ジャズ批評2024年7月号の特集「銀幕の歌姫」中に紹介されている、女優さんのアルバムを継続して聴いています。本作は、ローラ・アルブライトが、1958年のTVドラマ「ピーター・ガン」にナイトクラブの歌手役で出演し、それがきっかけで録音したアルバムです。
表紙
(ローラ・アルブライトの紹介ページ)
LOLA ALBRIGHT (ローラ・アルブライト)
DREAMSVILLE (COLUMBIA 1959年録音)
ローラ・アルブライト(1924~2017年)は、TV「ピーター・ガン」シリーズ(1958~61年)で、ナイトクラブの歌手で、ピーター・ガンの恋人役を演じています。同ドラマの114のエピソードのうち38で歌っているようです。映画では、1966年に『ロード・ラブ・アヒル』の演技によりベルリン国際映画祭で最優秀女優賞の銀熊賞を受賞するなど、多くの作品に出ています。
TVドラマ「ピーター・ガン」の音楽は、「ムーン・リバー」や「酒とバラの日々」を作曲したことで知られるヘンリー・マンシーニが担当しており、このアルバムでも、ディレクターというクレジットがされていて、全面的に協力しているようです。多分、マンシーニは編曲を行い、楽団の指揮もとっていると思われます。
曲目は、次のとおり。・
1 Two Sleepy People (Horgy Carmichael, Frank Loesser)
2 Dreamsville (Henry Mancini, Ray Evans, Jay Livingston)
3 We Kiss in a Shadow (Richard Rodgers, Oscar Hammerstein II)
4 Brief and Breezy (Henry Mancini, Sammy Cahn)
5 You’re Driving Me Crazy! (Walter Donaldson)
6 They Didn’t Believe Me (Jerome Kern, Herbert Reynolds)
7 Soft Sounds (Henry Mancini, Sammy Cahn)
8 Slow and Easy (Henry Mancini, Sammy Cahn)
9 It’s Always You (Jimmy Van Huesen, Johnny Burke)
10 Straight to Baby (Henry Mancini, Ray Evans, Jay Livingston)
11 Just You, Just Me (Jesse Greer, Raymond Klages)
12 Sorta Blue (Henry Mancini, Sammy Cahn)
スタンダードとヘンリー・マンシーニのオリジナル曲が半々です。大好きな「Two Sleepy People」が入っているので、それだけでポイント高いです。
ローラ・アルブライトの第1作目「Lola Wants You」は、2007年に取り上げた(その記事へのリンク)ので、第2作目の「Dreamsville」を聴いてみました。アルブライトの歌ですが、声域は広くない感じですが、ジュリー・ロンドンに通じる、官能性とジャジーなところがあるように思います。本作は、ジャズっぽい伴奏がついていますが、全体にはポピュラー系です。スタンダード曲では、ムーディーな「Two Sleepy People」や「It’s Always You」が、マンシーニの作品では、ブルージーな「Slow and Easy」や、ほの暗い「Sorta Blue」あたりが好みです。
ジャケット裏面
レコードのラベル。
「Lola Want You」のジャケットも撮ってみました。