きのうの土曜日、長野県内に激しい雨が降りました。天気予報を見て安曇野市に行くのも控えて、長野市の自宅にいました。そこで、昔買ってあった本を2~3冊読んでみましたが、横尾忠則著「名画感応術」(光文社文庫)が面白く読みふけりました。36の絵画を取り上げて、どこが感情に訴えてきたか、どうよかったのかを書いたもので、「キーファーは直感で観る」という章に横尾さんの考え方が端的に表れていました。フランスの画家が多く登場したので、音楽の方も。
ROGER GUERIN (ロジェ・ゲラン)
ROGER GUERIN - BENNY GOLSON (Columbia 1958年録音)
名前からしてすぐにフランスのミュージシャンだとわかる、ロジェ・ゲラン(トランペット)ですが、長い活動にもかかわらずリーダー作はこれ一枚だけです。古くはジャンゴ・ラインハルト(g)と共演し、60年代には、クインシー・ジョーンズらの訪欧楽団に参加、70年代以降もマーシャル・ソラール(p)などとプレイしています。
ジャズ・メッセンジャーズの渡仏時に録音されたもので、1958年12月12日の4曲の録音メンバーは、ロジェ・ゲラン(tp)、ベニー・ゴルソン(ts)、ボビー・ティモンズ(p)、ピエール・ミシェロ(b)、クリスチャン・ギャロ(ds)。同年12月18日録音が、ロジェ・ゲラン(tp)、マイケル・ハウザー(vib)、マーシャル・ソラール(p)、ピエール・ミシェロ(b)、クリスチャン・ギャロ(ds)で1曲です。
メッセンジャーズのメンバーと録音した4曲は、「Stablemates」(ステイブルメイツ)、「Moanin'」(モーニン)、「Blues March」(ブルース・マーチ)、「I Remember Clifford」(クリフォードの想い出)というゴルソン作の3曲とティモンズの1曲。18日は、ゲラン作「Not Serious」の1曲で、合計5曲です。なお、原盤は、フランスコロンビア発売のEP盤で、僕の持っているのは再発の12インチLPです。
ゴルソン作の「Stabelemates」は、テーマの真ん中あたりで、休符が入りストップし、そこにピアノが入ることもある、工夫されていて好きな曲です。ここでのプレイもゴルソン、ティモンズ、そしてゲランと雰囲気が横溢しています。「I Remember Clifford」は、ゴルソンのクリフォード・ブラウンを思いやるかのような出だしの吹奏とオブリガート、ゲランのミュートプレイも冴えています。また、意外な拾いものがゲラン作「Not Serious」で、なかなかスインギーでした。
【Benny Golson & The Philadelphians】
東芝EMIからつい最近発売された999円の廉価盤シリーズの「ベニー・ゴルソン&ザ・フィラデルフィアンズ」に、上記作の12月12日録音の4曲が追加収録されています。とんでもなくお得で大盤振る舞いです。僕もこのCDを買いました。
【横尾忠則著 名画感応術(光文社文庫)】
「絵画に歓びをみつけることのできる人は本当に幸せだと思う。」と記し、「この本が少しでも感応の手引きになれば嬉しいと思う。」とまえがきにあります。