この8月は、長野県の南北を頻繁に往来していましたが、18日(日)に、長野市から飯田市に向かう際に、高速道の事故渋滞があったので迂回し、東筑摩郡麻績村の聖峠を越えました。聖湖の湖畔で休憩をとりましたが、へら鮒釣りでしょうか、釣り人がのんびりと糸を垂れているところに遭遇しました。僕は、魚釣りはやりませんが、湖畔で過ごす一日はいいだろうなと羨ましくなりながら、聖湖を後にしました。余裕のあるプレイぶりのピアノ・トリオ。
JOHN WRIGHT (ジョン・ライト)
NICE 'N' TASTY (PRESTIGE 1960年録音)
ジョン・ライトは右手のシングルトーンと、ブロックコードが心地よいブルースフィーリングに溢れたピアニストです。レッド・ガーランドを連想させるプレイですが、シカゴ出身で同地で活躍しただけあって、ブルースやゴスペルの色彩が強く感じられます。プレスティッジ・レーベルに5枚のリーダー作を残していますが、これは、その中の1枚です。
メンバーは、ジョン・ライト(p)、ウェンデル・マーシャル(b)、J.C.ハード(ds)。ライト以外の二人も地味な名前ですが、スイング系統からモダンまで多くの録音に参加しています。ピアノが主役で、あとの二人はほぼ伴奏に徹していて、ベースやドラムスの出番も多い最近のピアノトリオ作品と異なり、ピアニストに焦点が絞られています。
曲は、スタンダードと本人の自作中心で、キャンノンボール・アダレイ作「Things Are Getting Better」、スタンダードの「The Very Thought of You」、「Witchcraft」、「Darn That Dream」、あとはライトの自作で、「Pie Face」、「You Do It」、「The Wright Way」、「Yes I Know」の全8曲。
小さなジャズクラブで、深夜にお酒とともに聴いてみたいような、親密で、リラックスできる演奏です。「Things Are Getting Better」は、ミディアムテンポで、ゆったりとスイングしていますし、「The Very Thought of You」は、思いきったスローテンポで、高音も使いながら音数の少ないソロをとります。ジョン・ライト(p)の自作では、ゴスペルからの影響をうかがわせる、「Pie Face」や「The Wright Way」が面白く、ためを効かせたブルージーなプレイを堪能しました。
【2013年夏の聖湖】
聖湖所在地:長野県東筑摩郡麻績村聖