安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

リチャード・グルーヴ・ホルムズ「SOUL MESSAGE」と飛騨のひつまぶし丼ランチの話題

2019-11-30 20:06:03 | ヴァイブ、オルガン他

次第に寒くなってきて、ランチのために職場から街に出るのも億劫な季節になってきました。それでも、先日は長野駅前まで出かけていって、「飛騨」で「ひつまぶし風うな丼」を食べてきました。もちろん本格的な鰻ではありませんが、煮物などもついて、この値段としてはかなりよく出来ていました。よく出来たオルガンのアルバム。

RICHARD "GROOVE" HOLMES (リチャード・グルーヴ・ホルムズ)
SOUL MESSAGE (Prestige  1965年録音)

   

僕はオルガンはあまり聴かないのですが、いくつかのアルバムは手元に置いてあり、これはその一枚です。リチャード・グルーヴ・ホルムズ(1931~91年)は、スタイル的にはジミー・スミスの影響を受けていると思いますが、よりソウルフルで悦楽的な感じがします。

メンバーは、リチャード・グルーヴ・ホルムズ(org)、ジーン・エドワーズ(g)、ジミー・スミス(ds)。ホルムズは、パシフィック、プレスティッジ、ミューズといったレーベルに多くのアルバムを残しており、人気のあったミュージシャンですが、残念ながら心臓発作で60歳で亡くなっています。

曲目は、ホルムズの自作が「Groove's Groove」と「Soul Message」、クリフォード・ブラウン作「Daahoud」、エロール・ガーナー作「Misty」、ホレス・シルヴァー作「Song for My Father」、スタンダード曲の「The Things We Did last Summer」の6曲。ここに収録された「Misty」は、ヒットしたヴァージョンです。

原曲の倍といってよいテンポで調子よく演奏している「Misty」をはじめ、ソウルフルなオルガントリオの快演が聴けます。オルガンはピアノと異なり音が減衰しないので、「Misty」などのソロでは同一音をぐっと長く伸ばして効果的に使っています。「Song for My Father」を聴くと、映画「探偵はバーにいる」の冒頭の音楽は、このホルムズの演奏からインスパイアされて作ったのではないかと思えてきます。ミドルテンポでギター・ソロもブルージーな「Groove's Groove」、バラード「The Things We Did Last Summer」もよく、リラックスタイムに好適。

【飛騨でランチ】

JR長野駅のすぐ近くです。僕の知る限りでも、この場所で40年くらいは営業をしています。

入口。

ランチのメニュー。

こちらもランチメニューです。

店内。本来は居酒屋といった方がいいかもしれません。宴会では何回も使ったことがあります。奧に座敷(現在はテーブル、椅子)があります。

やや早めの時間に行ったのですが、意外にお客様が入っていました。

「ひつまぶし風うな丼」です。丼に隠れて見えていませんが、小皿に漬物もありました。

アップ。

この大根と人参の煮物が美味しかった。

味噌汁には、あさりが入っています。

【民芸調食事処 飛騨】

住所:長野県長野市北石堂町1370
電話:026-224-0021
ホームページ:飛騨


ラ・トスカ(LA TOSCA)(イタリアン 長野市桜枝町)

2019-11-29 20:02:26 | グルメ

イタリアンレストランのラ・トスカ(LA TOSCA)は、善光寺近くの桜枝町にありますが、結構前から営業をしていて(オープンは2004年)気になっていたお店です。店名が「La Tosca」で、プッチーニのオペラの名前と同じなので、そこからとられたのかもしれないと想像していました。

マスターに店名の由来を訊いたら、トスカ人というような意味で、オペラと直接の関係はないとのことでした。トスカーナ地方(中心はフィレンツェ)で修業し、料理もトスカーナ風のものがあるようなので、付けた名前のようでした。ランチに入ったのですが、パスタが美味しく街のイタリア食堂という感じが好ましかった。

   

看板。

外観。一階だけで営業をしています。

入口。

店内。落ち着いた内装です。

ワインもいろいろなものがあるようです。

右側が道路に面しています。

まず、サラダとガーリックトーストが運ばれてきました。

レタス主体です。酸味が効いています。

なかなか美味しいパンです。

トマト味のパスタ。細い麺が僕好みです。

お肉料理。「豚肉のタリアータ」です。

アップ。肉の量が多くて、サービスがよかった。

珈琲と本日のドルチェ。

キャラメルベースのケーキ。濃厚な味でした。

【ラ・トスカ(LA TOSCA)】

住所:長野県長野市大字長野桜枝町901 
電話:026-235-6512
ホームページ:latosca


映画「レディ・マエストロ」を観ました。(11月26日 長野市シネマポイント)

2019-11-28 20:03:14 | 映画・DVD・テレビ

久しぶりに映画館で映画を観ました。観たのは、「レディ・マエストロ」です。

   

チラシ表面。

(ストーリー)

『女性指揮者のパイオニア、アントニア・ブリコ(1902~1989年)の半生を数々の名曲と共にたどる感動の実話』というのがチラシに書かれているこの映画の内容です。監督・脚本は、ブリコの出生地オランダのマリア・ペーテルスで、オランダで最も成功した脚本家および映画監督だそうです。

   

チラシ裏面。

(感 想)

ブリコの「指揮者になりたい」という意思の強さと行動力、それを回りで支える人々の温かさ、仕事をとるか家庭をとるか二者択一を迫る富豪の息子とのロマンスなど、女性の活躍と恋物語が相互にからむ筋立てです。ベルリンフィルで指揮デビューに成功したのに続き、ニューヨークでも苦労しながら成功を収めた場面は感動を覚えました。

観ていてあの環境でピアニストになれるわけがなく、また、巨匠カール・ムックに師事するのに、指揮や楽理の勉強をしておらず、実話とは異なると感じたのですが、パンフレットを読んでみてストーリーにかなり創作が入っていることがわかりました。オランダの指揮者メンゲルベルクの登場も事実ではありません。

実際のアントニア・ブリコの略歴は、カリフォルニア大学バークレー校で音楽を学びながらサンフランシスコオペラでアシスタントを務め、さらに高名なポーランド出身のピアニスト、作曲家のシグモント・ストヨフスキについて学んでいます。これらの基礎があって、カール・ムックの門下生になることができたのでしょう。

ストーリーは実話とは異なるところは多々ありますが、女性指揮者の先鞭をつけたということは間違いがありません。没後30年の記念年に映画化され、アントニア・ブリコという名前が知られたことは、とてもよかった。

以下はパンフレットからです。

   

アントニア・ブリコ本人の写真。

   

前島秀国さんの書いた実在のアントニア・ブリコに関する記事。

   

三ッ橋敬子さんへのインタビューも掲載されています。三ッ橋さんの指揮で新日本フィルハーモニー交響楽団の演奏を聴いたことがあります。(その際の拙ブログの記事へのリンク) 

 


キャロル・スローン「LITTLE GIRL BLUE」と山形県の麺文化の話題

2019-11-27 20:02:17 | ヴォーカル(A~D)

大人の休日倶楽部2019年12月号の特集の一つとして「山形に根付いた個性豊かな麺文化」というのがあり、興味深く読みました。山形県は何度か訪れていますが、「ひっぱりうどん」、「板そば」、「麦きり」という個性豊かな麺類があるのを初めて知り、それらを食べに訪れたくなりました。個性も感じられるアルバム。

CAROL SLOANE (キャロル・スローン)
LITTLE GIRL BLUE (SSJ 1959年録音)

   

キャロル・スローン(vo, 1937年生)は、大好きな歌手で、とりわけデビュー作の「Out of The Blue」(1961年録音)と「Live At 30th Street」(1962年録音)は、愛聴盤です。また、デビュー作の前に録音されたテープから制作された「Hush-A-Bye」と今回アップの「Little Girl Blue」も若い時のキャロルの歌声を聴けるので大事にしています。

メンバーは、キャロル・スローン(vo)、チャック・ウェイン(g)、バッキー・ピザレリ(g)、ラルフ・パット(g)、ケニー・オブライエン(b)、ビル・フィネガン(cele)、ラリー・エルガート楽団(Walkin'のみ)などです。元は、ラリ・エルガートが彼女を売り出すためにプロモート用として録音されたものです。

曲はスタンダード揃い。「Little Girl Blue」、「I've Got the World on a String」、「Bewitched」、「Someone to Watch Over Me」、「Danny Boy」、「What's New?」、「Honeysuckle Rose」、「Mood Indigo」、「Lover Man」、「You Stepped Out of a Dream」、「Walkin'」の全11曲。「Walkin'」は、ラリー・エルガート楽団主体の演奏で、キャロル・スローンはトランペットの役目で声を出しています。

ギター主体の伴奏により、キャロル・スローンが歌うスタンダード曲をじっくりと楽しめました。この音源は、ラリー・エルガートが秘蔵していて、録音から50年経過した2009年になって発表されたものですが、古臭さはまったくなく、初々しいキャロルの声が新鮮です。切々とした「Little Girl Blue」、格調が高く声も良く出ている「Danny Boy」、出だしの「What's」でこぶしを効かせてフェイクする「What's New?」など、歌詞や原曲のメロディを大事に歌っている優れたアルバム。

【同時期録音の「Hush-A-Bye」のレコードをフレームに入れて飾りました。】

   

【JR東日本 大人の休日倶楽部2019年12月号】

   

表紙。

   

山形県は、最上、村山、庄内、置賜(おきたま)の4地域に分けられ、それぞれの地域に個性的な麺があるそうです。

   

   

「ひっぱりうどん」は、乾麺をゆで、サバの水煮、生卵、納豆、醤油などを混ぜたたれで食べるソウルフードで、戦前、炭焼きをするためにやまごもりをする時に茹でた麺を鍋からひっぱり上げて食べたのが起源だそうです。山形市の「香味庵まるはち」で食べることができるそうです。

   

「板そば」は、最上・村山地域にみられるもので、巨大な木箱に盛られて供されるそうです。農作業の後などにその労をねぎらうため大勢に振る舞ったのが由来とされているそうです。新庄市の「手打ちそば さぶん」などでいただけます。

   

「麦きり」は、庄内地方に受け継がれる細いうどんといった麺です。原材料は小麦粉で、粉の配合や作り方はお店に伝わるものだそうです。鶴岡市の「寝覚屋半兵エ」で食べられるそうです。

   

「米沢ラーメン」の特徴は、細い縮れ麺だそうです。米沢市内には製麺業者が5つあり、ラーメン店は100を超えるようです。大人の休日倶楽部2019年12月号では「やまとや本店」が紹介されていました。


祝SACD化!指揮者カール・シューリヒトで聴くベートーヴェンやブルックナー

2019-11-26 20:05:17 | クラシック

カール・シューリヒト(1880~1967年)は、通信販売のコンサートホールソサエティのレコードで知った指揮者で、ヨハン・シュトラウスやシューマン、モーツァルト、ブラームスなどを演奏したアルバムは愛聴盤です。近年、SACD化されたので、それを聴くことが多いです。

また、パリ音楽院管との「ベートーヴェン交響曲全集」、ウィーンフィルとの「ブルックナー交響曲第3番、8番、9番」がSACD化されタワーレコードから最近発売されたので購入しました。以下は、このごろ聴いているシューリヒト指揮のアルバムです。なお、本も読んだので写真などを掲載します。

(コンサートホール音源)

【ヨハン・シュトラウス名演集 ウィーン国立歌劇場管弦楽団】

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「ウィーンの森の物語」、「南国のバラ」など、躍動感が半端ではなく管弦楽も美しい。この録音に居合わせた日本人指揮者の岩城宏之さんが、「神だ!神だ!」とつぶやいていたと、プロデューサーが記しています。

【ブルックナー:交響曲第7番 ハーグ・フィルハーモニー管弦楽団】  

   

録音の前夜、シューリヒトは金管楽器セクションだけのリハーサルを行ったと、本に書いてありました。コンサートホールへの録音は、様々な管弦楽団を使って行われていますが、用意周到に準備をして録音に臨んだことがわかります。

【シューマン:交響曲第3番 シュトゥットガルト南ドイツ放送交響楽団】

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清々しい演奏。シューマンの交響曲第3番については、シューリヒトが手を入れて響きを整えているようです。

(EMI音源など)

【ベートーヴェン:交響曲全集 パリ音楽院管弦楽団】

   

第9番を除きモノラル録音であるのが少し残念なところですが、6番、8番など記憶に残ります。今回聴いたら、第9番の演奏がすっきりとして美しくて感銘を受けました。、

【ブルックナー 交響曲第3番、8番、9番 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団】

   

ウィーン・フィルとは、アメリカ演奏旅行の指揮者として同行するなど良好な関係を持ちましたが、このブルックナーの8番、9番は、世評の高いものです。

【ベートーヴェン:交響曲第3番 フランス国立放送管弦楽団】

   

ライブ盤ですが音質はよいです。生き生きとして、颯爽たる演奏のように思えます。

(最近聴いているSACDやCD)

クラシックを中心に積み上げてあるCDです。前面にあるのがSACDです。ジャズは、マイルスとエヴァンス、ウェスのものくらいしか持っていません。クラシック中心にSACDは、まだ増えていくと思います。

【ミシェル・シェヴィ著「大指揮者カール・シューリヒト 生涯と芸術」】    

    

表紙

   

ウィーン・フィルからは名誉楽団員の称号をもらっています。

   

シカゴ交響楽団とボストン交響楽団に客演しています。

   

作曲家のゾルタン・コダーイの訪問を受けているところ。シューリヒトは、現代音楽の演奏に力を入れていました。

ヨハン・シュトラウスのワルツも録音ばかりでなく、ライブでも演奏していたことがわかります。

ベルリンフィルにも客演し、録音も残っています。

   

ブルックナーの交響曲は、シューリヒトの主要レパートリーです。