大晦日です。祖父が、毎月の最後の日を「みそか」とよくいっていました。もちろん、「三十日」の意味ですが、毎月の支払が無事終了したというホッとした気分もあったようです。正月の準備も終わったので、長い録音時間のオールナイトセッションを聴いてみます。
HAMPTON HAWES (ハンプトン・ホーズ)
ALL NIGHT SESSION! (CONTEMPORARY 1956年録音)
日本盤CD2枚組のジャケットです。元々は3枚のLPで発売されていたので、「1~3」の表記におやっと首をかしげた方もいると思います。ハンプトン・ホーズ(ピアノ)は、1955年の軍隊除隊後から58年にヘロイン中毒で収容されるまでの間にコンテンポラリーに多くの録音を残していますが、これはその一つです。
パーカー、パウエルからの影響を受けていますが、ファンキーさもところどころ出ています。アドリブはちょっと聞くとごつごつしている感じで、不協和音やスタッカートを使うなど、特に最近のピアニストに慣れた耳には、はじめは違和感があるかもしれません。
しかしながら、スイング感とブルージーに盛り上げていくところは醍醐味にあふれています。メンバーは、ホーズのほか、ジム・ホール(ギター)、レッド・ミッチェル(ベース)、ブラッツ・フリーマン(ドラムス)です。ホールとの組み合わせが意外ですが、ホールがホーズに合わせて細かいフレーズを弾いています。
一晩中テープが回されて、いずれもワンテイクでとられています。「I'll Remenber April」、「Woody'n You」、「Two Bass Hit」、「Blue'n Boogie」などテンポが早めのものが印象に残ります。