育児休業中の女性職員が子供を抱いて職場に挨拶に来てくれました。生後10か月の元気そうな男の子で、すくすくと育っているようです。スキルのある女性ということもあり、本人が希望している職場への復帰はスムーズに実現しそうです。スキル(テクニック、技巧)の優れたヴォーカリストとして、反射的に思い浮かべるのはアニタ・オデイです。今夜は傑作盤を聴いてみます。
ANITA O'DAY (アニタ・オデイ)
ANITA SINGS THE MOST (VERVE 1956年録音)
アニタ・オデイの奔放ながらムードを出すところも心得ている歌唱に加えて、伴奏ミュージシャンがオスカー・ピーターソン・バンドで豪華です。今回あらためて聴いてみると、オデイの声がハスキーではあるものの、高音も美しく伸びていて別の魅力に気づかされました。アニタの代表作の一つです。
アニタのヴォーカルを含めてジャズ寄りの作品で、伴奏陣もところどころでソロをとっています。伴奏は、ピーターソン(ピアノ)、ハーブ・エリス(ギター)、レイ・ブラウン(ベース)、ミルト・ホランド又はジョン・プール(ドラムス)で、歌にからむピアノ、ギターの名人芸も堪能できます。
曲目は、すべてスタンダードです。「'S Wonderful~They Can't take that away from Me」、「Tenderly」、「Love Me or Leave Me」、「We'll Be Together Again」、「Stella by Starlight」、「Them There Eyes」、「I've Got The World on a String」、「You Turned The Tables on Me」、「Bewitched」など12曲です。
「Them There Eyes」では急速調で、どうしてこんなに早く歌えるのかとだれもが驚くヴァージョンです。「Tenderly」は丁寧に歌い旋律の素晴らしさが際立っています。クールな感じもする歌唱で、結構好きです。「Stella by Starlight」、「I've Got The World on a String」もそれぞれ細部まで工夫し情感をこめて歌っています。