先週、「ヘブンスそのはら星空ナイトツァー」(長野県下伊那郡阿智村)に行ってきました。山麓駅からゴンドラに乗り15分で終点の星空観賞エリアに到着。午後8時半には、全ての照明が消されて、レーザー光線で指し示しながら、星や星座についての説明が行われ、約100人の観客が聞き入りました。若干かかっていた雲も、午後9時ごろには一掃されて、北極星、ベガ(織姫星)、天の川など満天の星をみることができました。当夜は、ジャズ・ナイトで、スタンダードジャズの演奏も行われました。
J. J. JONSON (ジェイ・ジェイ・ジョンソン)
IN SWEDEN 1957 (Marshmallow 1956,1957年録音)
星空ナイトツァーでは、星や月にちなんだ曲が主に演奏されて、テンポは概ねゆっくりで、その場の雰囲気に似合うものでした。単身赴任宅に帰宅したら、テンポが早く熱い演奏を聴きたくなり、J. J. ジョンソン(tb)の吹く「It's Only A Paper Moon」が収録された「In Sweden 1957」を取り出しました。日本のマシュマロレーベルが発売したもので、素晴らしいトラックばかりです。
1957年のJ.J.ジョンソンのスウェーデン・ツァーは、トミー・フラナガン・トリオによる「Overseas」を生んだことで有名ですが、そのツァーのメンバー5人による録音がまとめられたCDです。メンバーは、J. J. ジョンソン(tb)、ボビー・ジャズパー(ts fl)、トミー・フラナガン(p)、ウィルバー・リトル(b)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)。J.J.がtromboniumというジャケット写真に写っている楽器を使ったトラックもあるようですが、判然としません。
楽旅中のストックホルムにおける放送録音が5曲で、「Thou Swell」、「Undecided」、「Never Let Me Go」、「It's Only A Paper Moon」、「A Night in Tunisia」。あとは楽旅前のアメリカにおける録音で、1957年1月のジャズクラブ「レッド・ヒル・イン」からの放送録音が4曲で、「Solar~Intro.」、「Thad Ben Wess」、「It's All Right With Me」、「Undecided」、そして1956年の「J is For Jazz」セッションから「Chasin' The Bird」の別テイクが2つです。なんといっても注目は、ストックホルムにおける録音。
全員絶好調と思われ、はじめの「Thou Swell」におけるフラナガン(p)のイントロを聴いただけで、期待に胸が躍ります。バラード「Never Let Me Go」では、ジャスパーはフルートを吹き、ジョンソンはミュートをつけていて、音色のブレンドも面白く、抒情的。「It's Only A Paper Moon」は、相当なアップテンポですが、ジョンソンは苦も無く音をヒットしていきます。エルヴィン・ジョーンズ(ds)に煽られてジャズパー、フラナガンのソロも、熱を帯びたもの。「A Night In Tunisia」もエキサイティングで、短いながらフラナガンのソロがメロディアスでまとまっています。
【ヘブンスそのはら星空ナイトツァー】
下記に2枚写真を載せましたが、僕の腕では、星空や夜景を撮るというのは困難でした。満天の星空をご想像いただくか、昼神温泉観光局のホームページ(ヘブンスそのはら星空ナイトツァー)をご覧ください。出演したテナー・サックス、ギター、ベースのトリオにより演奏された曲は、「Star Dust」、「Stella by Starlight」、「Stars Fell On Alabama」、「When You Wish Upon a Star」、「Fly Me to The Moon」、「I Remember Clifford」、「On The Sunny Side of The Street」、「見上げてごらん夜の星を」などでした。観客から演奏にも拍手があって、皆さん音楽も楽しんでいたようです。