In My Heart」が登場するなどペギーの快唱が続きます。

さらにCDで追加された2曲「Don't Ever Leave Me」と「Nobody's Heart」が頗るよい出来。前者はピアノだけの伴奏でかんで含めるように歌われ、シアリングの伴奏も美しい。後者はクインテットによる控えめな伴奏で、寂しさがにじみ出てくるような歌唱です。このバラード2曲のためにCDも購入しましたが、それだけの価値はありました。

ホームページにホレス・パーラン(ピアノ)を掲載しました。時間があればご覧ください。モダンジャズやヴォーカルを聴こう ホレス・パーラン

長野駅横のテナントビル「みどり」入り口に設置されたイルミネイション

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スタン・ゲッツ=ケニー・バロン PEOPLE TIME

2009-11-23 20:48:09 | テナー・サックス

伊那市に用事があり行ってきました。伊那市は、長野県の南部にあり南アルプスと中央アルプスに囲まれた人口約7万人の市です。老舗のジャズ喫茶「アップル・コア」が閉店してからジャズ関連の店はないと思っていたら、「Jazz Cafe BASE」というところがあり寄ってみました。スピーカーは30年前くらいの木の格子のアルテックを使っていて雰囲気のあるいい音を出していました。かかっていたのは、スタン・ゲッツの「People Time」です。

STAN GETZ (スタン・ゲッツ) KENNY BARRON (ケニー・バロン)
PEOPLE TIME (EmArcy 1991年録音)

 Peopletimestangetzkennybarron

土曜日の午後7時くらいにBASEに入ったのですが、マスターとお客さん1人がいただけで、そのままジャズ談議になりました。そのお客さんはサックスをプレイするとのことで、スタン・ゲッツやマイケル・ブレッカーの話になりました。午後6時と遅い開店で、ジャズ・バーという趣もありますが、大きめの音でジャズを流しています。ライブも行っており、伊那近辺にいったらここに寄ることにします。

このアルバムは、スタンゲッツ(ts)とケニー・バロン(p)がコペンハーゲンのカフェ・モンマルトルでライブ録音したもの。スタン・ゲッツが亡くなる3か月前のもので、彼の最終作品です。

スタンダードとよく知られたジャズ・オリジナルがCD2枚に14曲収録されています。体調は万全でなかったはずですが、ゲッツはクール気味なトーンで力強くメロディアスに吹き、バロンはストライド奏法も交じえながらサポートに当たり、端正なソロもとっています。

この作品では、遅いテンポのものにより魅力を感じます。「East of The Sun」、C・ヘイデン作「First Song」やB・カーター作「People Time」は絶品といっていいかもしれません。やや早いものでは「Night And Day」が二人ともスリリング、「Hush-A-Bye」では、ゲッツが初めからフェイクしていますが、流麗な音のつながりは彼ならでは。

 伊那市「Jazz-Cafe BASE」

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ホームページに伊那市に一泊を掲載しました。時間があればご覧ください。モダンジャズやヴォーカルを聴こう 伊那市に一泊


リー・モーガン CHARISMA

2009-11-16 23:50:20 | トランペット・トロンボーン

一月ほど前にようやくETC装置を購入しました。普通の道を走ることが多かったのですが、最近遠くに出かけることが増えているので、18,000円を投資しました。これで週末は高速道料金はどこまでいっても片道1000円ですが、来年3月までに回収できるかどうか。さっそく、用事があった諏訪まで出かけて、ついでに諏訪湖畔を散策してきました。車内のBGMは、リー・モーガンのアルバムです。

LEE MORGAN (リー・モーガン)
CHARISMA (Blue Note 1966年
録音)

 Charisma  

1964年の「The Sidewinder」のヒット以降、ジャズロック路線の曲がアルバムに収録されるようになりました。65年録音の「The Rumproller中のEclipso」や「The Gigolo中のThe Gigolo」などです。66年録音の本作品中にも「Hey Chico」という同路線の曲が入っています。

ドライブのお供に本アルバムを聴いてましたが、リズミカルな曲の演奏に、スピードも上がり気味でした。ジャズロック系の曲は、リズムが楽しい半面、時としてアドリブがいま一つだと感じられることがありますが、車の中には適しています。モーガンの音圧が感じられる輝かしい音は、リズミカルな演奏にもぴったりです。

メンバーはモーガン(tp)、ジャッキー・マクリーン(as)、ハンク・モブレー(ts)、シダー・ウォルトン(p)、ポール・チェンバース(b)、ビリー・ヒギンズ(ds)で、サックスの二人が目を引きます。曲目中、モーガン作「Hey Chico」とデューク・ピアソン作の有名曲「Sweet Honey Bee」がラテン・タッチの入ったいわゆるジャズ・ロック系。

「Somethin' Cute」、「The Murphy Man」、「The Double Up」はモーガン作のハード・バップ系、ウォルトン作「Rainy Night」はバラードで全6曲。キャッチャーながら「Hey Chico」と「Sweet Honey Bee」が、モーガンのソロに加え、マクリーン、モブレイのブルージーなトーンによるソロもよいと思いました。全体に、C・ウォルトンのピアノが爽やかさを加えています。

ホームページにジャニス・ハーパー(ヴォーカル)を掲載しました。時間があればご覧ください。モダンジャズやヴォーカルを聴こう ジャニス・ハーパー

諏訪湖の岸辺から

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ミシェル・ルグラン AT SHELLY'S MANNE-HOLE

2009-11-11 21:15:16 | ピアノ

TUTAYAのミュージカルの棚に「シェルブールの雨傘」がリマスター版DVDで入荷していたので、借りてきました。これは女優カトリーヌ・ドヌーヴの出世作ですが、もう一方の主役は、作曲のミシェル・ルグランです。彼の書いた華麗なメロディに乗せてフランス語の台詞のやりとりがされます。筋立ても面白いし、無意味なダンスがないのも好感がもて名作だと思います。今夜はミシェル・ルグランのピアノを聴いてみます。

MICHEL LEGRAND (ミシェル・ルグラン)
AT SHELLY'S MANNE-HOLE (Verve 1968年録音)

 Atshellysmannehole   

ルグランはパリ生まれで、パリ音楽院卒業の経歴を持つ作曲家で主に映画音楽を書いてきましたが、1958年の「ルグラン・ジャズ」などジャズ作品も残しています。代表的な作品に、「シェルブールの雨傘(1964)」、「ロシュフォールの恋人たち(1967)」、「華麗なる賭け(1968)」、「ビリーホリデイ物語(1972)」、「愛と哀しみのボレロ(1981)」などがあります。

「シェルブールの雨傘」の主題はロマンチックなメロディですが、ジャジーな編曲もされており、ジャズからの影響が強いことがうかがわれます。本作品「シェリーズ・マン・ホール」の録音は、ルグランが映画「Sweet November」の仕事でハリウッドに滞在している際、スタジオ・オーケストラで顔を合わせたシェリー・マンの申し出で行われたものです。

したがって、出演したライブ・ハウスはシェリーズ・マン・ホール。メンバーは、ルグラン(p)、レイ・ブラウン(b)、シェリー・マン(ds)という豪華メンバーです。曲目は、8曲中4曲が3人による共作と表記され、他に「A Time For Love」、「Watch What Happens」、「My Funny Valentine」、「Willow Weep For Me」です。

ルグランは、磨かれた歯切れのいい音で、単旋律を用いたソロを中心になかなかスイングします。レイ・ブラウンの縦横無尽なベースプレイも聴きものです。3人の共作作品から、ミディアムテンポでグルーヴィーな味わいもある「Ray's Riff」、そしてルグランの熱演が聴ける「Another Blues」、のびのびとプレイしているルグランの自作曲「Watch What Happens」あたりが印象に残ります。


ジョン・ジェンキンス JAZZ EYES

2009-11-05 22:21:37 | アルト・サックス

秋も深まってきましたが、「女心(男心)と秋の空」というようにお天気が変わりやすく、晴天が続くと次は雨の日が続くというような時期です。「女心」というのは、元来は「男心」だったようですが、人の心の変わりやすさを天気に例えて表現したフレーズです。秋晴れというように、晴れた日はきれいな青空が広がります。青色の地に女性の目が印象的なジャケットです。

JOHN JENKINS (ジョン・ジェンキンス)
JAZZ EYES (Regent 1957年録音)

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ジョン・ジェンキンスは、1957年の8カ月間に10作の録音に参加しながら、ジャズ・シーンから消息が途絶えたアルト・サックス奏者です。同じアルト・サックス奏者のジャッキー・マクリーンのイミテイターという評をされることもありますが、両人ともC・パーカーの影響を受けているので、ちょっと言い過ぎだとも思えます。

マクリーンに似ていることは確かですが、音色が柔かいことや、バラードなどを聴くと抒情性が強いことなど、特徴があるのも事実です。サイドメンとしての録音は、マクリーンの「Alto Madness」やH・モブレイの「Hank」などがあり、ジェンキンスのリーダー作はともかく、これらを聴いたことのあるジャズファンは多いと思います。

本作は、ジェンキンス(as)、ドナルド・バード(tp)、カーティス・フラー(tb)、トミー・フラナガン(p)、ダグ・ワトキンス(b)、アーサー・テイラー(ds)というメンバーで録音された、くつろいだセッションです。曲目は、パーカー作曲の「Star Eyes」以外は、ジェンキンスの手になる「Orpheus」、「Honkeylike」、「Rockaway」。

旋律が知られている「Star Eyes」が一番の聴きもので、管楽器の3人ともスムーズなプレイぶり。D・バードは、他の曲でもフレーズがよどみなく続くソロを繰り広げて、安定感があります。ブルース調の「Rockaway」はテーマをはじめ意外と面白く、リズムの3人も含めて全員のソロがリレーされます。

ホームページにジョン・ジェンキンス(アルト・サックス)掲載しました。時間があればご覧ください。モダン・ジャズやヴォーカルを聴こう ジョン・ジェンキンス

近くの公園 (2009/11/04)

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空は晴れ渡りましたが、長野市では紅葉はそろそろ終わりです。