健康のため朝は少し遠回りして通勤をしていますが、その途中で、面白い喫茶店を見つけました。ブック・カフェの「まいまい堂」で、オープンしたのは一昨年あたりのようです。販売も兼ねて本棚には多くのジャンルの本を備えていて、手にとって読むこともできます。本ばかりでなく、少量ですが、中古のCDも置いてありました。そこで購入したアルバムです。
ART BLAKEY (アート・ブレイキー)
A DAY WITH ART BLAKEY 1961 (BAYBRIGE 1961年録音)
聴いてみようと思いつつ、入手しなくてそのままというアルバムがあります。多数の作品があるミュージシャンについては、曲目が重複したり、演奏の傾向が類推できると、まあいいやということになりかねません。その一枚が、アート・ブレイキーのこのアルバムでした。日本のジャズブームの火付け役となった公演の録音という歴史的価値に加え、勢いのよい若手のライブ演奏がおさめられていて、見逃すにはもったいないアルバムでした。
メンバーは、リー・モーガン(tp)、ウェイン・ショーター(ts)、ボビー・ティモンズ(p)、ジミー・メリット(b)、アート・ブレイキー(ds)。録音時、モーガンは22歳、ショーターは27歳、ティモンズは25歳という若いサイドメンです。ベニー・ゴルソンの後任として加入したショーターは、まだよく知られていませんでしたが、この東京におけるコンサートでは彼の書いた曲が2曲演奏されています。
曲は、メンバーのオリジナルとスタンダードです。ショーター作「The Summit」と「Nelly Bly」、ティモンズ作「Moanin'」と「Dat Dere」、前メンバーだったB・ゴルソン作「Blues March」、スタンダードの「The Breeze and I」(そよ風と私)、「It's Only A Paper Moon」、「Round About Midnight」、「A Night in Tunisia」(チュニジアの夜)の全9曲。メンバーが書いた曲がスタンダード化しているのを見ると、ブレイキーのタレントスカウト能力の高さにあらためて驚きます。
エキサイティングなプレイの連続で、会場の観客と一緒になって興奮してしまいました。おなじみの曲もフレッシュに聴こえますが、これは、ウェイン・ショーター(ts)の抜群の新しさのせいで、「Dat Dere」も彼のソロのところは別物のようです。また、ショーター自作の「The Summit」のテナー・ソロでは、「メリーさんの羊」を引用していてユーモアたっぷり。圧巻の演奏は、「A Night In Tunisia」で、ブレイキー、ショーター、モーガン、ティモンズと、この夜のベストなプレイを繰り広げています。
【まいまい堂】
住所:長野市上千歳町1137-2
電話:090-4153-2007 定休日:日曜
手前の「Honye Suckle Rose」、自転車を置いてある「竹村テーラー」、そして、3軒目でらせん階段がある「まいまい堂」と続く、ちょっと面白い一画。
まいまい堂の入り口。かたつむりの置物が飾ってあります。らせん階段があるとこから、「まいまい堂」と名付けたとのこと。
まいまい堂の店内。